あまり雪が降らないという仙台だが、12月10日は早朝から雪がちらつき始めていた。
この日、朝10時にオープンする“Apple Store Sendai Ichibancho”の前には深夜0時から人が並び始め、開店時の朝10時には、先週のApple Store Fukuoka Tenjinと同様に約1000人が行列をつくっていた。
商店街の区画の問題もあり、一番町商店街からはみ出て行列をつくることができない。そこで今回は異例の措置として、5人ずつで並ぶやや太めの行列ができあがった。
10時の開店と同時に深夜0時から並んだ地元の学生を先頭に列が店内に招き入れられた。一度に20人づつの入店だが、あっという間に店内は人であふれ、しばらくは往来の難しい状態が続いた。
雪がちらつく中、約1000人が開店前の行列に並んだ | 開店前の店舗内。スタッフ全員が集まり、最終ミーティングが行われた | 朝10時の開店時には、恒例のスタッフと客とのハイタッチが |
商店街に突如現れた行列に驚き、足を止めて中を覗く人も絶えなかった。行列はお昼過ぎには消えたが、午後3時から地元仙台在住の3人組ヒップホップユニット、GAGLEのライブが始まると、再び人が溢れ始めた。パフォーマンスはGenius Bar/the Studioの前にあるスペースを使って行われた。ライブが終わった後は、先着200名にiTunes Music Storeで同ユニットの曲をダウンロードできるカードが配られた。中にはアップル製品をよく知らないファンもいたようで、「私はCDを買うからいいわ」という声も聞こえてきた。
この日は、Apple Storeから離れた街角やレストランでも「Apple Store」について語る声をよく耳にした。同店については昨晩の地元テレビのニュースで紹介されたほか、今晩もオープニングの模様がテレビで紹介される模様だ。
さすがに開店直後の店内は、人でごった返していた。間口は狭いが、奥行きはかなりある | Genius Barも初日から盛況だった。こちらは予約システムについて説明を受けているところ |
地元の人に聞けば、Apple Store Sendai Ichibanchoのある通りは、東北三大祭りのひとつに数えられる仙台七夕祭りの中心地とのこと。クリスマス関係のデコレーションよりも、地元にゆかりのあるお正月関係のディスプレイが目立つ商店街だ。
仙台七夕祭りには地元商店街からの出店も当たり前になっており、地域商店との親交が非常に重用視されるという。Apple Store Sendai Ichibanchoストアマネージャーの菅生佐氏は、「Apple Storeは米国企業なので、特別にそうした予算などは組まれていない」とした上で、「店舗ごとの地域性にあわせた判断については、それなりの裁量が与えられている」と語る。
なお、同店の客層については、「国内の他のApple Storeと比べると、おそらくApple Store Shibuyaにもっとも近くなるだろう」と語っていた。若い層が多く、iPod関連製品の需要が高い、という予想だ。
朝の行列では少なかったが、午後のライブパフォーマンス時には、たしかに10~20代の客が大勢目についた。もっとも、朝の行列に並んだ客層は、老若男女の幅が広く、中にはかなり年配の方の姿も見えた。
12月10日の仙台は、雪まじりで寒さが身にしみたが、Apple Storeのまわりは熱い熱気に満ちあふれていた。