このページの本文へ

アイオメガ、日本市場における製品戦略に関するプレスラウンドテーブルを開催――米本社CEOらが出席

2005年11月14日 20時38分更新

文● 編集部 内田泰仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
冒頭に挨拶を行なった日本法人代表取締役社長の辻岡幹雄氏

アイオメガ(株)は14日、都内でプレスラウンドテーブルを開催し、来日中の米アイオメガ社社長兼最高経営責任者のワーナー・ヘイド(Werner Heid)氏および米アイオメガ 副社長兼スイスのアイオメガ・インターナショナル社 社長のウルリケ・テグマイヤー(Ulrike Tegmeier)氏が、同社のビジネスの近況や今後の戦略について説明を行なった。



米アイオメガ 社長兼最高経営責任者のワーナー・ヘイド氏

ヘイド氏によると、アイオメガは現在、コンシューマーおよびスモールビジネス市場に向けたビジネスを展開しており、以下の製品分野について注力しているという。

DAS(Direct Attached Storage)
外付けHDD。
NAS(Network Attached Storage)
ネットワーク接続のHDD。Windowsベースの上位モデルは、RAIDやほっとスワップ、REVドライブによるバックアップ、プリントサーバーなどの機能を持つ多機能型、Linuxベースの下位モデルは低価格製品。
“REV”
リムーバブルHDD。メディアは2.5インチHDDをベースとしたカートリッジ型で、最大データ転送速度は毎秒25MB、容量は35GB(非圧縮時)。
ミドルウェア/ソフトウェア/サービス
コンテンツ管理やバックアップなどの機能を提供。

DAS製品のラインナップNAS製品のラインナップミドルウェア/ソフトウェア/サービスで提供する機能。データ集約と管理性の向上、データ保護、ネットワーク上でのデータ利用性の向上が主なテーマ。適応分野はサーバーやパソコンだけでなく、家電機器も含まれる
“REV”の展開分野。サーバー/ワークステーション用のストレージ、バックアップメディアから、放送機器用の記録媒体などまで、多岐に渡る展開を行なっていく

この中でも、特にヘイド氏が強調して説明したのが“REV”。テープドライブやオートローダーに替わるバックアップ機器、CD/DVDを上回る大容量が求められるリムーバブルメディアとして展開し、サーバー/ワークステーションまたはパソコンでの利用だけでなく、放送/映像製作分野(ビデオカメラや編集機器などの記録媒体)や医療分野(電子カルテなどの保存)などといった特定市場へのアプローチや、製品ラインナップの強化に取り組んでいくという。また「日本市場では特に重要」だという取り組みとして、サーバー/ワークステーション/パソコンメーカー各社とのパートナーシップ強化によるOEM事業の拡大を挙げている。

なお、REV関連製品の現在の出荷状況は、ドライブが累計15万台以上、メディアが90万枚以上とのこと。次期製品としては、2006年第2四半期を目標に、70GBの製品を投入していく予定だという。

またヘイド氏は、今後のリムーバブルメディア市場の動きに関する記者からの質問に答え、「ネットワークの普及により、小型のリムーバブルストレージの市場はシュリンク傾向にあり、今後の主流はネットワークストレージになる」一方で、データ保護やコンプライアンス(法令遵守)の観点から「IPネットワークにデータを置かない、オフライン環境にデータを保存したいというニーズ」は今後も確実に存在し続けるとしている。特にコンシューマー市場では、今後はリムーバブルメディアの市場は縮小し(「場合によってはなくなるかもしれない」と指摘)、コンシューマー向け製品としては、ネットワークストレージに注力していくとしている。



米アイオメガ 副社長兼スイスのアイオメガ・インターナショナル 社長のウルリケ・テグマイヤー氏

続いて登壇したテグマイヤー氏は、日本市場での展開を説明。同氏は日本市場を「世界で2番目の市場規模だが、価格や技術における競争が激しい、厳しい市場」と評しているが、この市場での成功に向けて、

  • 日本法人による中小企業および大企業の“部門”にコミットしたビジネス展開
  • アイオメガ・インターナショナル(グローバルの営業/宣伝専業会社)、アイオメガ・パシフィック(アジア/パシフィック地域統括会社)による全面的なサポート

の2点を推進していくとしている。

日本市場における注力分野/製品としては、大きく次の3点を挙げている。

“REV”の普及促進
日本で特に重視しているターゲットは、サーバーやパソコンのバックアップメディア市場、オートローダー、ハイエンドワークステーション用ストレージ、プロ用放送機材など。また、OEM供給の拡大に向けパートナー展開を強化。
NAS
ネットワーク接続のHDDに加えて、HDDとREVドライブを組み合わせた製品も展開。
Zipユーザーに対するサポートの継続

なお、日本市場での2005年の出荷見込みは、NASが500ユニット、“REV”関連ではドライブが1600台、メディアが3200台。2006年、NASが700ユニット、REVドライブは5000台、REVメディアは2万5000台の出荷を目指すとしている。

“REV”のOEMパートナー展開事例。日本IBM(左)と東芝情報機器(右)では、サーバー用のオプションとして、REVドライブがラインナップに加わっている
NAS/REV複合製品の導入事例。東急建設では、REVドライブ搭載のNASを520台導入。このほか、金融、行政など、5社で大規模導入が行なわれたという放送機材分野では、トムソンマルチメディア/グラスバレージャパンがREV搭載放送機器を発表

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン