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インテル、2006年のエンタープライズ向けプラットフォーム戦略についての説明会を開催

2005年12月09日 22時16分更新

文● 編集部 小西利明

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米インテル 上級副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏
米インテル 上級副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏

インテル(株)は9日、東京都内にて報道関係者向けの説明会を開催。米インテル社 上級副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏により、2006年のエンタープライズ市場向けプラットフォームの戦略ついての講演が行なわれた。

ゲルシンガー氏は講演の冒頭で“ムーアの法則”について、半導体技術の革新を続けることで前進を進めており「これはインテルにとって責任であり、またチャンスでもある」と述べ、今後もムーアの法則を堅持できるよう技術革新を進める意向を示した。半導体製造プロセスの微細化については、現行のCPUに使われている90nmプロセスの次にあたる、“65nmプロセス”を用いた製品の製造が11月から始まっているとして、2006年にかけて製品の半分は65nmプロセスになるだろうとの見通しを述べた。さらに2年後(2007年)には45nmプロセスが、その2年後(2009年)には32nmプロセスが、その先の24nm・17nmの実証も行なっているという。「今後10年間、ムーアの法則がどのように進んでいくかは、明確にわかっている」(ゲルシンガー氏)。

ゲルシンガー氏の講演で示された、半導体製造プロセスの微細化ロードマップ。2005年11月には米国アリゾナ州の工場で、65nmプロセスを用いた半導体の量産製造が始まっている
ゲルシンガー氏の講演で示された、半導体製造プロセスの微細化ロードマップ。2005年11月には米国アリゾナ州の工場で、65nmプロセスを用いた半導体の量産製造が始まっている

ゲルシンガー氏はインテルのプラットフォーム戦略についても触れた。同社幹部はよく、プラットフォーム指向にシフトした同社を評して“インテル 3.0”と呼ぶことがある。ゲルシンガー氏は60年代から現在まで、インテル 1.0から3.0までの変遷を示すスライドを映しながら、DRAM製造から始まった同社が、現在ではプラットフォームを販売する企業へと移行していると述べ、「単発でシリコンの製品を提供するのではなく、フルのシリコンセット(半導体セット)、ソフト、デザイン、機能や用途モデルを提供する」と、幅広い分野をまとめて提供する企業に変化したことを示した。

エンタープライズ分野に含まれる今後のプラットフォームについては、まずクライアント向けプラットフォーム“Averill(アブリル)”が例として挙げられた。これはPentium Dに続くデュアルコアCPUである“Presler(プレスラー)”、チップセットの“Broadwater-G(ブロードウォーターG)+ICH8-DO”、リモート管理技術“Active Management Technology(AMT)”をサポートするGigabit Ethernetチップ“Nineveh(ニネベ)”などで構成される。ハードウェア仮想化技術“インテル バーチャライゼーション・テクノロジ(VT)”もサポートされる。AverillはWindows VistaとOffice 12をサポートするとも表明された。

次世代デスクトップクライアント向けプラットフォーム“Averill”の構成要素
次世代デスクトップクライアント向けプラットフォーム“Averill”の構成要素

Xeonベースのサーバープラットフォームについては、コード名“Paxville”で呼ばれていた『デュアルコア インテルXeonプロセッサ』を5ヵ月前倒しして出荷したなど、デュアルコアCPUベースに移行していることを示し、さらに次世代の“Bensley(ベンスレイ)”プラットフォームでは、パフォーマンスを倍に、消費電力当たりのパフォーマンスでは最大3.5倍にも向上するとした。Bensleyプラットフォームでは、CPUには次世代のデュアルコアXeonである“Dempsey(デンプシー)”が使われる。Dempseyでは7000番台の“プロセッサナンバ”が使われるようだ。

ゲルシンガー氏はインテルのエンタープライズ向けプロセッサーが、消費電力あたりのパフォーマンスの向上に重点を置いていることを幾度も強調した。Xeonの場合、2005年2月に発表されたシングルコアXeon(Irwindale アーウィンデール)と、2006年前半登場のDempsey、2006年後半登場の“Woodcrest(ウッドクレスト)”を比較すると、消費電力あたりのパフォーマンスはDempseyで2倍、Woodcrestでは3倍に達するとのことで、「2年以内で3倍のパフォーマンス/ワットをサーバー向け製品で実現した。これは大きな向上である」と述べた。

デュアルプロセッサーサーバー向けCPUのロードマップ。ちなみにDempseyの直前に書かれた“Sossaman”については、名前が言及された程度だが、モバイル向けCPU“Yonah”を、低消費電力性能が重視されるブレードサーバー向けにしたCPUと予想されている
デュアルプロセッサーサーバー向けCPUのロードマップ。ちなみにDempseyの直前に書かれた“Sossaman”については、名前が言及された程度だが、モバイル向けCPU“Yonah”を、低消費電力性能が重視されるブレードサーバー向けにしたCPUと予想されている

エンタープライズ分野のもう1つの軸であるItaniumプロセッサーについては、RISCプロセッサーと比べた好調な実績がアピールされた。米国の調査会社IDCの2005年第3四半期レポートでは、ワールドワイドでの出荷金額は、SPARCベースシステムの48%、PA-RISCベースシステムの82%まで増えたほか、日本ではSPARCベースの1.6倍、POWERベースの1.17倍、PA-RISCベースの1.95倍の出荷金額に達したという。Itaniumベースのサーバーシステムについては、サーバーベンダーやOS/ソフトウェアメーカーを取り込んだ“Itanium Solutions Alliance”を結成。14日にはLinuxベースシステム向けのソフトウェア開発者を対象とした“Itanium Solutions Alliance Developer Days Japan”を開催するなど、Itaniumプラットフォームが好調に推移していることに自信を示した。さらに次世代については、65nmプロセスを採用したCPUを投入するほか、新しいプラットフォーム技術やデュアルコア~クアッドコアCPUの設計などで業界を牽引するとした。ただ、従来は65nmプロセスで製造される次世代のデュアルコアItaniumとして常に言及されていた“Montecito(モンテシト)”の名前は、ゲルシンガー氏の口には上がらなかった。業界内で流布する“Montecitoの開発が遅れている”という話を、ある意味裏付けたとも言えそうだ。

お詫びと訂正:掲載当初、Intel Solutions Allianceと記載していましたが、正しくはItanium Solutions Allianceでした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2005年12月12日)

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