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XA-HD500

XA-HD500

2005年11月29日 00時00分更新

文● 編集部 小林久

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高圧縮のMP3ファイルで特に効果を感じるCCコンバーター

 XA-HD500の音質は全体に素直で、聞き疲れしない。今回は女性ボーカルのポップス、サルサなどのラテン音楽、オリジナル楽器による小編成のバロック、クラシックギターなど、アコースティックな楽器を使った音楽CDをWMA形式(192kbps)で保存して聴いてみた。中高域に厚みがある反面、高域の伸びはやや控えめで、ギターを指ではじいた際のアタックの鋭さ、ボーカルの滑らかな質感などをもう少し求めたい気もするが、バランスはよく、ホワイトノイズも少ない。iPodはクリアーで明瞭な音だが、ややそっけない印象もあるので、もう少し温かみのある音で音楽を聞きたいという人には本機が向いているかもしれない。ヘッドホンは付属のカナルタイプのほか、SHUREの“E4c”、AKGの“K171 STUDIO”、オーディオテクニカの“ATH-A55”など数種類を試してみたが、もし追加でヘッドホンを購入するなら、個人的には大き目のユニットを採用したオーバーイヤータイプの製品、できれば開放型をお勧めしたい。音量はそれほど上げられないのだが、よりゆったりとした気分で音楽を楽しめそうだ。

プレイリスト
音楽再生中に前面中央の“Enter”ボタンを長押しすることにより、気に入った極を簡単にプレイリスト化することが可能
トップの“Setting”アイコンからサウンドモードを選ぶことで“CCコンバーター”や“E.サラウンド”の設定変更が可能。頻繁に変更するなら、ファンクションメニューに登録することもできる。

 CCコンバーターの効果に関しては、今回比較的低ビットレートのWMAファイル(64kbps)とMP3(128kbps)と高ビットレートのWMAファイル(192kbps)を用意して聴き比べてみた。CCコンバーターの効果は当然のことながら、低ビットレートのファイルのほうが大きい。オンにすると、特に中高域でオフの状態では聞こえなかった音を感じるようになり、音に広がりや伸びが出てくる。逆に高ビットレートのファイルでは、この差が縮まり、かなり注意して聞いても違いが分からない程度の差になる。

 補間処理と言っても音に不自然な強調が出ることはないので、安心して常時オンにしておける。再生可能な形式がWMAとMP3(ともに最大320kbps)のみで、非圧縮のWAVE形式や可逆圧縮(ロスレス)の各種フォーマットに対応していない点がやや残念だが、6GBのHDDに低ビットレートでたくさんの曲を詰め込んでも、圧縮音源で感じがちな音の薄さやこもりを軽減できるのは魅力的だ。

上面と底面 操作ボタン
上面(写真上)にはヘッドホン端子とHOLDボタンと底面(写真下)にはクレードル接続端子とUSB端子をそれぞれ用意する。メニュー選択に使用する上下左右+Enterボタンの5Wayボタンに加え、4隅にもボタンを配置。上の2つは再生/停止ボタン(長押しで電源のオン/オフ)、メニューの上の階層に戻るためのボタン、下の2つがユーザーがカスタマイズできるファンクションボタンになる。

 音場感を変化させる“E.サラウンド”の出来もよく、音の雰囲気がガラリと変わる。“エナジー”“クリスタル”“ハートフル”“サブウェイ”の4種類が用意されており、エナジーであればボーカルなど中域部分の厚みが高まると同時に、より広い空間を感じるといった具合に、ネーミングどおりの効果が得られる。XA-HD500は十字キーの右下と左下にカスタマイズ可能な“ファンクションキー”を2つ装備しており、ここにE.サラウンドを割り当てておき、曲のイメージに合わせて最適な設定を選べるようにしておくといいだろう。

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