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日刊工業新聞社、技術者交流を目的としたモノづくり向けウェブログ&SNS“てくてくjp”を2006年2月に開始

2005年11月21日 18時40分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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(株)日刊工業新聞社は21日、今年9月に創刊90周年を迎えた記念事業の一環として、“モノづくり”“技術”“中小企業”の発展を支援するべく技術者・研究者の交流を図る目的でウェブログ(Weblog)&SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)事業“てくてくjp(TechTech.Jp)”を2006年2月に開始すると発表した。

代表取締役社長の千野俊猛氏
代表取締役社長の千野俊猛氏

同サービスはジャパン・デジタル・コンテンツ信託(株)(JDC TRUST)、(株)ホットリンクとの協力で実現したもので、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託がコンサルティングとプロデュース、ホットリンクがシステム開発を担当する。

JDC TRUSTの代表取締役の土井宏文氏 ホットリンクの代表取締役の内山幸樹氏
JDC TRUSTの代表取締役の土井宏文氏ホットリンクの代表取締役の内山幸樹氏

発表会には、代表取締役社長の千野俊猛(ちのとしたけ)氏、JDC TRUSTの代表取締役の土井宏文(どいひろふみ)氏、ホットリンクの代表取締役の内山幸樹(うちやまこうき)氏らが出席し、事業開始の狙いや背景を説明した。

てくてくjpの概略
てくてくjpの概略。発表会ではまだページイメージなどは公開されなかった

てくてくjpは、既存の汎用的な話題を扱うウェブログ/SNSとは異なり、研究者・技術者向けに特化したのが特徴。情報発信の場となる“ウェブログ”と、参加者同士の交流の場となる“SNS”を組み合わせることで、技術者の有する知識や技術、さらに人材そのものの循環を円滑化して、現代のニーズにマッチした技術開発を支援していきたい、という狙いがある。具体的には、企業・大学・公的研究機関などの研究者、および企業の経営者が対象で、起業を考える方向けに資金面で援助するベンチャーキャピタルの参加(マッチング)も予定している。

利用者には次の3つのレベルが用意されている。

非登録の一般読者(無料)
ウェブログの閲覧のみ可能(コメントやトラックバックは不可)、SNSへの参加や内容の閲覧は不可
登録読者(無料)
自分のウェブログを登録した“マイページ”の作成が可能(コメント、トラックバックも可能)、SNSへの参加は不可
“クローズド会員”(有料、月額300円)
マイページの作成、およびSNSへの参加(閲覧やコミュニティーの作成)が可能

さらに、書き込み/トラックバック/コミュニティーの設立など、ユーザーの行動に応じてポイントが進呈され、たまったポイントは技術・研究のための書籍や関連商品のプレゼントに利用できる。ウェブログの閲覧を無料とする理由は、研究・技術に興味のある参加者を集めると同時に、情報の“横のつながり”を深めていきたいからで、将来的には特定の人だけが見られるようにクローズドなコミュニティーの作成機能も設けるが、当初は情報を公開することで連携・協業といった活動を広げたいと説明する。

現在大学や研究機関など30名程度に参加を呼びかけており、さらに初期から東京大学のベンチャーインキュベーション(ベンチャー企業の起業支援)施設“東大柏ベンチャープラザ”、および日刊工業新聞社が主催する企業トップの集まり“産業人クラブ”にコメンテーターとしての参加を予定している。また、日刊工業新聞社に所属する約200名の記者も、コメンテーターとして参加し、情報の提供や質問への回答を行なうとともに、同サイトで得られた情報を追跡することで紙面に反映するといった双方向の活性化を目指す。

内山氏が説明した、知識循環インフラのイメージ てくてくjpはバーチャル学会
内山氏が説明した、知識循環インフラのイメージ。従来は上のグレーの矢印で、一方的に知識や情報を得るしかなかったが、これからはユーザーが得た知識や情報に対してフィードバックし、価値・分析といった評価が加わることで情報が生かされ、循環されるというてくてくjpを、バーチャル学会と位置づけ、知識や技術の共有、および人材の循環を図りたいと説明した

システム開発を担当したホットリンクの内山氏は、「昨年からブログやSNSが取りざたされるようになり、“知識循環社会”が目に見える動きになってきた。21世紀は“脳”業の時代であり、価値を生み出すのは“脳”産物/知的生産物、そのために必要なインフラは“知識循環”のための仕組みになる」「現代はすでに情報が洪水のように押し寄せ、それをせき止めて選別し、必要な人のところに届ける“蛇口”のようなアウトプットが必要。それは人工知能など(の検索サービスだけ)では解決できない。利用者がフィードバックしたり、コミュニティーを通じて知人に伝播してナレッジベースを作り上げていくことで、無機的な情報が有機的な知識となる」「ブログはフィードバックのレイヤー、SNSは情報の伝播や分析、選択といった出力のレイヤーにあたる。人間関係が情報をフィルタリングしていく役割を果たす」と述べ、てくてくjpの果たす役割の大きさを強調した。

なお、日刊工業新聞社では、この事業をスタートするに当たって新会社の設立を予定しており(JDC TRUSTに出資を呼びかけているところだが、新会社の詳細については未公表)、「できれば当初から新会社での運用を始めたい」(編集局電子メディア事業室室長の水野 洋氏)としている。初年度(2006年度)の目標有料会員数は1万5000人で、2年以内に5万人を集めたいという。事業規模は1万人の有料会員で3600万円、さらにバナー広告などを加えて4000万円程度を見込み、5万人の会員参加で採算ラインになると踏んでいる。


集まった記者からは、すでにSNSなどに参加している若い技術者や研究者をどのように取り込むのか、初年度1万5000人、2年以内に5万人という数字への裏づけは、といった厳しい質問も出たが、技術者・研究者に特化しているという特徴と、総務省などの数字による裏づけ(SNSの参加者が来年3月には1000万人、アクティブなユーザーが700万人に成長するという予測)を挙げて、楽観的な見通しを示した。

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