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エプソン、セキュリティー機能搭載のA3カラーレーザープリンター『LP-S6500』など、レーザープリンター4シリーズを発表! カラー毎分25枚のA3タンデムカラーレーザー機も

2005年12月05日 15時12分更新

文● 編集部 小西利明

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セキュリティー機能に重点を置いたA3カラーレーザープリンター『LP-S6500』
セキュリティー機能に重点を置いたA3カラーレーザープリンター『LP-S6500』

セイコーエプソン(株)とエプソン販売(株)は5日、カラーレーザープリンター2シリーズ6機種と、モノクロレーザープリンター2シリーズ4機種の新製品を発表した。ニーズの高まっている“印刷のセキュリティー対策機能”に重点を置いた製品や、厚手の紙への印刷や高速カラー印刷が可能なタンデムカラーレーザープリンターなど、注目の製品が目白押しである。

LP-S6500/S4500シリーズ

モノクロ機だが、カラートナーの導入でカラー印刷も可能になる『LP-S4500』。ハードウェア的にはLP-S6500と同一
モノクロ機だが、カラートナーの導入でカラー印刷も可能になる『LP-S4500』。ハードウェア的にはLP-S6500と同一

“LP-S6500”シリーズと“LP-S4500”シリーズは、カラー/モノクロの高速印刷といった基本性能を向上させるだけでなく、企業で高まっている情報漏洩対策ニーズを踏まえた“セキュリティー印刷”機能に重点を置いて開発された新機種である。LP-S6500がカラー印刷、LP-S4500がモノクロ印刷と分かれているが、ハードウェア自体は同一で、LP-S4500にカラートナーを導入するだけでカラー印刷にも対応する。以後はLP-S6500について解説する。製品バリエーションは3種類用意されており、基本となる『LP-S6500』、500枚給紙可能な増設1段カセットユニットが付属する『LP-S6500Z』、PostScript 3対応の『LP-S6500PD』となっている。プリンター本体の基本仕様は同一である。

LP-S6500シリーズの基本スペック

プリント速度(A4横送り時)
カラー:毎分10枚
モノクロ:毎分40枚
解像度
600dpi
内蔵メモリー
64MB(最大576MB、LP-S6500PDは320MB)
対応用紙サイズ
用紙カセット/増設1段カセット:A3~B5
MPトレイ(手差しトレイ):A3~はがき
給紙枚数
用紙カセット:最大250枚
MPトレイ:最大150枚(はがき 最大50枚)
増設1段カセット:最大500枚
インターフェース
USB 2.0、10/100BASE-TX、ECP対応パラレルポート、USB 1.1(ホスト)
サイズ(本体のみ、幅×奥行き×高さ)
584×475×478mm
重量(消耗品含む)
約43.5kg
価格
LP-S6500:22万8000円
LP-S4500:19万8000円

LP-S6500/4500で重点の置かれているセキュリティー印刷機能は、“印刷者を特定できる”“他人に印刷物/データを見られない”“印刷物の不正コピーを防ぐ”という3点に基づいた機能を備えている。まず印刷者の特定は、プリンタードライバー側で印刷物に印刷者の名前を入れる“スタンプマーク(ID印刷)”の機能により、印刷された紙自体から、誰の印刷かが分かるようにしている。不正コピー防止については、“透かし印刷(地紋印刷)”という機能を備えている。透かし付きで印刷された紙をコピー機などでコピーすると、複製物にはドライバー側で設定された透かし文字が浮き出てしまうため、不正コピーを抑止できるとしている。

“他人に印刷物/データを見られない”機能としては、“パスワード印刷”と“USBメモリダイレクトプリント”の2つの機能が用意されている。オフィスでの印刷をイメージすると、LANにつながったクライアントパソコンから印刷を実行して、クライアントから離れた所にあるプリントサーバーやLANに直結されたプリンターから、印刷物が出力されるという使用シーンが一般的だろう。そのため印刷後にはプリンター上に印刷物がしばらく放置されることになり、出力者が印刷物を回収する前に不正に持ち出されたり、複製される可能性が否定できない。そこでパスワード印刷では、印刷物の出力にパスワードを要求する仕組みが用意されている。まず印刷前に、クライアント側でユーザー名とパスワードなどを設定しておく。この状態でアプリケーション側から印刷処理を実行しても、すぐには印刷は実行されず、出力者がLP-S6500の操作パネルからパスワードを入力すると、初めてプリンターにデータが送られて印刷される、という仕組みになっている。これにより不正な持ち出しを防ぐというわけだ。さらにLP-S6500背面のUSBポートに、非接触型ICカード“FeliCa”対応リーダーを接続し、パスワード入力の代わりにFeliCaカードでの認証を行なうというソリューションも用意される。パスワード印刷を行なうには、LP-S6500にオプションのHDDユニット(7万円)を増設する必要がある。またFeliCaカードを使った認証印刷を行なうには、これに加えて認証印刷用ネットワークインターフェースカード『PRIFNW7S』(6万円)も必要となる。

FeliCa対応ICカードを使った認証印刷のデモ。LP-S6500に接続されたカードリーダーにICカードを乗せると、ユーザー認証が自動で行なわれて、印刷待ちとなっていた印刷物が印刷される
FeliCa対応ICカードを使った認証印刷のデモ。LP-S6500に接続されたカードリーダーにICカードを乗せると、ユーザー認証が自動で行なわれて、印刷待ちとなっていた印刷物が印刷される

一方のUSBメモリダイレクトプリントは、出張時や得意先回りなどの移動中に、機密情報を記した書類が盗難に合うといった問題を避けるのに役立つ機能だ。この機能は、まずクライアント側に“USBメモリプリントメーカー”というユーティリティーをインストールしておき、USBメモリダイレクトプリントで出力したいデータ(Word文書やPowerPointスライドなど)を、ユーティリティーのアイコンにドラッグアンドドロップで渡す。するとユーティリティーが自動で印刷用データ(EPNファイル)を作成し、クライアントに接続されたUSBメモリーデバイスやフラッシュメモリーカードに書き出す。実際に印刷する際には、印刷用データが書き込まれたUSBメモリーデバイスをLP-S6500の前面USBポートに接続し、プリンターの操作パネルからファイルを選択、印刷を行なう。これにより、印刷物自体を持ち歩くことなく、出先で必要に応じて印刷を行なえるというわけだ。USBメモリダイレクトプリントで印刷できるファイルは、Word文書やPowerPointのプレゼンテーションデータ、Excelワークシートのほかに、PDFファイルやJPEG画像、TIFF画像なども印刷可能である。

プリンターとしての機能については、印刷速度に優れており、カラーは毎分10枚、オフィスで多用されるモノクロ印刷は毎分40枚の高速印刷を実現している。10/100BASE-TXのネットワークインターフェースを標準で装備するほか、USBやパラレルポートでの接続も可能。給紙枚数は標準の用紙トレイが250枚、手差し給紙のMPトレイが150枚、オプションの増設1段カセットユニット(最大3段まで装着可能)が500枚となっている。発売時期は12月中旬の予定。

厚紙やA3フルサイズも印刷可能 LP-S7000シリーズ

カラー毎分25枚の高速印刷と、厚紙への印刷が可能な『LP-S7000』
カラー毎分25枚の高速印刷と、厚紙への印刷が可能な『LP-S7000』

LP-S7000シリーズは、トナーやドラムが並列に配置された“タンデム方式”を採用したA3カラーレーザープリンターである。カラー出力を多用するオフィスやデザイン用途、さらに古いカラープリンターからの置き換えなど、カラー印刷需要の高いユーザー向けに、高速さと高画質、多様な紙への対応を重視しつつ、タンデム機としては価格を抑えた(LP-S7000はLP-S6500と同価格)製品である。製品バリエーションは3種類用意されており、基本機種の『LP-S7000』、両面印刷ユニット標準装備の『LP-S7000R』、PostScript 3対応の『LP-S7000SR』となっている。プリンター本体の基本仕様は同一である。

LP-S7000シリーズの基本スペック

プリント速度(A4横送り時)
カラー:毎分25枚
モノクロ:毎分25枚
解像度
600dpi
内蔵メモリー
64MB(最大576MB)
対応用紙サイズ
用紙トレイ:A3フル~はがき、不定形紙
用紙カセット:A3フル~B5
増設1段カセット:A3~B5
給紙枚数
用紙トレイ:最大100枚(はがき 最大10枚)
用紙カセット:最大250枚
増設1段カセット:最大500枚
インターフェース
USB 2.0、10/100BASE-TX、ECP対応パラレルポート
サイズ(本体のみ、幅×奥行き×高さ)
648×608×477mm
重量(消耗品含む)
約60kg
価格
LP-S7000:22万8000円
LP-S7000R:25万8000円
LP-S7000SR:32万8000円

一般的な4サイクル方式カラーレーザープリンターに比べて、タンデム方式は画質に劣ると言われることもあったという。そこでLP-S7000のプリントエンジンでは、高い色再現性や安定性、高グロス(光沢の高い)画像の印刷を実現すべく、新開発の“4連リニアプロセスIIIエンジン”を搭載している。同社の上位製品『LP-9800C』と同様の中間転写ベルト方式により、中間ベルト上でCMYKの4色を一度に重ねて、それを紙に印刷する。これにより色ズレや画像の乱れを抑制し、高画質を実現しているという。またこの方式により、後述する厚紙への対応も実現した。横長の現像ユニット内に均一にトナーが行き渡るよう、“スクリュー方式”の現像ユニットを採用し、トナーのむらに起因する色むらや色変動を減らし、安定した画質を実現している。トナー自体も“2成分トナー方式”(画質差の低減)や“乳化重合トナー”の採用(低濃度域再現性向上、高グロス化)などの特徴を備えており、同社では『LP-8800C』比で2.5%の色再現領域の向上を実現したとしている。

さらにこの新エンジンでは、トナーカートリッジと感光体ユニットを、中間ベルトを挟む形で分離。これによりトナーこぼれを防いでトナー交換作業を手軽にしたほか、メンテナンスコストの低減にも寄与しているという。印刷速度はA4カラーで毎分25枚と、LP-9800Cの毎分24枚を上回る速度を実現している。また印刷枚数の多い環境をターゲット市場としているために、LP-9800Cと同等の本体寿命60万枚という信頼性を実現している。

厚紙など“用紙の対応力”も特徴の1つで、用紙厚さ256g/m2(1m2あたりの重さ)の厚紙(はがきは180~190g/m2程度)でも印刷可能である。対応用紙サイズも、A3より一回り大きく、A3フルイメージが印刷可能な“A3フル”サイズ(311.2×457.2mm)の用紙に対応したほか、297×1200mmの長尺紙の印刷にも対応している。

価格はLP-S7000が22万8000円、LP-S7000Rが25万8000円、LP-S7000SRが32万8000円となっている。発売時期は1月下旬の予定。

LP-1100

A3対応の高速モノクロレーザープリンター『LP-S1100』
A3対応の高速モノクロレーザープリンター『LP-S1100』

A3対応のモノクロレーザープリンター『LP-S1100』は、同カテゴリーの『LP-V1000』の上位機種となる、印刷速度とコストパフォーマンスを重視した新製品である。

LP-S1100シリーズの基本スペック

プリント速度(A4横送り時)
モノクロ:毎分21枚
解像度
600dpi
内蔵メモリー
8MB
対応用紙サイズ
MPトレイ:A3~はがき
用紙カセット:A3~B5
給紙枚数
MPトレイ:最大30枚(はがき 最大10枚)
用紙カセット:最大250枚
インターフェース
USB 2.0、ECP対応パラレルポート
サイズ(本体のみ、幅×奥行き×高さ)
459×463×295mm
重量(消耗品含む)
約14.5kg
価格
7万9800円

特徴の1つは印刷速度の向上で、LP-V1000の毎分17枚に対して、LP-S1100では毎分21枚へと高速化を実現している。またオプションでUSB接続の無線LANプリントアダプター『PA-W11G2』が用意されており、これを使えばIEEE 802.11b/gでネットワーク接続しての印刷が可能となっている(同アダプターには10/100BASE-TXインターフェースも搭載)。

価格は7万9800円。発売時期は1月中旬の予定である。

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