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ハイビジョンハンディカム HDR-HC1

ハイビジョンハンディカム HDR-HC1

2005年12月20日 00時00分更新

文● 伊藤裕也

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VAIO type Rなら
デジタルデータのままパソコンに転送可能

 撮影した映像の高い映像品質を最も実感できるのは、なんといってもその映像を出力したときだろう。映像出力はコンポジットビデオ出力端子(RCA)などを接続できるAV出力端子のほかにD3対応のコンポーネントアウトを本体側面下部に搭載、付属のケーブルを使用してD3対応のデジタルハイビジョンテレビに直接接続できる。

本体側面下部に並ぶ入出力ポート。左からi.LINK、USB、コンポーネント出力、AV出力となっている。右端はACアダプタの接続ポートだ
VAIO type R。映像作品の作成などに強い興味のある層をターゲットとする、ソニーVAIOシリーズにおけるフラッグシップモデルだ

 また、IEEE 1394ポートとHDV対応のソフトウェアがあれば、i.LINK(IEEE 1394)により撮影した映像をパソコンとの間でデジタルデータのまま転送可能だ。現時点での対応ソフトウェアはアップルコンピュータ(株)のビデオ編集ソフト「iMovie HD」「Final Cut Pro」があるほか、アドビシステムズ(株)の「Adobe Premiere Pro」、ユーリードシステムズ(株)の「Media Studio Pro」もオプションのプラグインによりHDVに対応する。またこれに標準で対応するパソコンとしては、今のところ「DVgate Plus」を搭載するVAIOがある。ちなみにVAIO type Rでは、プレインストールされているビデオ編集ソフト「Adobe Premiere Pro 1.5」によりビデオの編集処理にも対応する。編集した映像はデジタルデータのままDVカセットに出力できるので、撮影した映像から作成したオリジナルのビデオ作品をハイビジョンテレビで公開なんてことも可能だ。



i.LINKで接続したHDV対応機器との間で映像を転送できる「DVgate Plus」。読み込みはもちろん、書き戻しも可能だVAIO type Rに付属するビデオ編集ソフト「Adobe Premiere Pro 1.5」。本格的なビデオ編集に対応するソフトで、HDVによる映像の扱いもサポートしている


280万画素の写真撮影も可能

蝶を撮影

 静止画撮影機能については、1920×1440ドット、1920×1080ドットによるワイドモードなどの撮影モードを用意。記録メディアはメモリースティック デュオで、標準セットには16MBのメディアが付属する。フォトボタンがズームのコントロールを行なうボタンの後方で押しにくく、突然のシャッターチャンスには反応できない点がやや残念。しかし、デジタルカメラとしての基本的なスペックは普及価格帯によくみられる300万画素モデルと同等で、10倍ズーム対応・リングコントローラによるマニュアルフォーカスサポートなどカムコーダが搭載する機能の多くは静止画撮影時にも使用できる。映像を補足するメモからちょっとした望遠撮影、また、撮影の合間の記念撮影など、なにかと便利に使用できるだろう。



ボディ右側面ボディ上面
フォトボタンは右側面、ズームのコントロールを行なうボタンの後方
【作例9-a】1920×1080ドットで撮影した画像を640×480ドットにリサイズ【作例9-b】蝶の頭部を中心に元画像を640×480ドットでトリミングしたもの
【作例10-a】1920×1440ドットで撮影した画像を640×480ドットにリサイズ【作例10-b】蝶の頭部を中心に元画像を640×480ドットでトリミングしたもの
作例9は1920×1440ドット、作例10は1920×1080ドットによる撮影モードでのサンプル。体の作りや羽の模様など細かい部分まで表現できている
暗い場所などでの静止画撮影時に使用する内蔵フラッシュは、レンズ部の上面に格納されている


手が届く価格帯の唯一のHD対応カムコーダ!

 価格はオープンで、ソニーが運営するオンラインショッピングサイト“ソニースタイル”での価格は17万8000円だ。

 最近ではデジタルハイビジョンテレビの低価格化もあってリビングなどに設置している方も多いとは思うが、そうしたテレビの高解像度には一般的なカムコーダのフォーマットであるDVではスペック不足。DVカムコーダによる映像をスクリーンに表示すると、その映像は一般的に粗く見えてしまう。だからといってデジタルハイビジョンテレビに合う1080iの映像を撮影しようとすると、今まではHDR-FX1しか選択肢がなかった。ところがHDR-HC1の登場により、HDVフォーマットが一般の家庭などで使用できるレベルになった。更なる小型化・軽量化など課題はあるが、HDR-HC1の登場が持つ意味は非常に大きい。これでHDVの1080iに対応するカムコーダを他社が発表すれば、なかなか面白いことになってくるだろう。少なくとも一般の人が気軽に入手できそうな価格帯のカムコーダとしては現時点で唯一のHD対応モデル。HD対応TVを入手して、今までのDVカムコーダーで撮影した映像を再生してみたら「粗く見えて不満」とお嘆きの方には、ぜひともオススメしたい。

HDR-HC1の主なスペック
製品名 ハイビジョンハンディカム HDR-HC1
撮像素子 1/3インチCMOSセンサー
有効画素数 映像(16:9モード)198万画素
映像(4:3モード)148万画素
静止画(16:9モード)207万画素
静止画(4:3モード)276万画素
焦点距離(35mm換算) 映像(16:9モード):41~480mm
映像(4:3モード):50~590mm
静止画(16:9モード):40~400mm
静止画(4:3 モード):37~370mm
開放F値 F1.8~2.1
ズーム倍率 光学10倍/デジタル120倍(デジタルズームは映像撮影時のみ)
フォーカス オート/マニュアル
フィルター径 37mm
液晶ディスプレー 2.7インチワイド液晶パネル(12万3000ドット)
最低被写体照度 15ルクス(ナイトショット撮影時0ルクス)
手ぶれ補正機能 新アクティブイメージエリア方式
ホワイトバランス 自動/ワンプッシュ/屋外/屋内
明るさ調整 24段階
プログラムAE オート+5モード
シャッタースピード 1/2~1/10000秒
マイク ステレオエレクトレットコンデンサー
記録メディア miniDVカセット、メモリースティックPROデュオ、メモリースティックデュオ
記録フォーマット HDV、DVフォーマット
映像品質 HDV:1080i
DV:SP/LP
インターフェース 映像出力/コンポーネント出力/ヘッドホン出力/マイク入力/LANC/アクセサリシュー/USB/i.LINK
サイズ 幅71×奥行き188×高さ94mm/約680g(NP-FM50使用時は約780g)
付属品 リチャージャブルバッテリーパック(NP-FM50)、ACアダプタ、コンポーネントビデオケーブル、AV接続ケーブル、USBケーブル、メモリースティックデュオ(16MB)、メモリースティックデュオアダプタ、ワイヤレスリモコン(RMT-831)、レンズフード他

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