TDK(株)は13日、1層で25GB、2層で50GBの容量を持ち、2倍速記録に対応したカートリッジなしのベアディスクタイプ・ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)の量産サンプルの出荷を開始したと発表した。ラインアップは、追記型(BD-R)が片面1層25GBの『BD-R25』、片面2層50GBの『BD-R50』、書き換え型が片面1層25GBの『BD-RE25』、片面2層50GBの『BD-RE50』。ベアディスクに関するライセンス供与が“ブルーレイディスクアソシエーション(BDA:Blu-ray Disc Association)”から開始され次第、光ディスク専用の千曲川テクノ工場で量産を開始するとしている。
“BD-R”(追記型)の『BD-R25』と『BD-R50』 |
“BD-RE”(書き換え型)の『BD-RE25』と『BD-RE50』 |
同社は、カートリッジなしの片面1層25GB、片面2層50GBのブルーレイディスクを展示会などで参考出品するなど、技術面では完成していたが、ディスクの傷や汚れなどが記録/再生に致命的な障害をもらたす場合があることから、従来はカートリッジに入れて使用するようになっていたという。今回発表したディスクは、ブルーレイディスク専用に開発した独自のハードコーティング技術“DURABIS 2(デュラビス2)”を採用し、記録面を傷や汚れ、特に指紋汚れに強くしたことで、カートリッジなしで利用できるようにしたのが特徴。記録層の上のカバー層(厚さ100μm)の形成には独自の高精度スピンコートを採用し、ディスク全面をナノレベルの平滑性を持たせたという。
追記型(BD-R)は、記録膜に従来の追記型光ディスクの有機材料(色素)と異なり、無機材料(Si(シリコン)とCu(銅)合金の2層構造)を採用し、記録レーザー光の熱でSiとCu合金を溶融して合金化することで記録マークを形成。光の影響を受けないため保存性が高くなっている。書き換え型(BD-RE)には、1万回の書き換えでも低エラーレートを保つ高感度の相変化材料を採用。片面2層ディスクには高精度スタック(積層)技術を採用し、上層(Layer 1)と下層(Layer 0)の両方で安定性を高めたとしている。