三洋電機(株)は26日、無線ブロードバンドソリューションプロバイダーの米SOMA Networks(ソーマ・ネットワークス)社と共同で、次世代無線ブロードバンドシステム“SoftAir(ソフト・エア)”を開発し、無線ブロードバンド事業に参入すると発表した。開発したシステムは同社が生産/供給し、米ソーマ・ネットワークスと共同で販売とサービスを行なう。
“SoftAir”のシステム概念図 |
“SoftAir”は、実効速度が最大12Mbpsの高速データ通信が可能な加入者系無線アクセス通信システムで、将来的には37.5Mbpsまで高速化が可能という。データ専用チャネルと独立した音声専用チャネルを利用するため、高品質のVoIP(IP電話)サービスを低コストで提供できるほか、常に最適な方向にアンテナを自動調整する“動的選択ダイバーシティ方式”を採用することで加入者装置の設置を容易にしたのが特徴。ポータルサイトで加入者情報を入力すればシステムの利用が可能になるという。基地局1台あたりでカバーできるエリアは半径5km以上(見通し外)と広範囲となっており、少ない基地局でサービスを開始できるため、事業者にとって投資効率も高いとしている。
同社では、“SoftAir”をケイマン諸島のブロードバンド通信会社ケイマン・ワン(caymanone)に納入することが決定したとしており、北米、東欧、東南アジアなどでもフィールドテストや商談を進めているという。売り上げ目標は2010年度での売上高として300億円としている。