ウィルコムから14日に発売されたスマートフォン「W-ZERO3」。ここでは、そのインプレッションを数回に分けてお届けする。
W-ZERO3 |
W-ZERO3に関しては、発表会直後にフォトレビューという形で、その概要をお伝えした(関連記事)が、ここではほぼ最終版のファームウェアを搭載した製品化直前モデルを使用し、10月の試作機とどう違うかを中心にレポートしていく。基本的なフィーチャーに関しては変わりないが、10月の状況に比べるとハードウェア、ソフトウェアともにかなり完成度が高まった印象がある。
大きく変わった本体の質感
実機を手にとって最初に感じたのは質感の変化だ。例えば、ボディーの側面に“皮シボ”のような表面処理が加わり、ピアノブラックの塗装もより高品位な印象となった。ハードウェアキーボードのクリック感も、よりしっかりとしたタッチであり、安定感も増した。
側面の皮シボ、ピアノブラックの質感などが写真で伝わるだろうか? |
今回評価したのは、発売直前の先行機(製品版ではない)だが、ソフトウェアの安定性も非常に高くなっている。10月の試作機では、複数のアプリを同時に開いた際に、極端に動作が遅くなり、最悪リセットせざるを得ない状態になる場合も少なくなかった。そういった問題点は大幅に解消されたようだ。
ソフト面では、以前の試作機を触ったとき、個人的に「Internet Explorer Mobile」に少々物足りなさを感じていた。最大の理由は640×480ドット(VGA)の解像度をフルに使ってウェブサイトを表示できないからである。320×240ドット(QVGA)の画面をわざわざ4倍に拡大して表示するという何とももったいない仕様になっている。また、スタイルシートを利用してレイアウトした一部のページで、表示が大きく崩れるという問題点もあり、設計の古さを感じさせる面もあった。
この問題に関するウィルコムの回答が、11月末の「Opera for Mobile」と「NetFront」という2種類のウェブブラウザーをW-ZERO3用に提供するというアナウンスだった。ともにまずはベータ版での提供だが、2006年には正式版の提供が行なわれる。W-ZERO3のユーザーであれば、Opera for Mobileは無償で利用できるというのも嬉しい(NetFrontに関しては未定)。
Intenet Explorer Mobile(表示調整しない)。表示されるのはQVGA以下の領域 | Intenet Explorer Mobile(画面に合わせる)。レイアウトに若干の崩れが生じる |
Opera for Mobile。VGA表示に対応しているため、表示調整を特に行なわなくても十分高い実用性である | Opera for Mobile。“スクリーンに適合させる”を選択するとパソコンに遜色ない表示になる |
今回Opera for Mobileを試用したみたところ、リアルVGA表示にもしっかりと対応しており、Internet Explorer Mobileでは正しく表示できなかったページもレイアウトを崩さず表示できるなど、ウェブページの再現性に関しては、Opera for Mobileが数段上回る印象だ。このOpera for MobileとInternet Explorer Mobileの違いに関しては2回目以降のレポートで詳しく検証する。