このページの本文へ

米マクデータ、CEOがデータインフラストラクチャーに対する戦略を語る――日本の大手ベンダーとのパートナー契約も発表

2005年11月18日 16時42分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
米マクデータ社長、会長兼CEOのジョン・ケリー氏 マクデータのマルチプロトコルSANルーター『Eclipse 2640 SAN Router』。12ポートのファイバーチャネルと4ポートのGbEポートを備える
米マクデータ社長、会長兼CEOのジョン・ケリー氏マクデータのマルチプロトコルSANルーター『Eclipse 2640 SAN Router』。12ポートのファイバーチャネルと4ポートのGbEポートを備える

マクデータ・ジャパン(株)は18日、富士通(株)、日本電気(株)、(株)ネットマークスと、同社の“OPENreadyパートナープログラム”の相互運用パートナー契約を締結したと発表した。また同日、都内にて来日中の米マクデータ社 社長、会長兼CEOであるジョン・ケリー(John Kelley)氏の記者会見も行なわれ、データインフラストラクチャーの変化と、それに対する同社の戦略についての説明が行なわれた。

OPENreadyパートナープログラムとは、マクデータのSAN(Storage Area Network)製品とパートナー企業のSAN製品の相互運用や相互接続性を確認し、両社の製品を組み合わせたソリューションの販売を促進するためのプログラムである。パートナー企業はマクデータのハードウェアを優待価格で、またソフトウェアを無償で提供を受けられるほか、動作検証に関するマクデータ側の支援(共同テストプランの開発、マクデータのラボによるサポート等)、マーケティング支援などを受けられるとしている。同プログラムには、すでにワールドワイドで38社との提携が行なわれている。

会見にてケリー氏はストレージを取り巻く環境について語り、2000年以降の5年間で、人類は4500万TB(450億GB)もの情報量の増大を経験。今後2年でさらに倍の情報が発生するなど、膨大な量の情報の蓄積が必要とされているとの見解を示した。また“情報ライフサイクル管理”(Information Lifecycle Management、ILM)やグリッドコンピューティングなど新しい概念や技術が登場するなかで、顧客はSANの管理の簡素化やマルチベンダー環境への対応、また障害復旧対策などの課題を抱えているとした。

ケリー氏はデータインフラストラクチャーが、サーバーにストレージが直結されていた1990年代から始まり(接続のステージ)、現在はストレージをネットワーク化して最適化するSANの環境に移行し、さらに分散して存在するSAN同士を相互に接続し、高速化やコストダウン、高い耐障害性を実現しようという状況(統合のステージ)にあるとした。積極的な企業買収により、現在のマクデータはSANの統合に関しては最大のマーケットシェアを有すると、ケリー氏は述べている。そのうえで今後は、分散から統合・相互接続へと進んだSANを、いかにして管理するかや、効率の良い管理のための仮想化、低コスト化のためのデバイスのモジュラー化などの実現(最適化~インテリジェント化のステージ)に焦点が当てられるとした。そのやや先には、アプリケーションの種類や場所に依存しないグリッドコンピューティングやオンデマンドコンピューティングの世界(オンデマンドのステージ)があるが、そのためにはしっかりしたビルディングブロックが存在して、初めて可能になると述べられた。

またオンデマンドの世界を実現するには、スピードやポートの数が重要なのではなく、SANの環境がグリッドコンピューティングやオンデマンドの環境に沿うものかが重要になるとして、SAN環境の相互接続を同社のソリューションで形にしながら、顧客に価値を提供し、最終的なオンデマンド環境への移行を実現していくとした。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン