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マイクロソフトと日立ソフト、セキュリティー分野での協業を発表――セキュリティー製品の開発や販売を共同で実施

2005年11月09日 16時46分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)と日立ソフトウェアエンジニアリング(株)は9日、セキュリティー分野において協業し、両社共同でソリューション開発や販売、技術サポートに取り組んでいくと発表した。協業の発表に伴って両社はこの日、マイクロソフトの情報保護ソリューション“Microsoft Windows Rights Management Services”と日立ソフトの情報漏えい防止ソリューション“秘文”を連携させた協業の第1弾製品となるソリューション“Rights Core for 秘文(ライツコア・フォー・ヒブン)”の発売や、米マイクロソフト社のセキュリティー関連パートナーとの協業を促進するコミュニティー組織“The SecureIT Alliance”への日立ソフトの参画などを発表している。

都内ホテルで開催された記者会見においてセキュリティー分野での協業を発表したマイクロソフトおよび日立ソフトの代表者両社のセキュリティー分野における協業の具体策

マイクロソフトと日立ソフトはこれまで、Windowsサーバーや.NET分野での協業を行なっており、製品開発や技術者育成に取り組んできている。今回発表された協業関係はセキュリティー分野に特化したもので、両社の製品を連携させた複合ソリューションの開発、セキュリティー分野での技術者育成、エンタープライズ向けセールスプログラム展開などを行なっていくという。

協業の概要を説明した日立ソフト 執行役 アライアンスビジネス本部 本部長の小川常昭氏マイクロソフトのセキュリティー戦略の概要を説明した執行役常務 エンタープライズビジネス担当の平井康文氏

この日行なわれた共同記者会見で協業の枠組みについて説明した日立ソフト 執行役 アライアンスビジネス本部 本部長の小川常昭氏は、今回の両社の協業では、セキュリティー分野における付加価値の高いソリューションの提供、Windowsプラットフォームでの効率的な両社製品の統合、両社顧客へのソリューション展開がそれぞれ可能になるとしており、「お客さまにとっても大きなメリットのある協業」だと述べた。また、マイクロソフト 執行役常務 エンタープライズビジネス担当の平井康文氏は、同社のセキュリティー戦略の概要を説明。同社ではセキュリティー分野においては、技術投資、ガイダンス提供、パートナーシップの3点に注力していくことを基本戦略とし、今回の協業はこのうちの“業界とのパートナーシップ”を強化していくものであるとしてその重要性を強調した。

“Rights Core for 秘文”の構造。日立ソフトの“秘文”とマイクロソフトのMicrosoft Windows Rights Management ServicesやAcitive Directoryを融合した情報漏えい防止ソリューションとなっている製品の説明を行なった日立ソフト 執行役 開発事業部 副事業部長の加藤礼吉氏

両社の協業の第1弾製品となる“Rights Core for 秘文”は、業務システムから出力される“Microsoft Office 2003”ドキュメントに対して、“Microsoft Windows Rights Management Services”によるアクセスおよび利用権限を強制的に設定するソリューション。これにより、悪意のあるユーザーや偶発的なミスで第三者に流出したドキュメントからの情報漏洩を防ぐことが可能だという。主な機能は以下のとおり。

管理者によるセキュリティー設定
ドキュメントに対するアクセス権限を管理者がポリシーに沿って適用可能。ユーザー管理はActive Directoryを利用し、ドキュメントへのアクセス権限の変更は、Active Directoryのグループ内でのメンバー変更で行なう。
機密情報の永続的保護
ドキュメントの中に権限情報を埋め込んで暗号化するため、複製したファイルの機密情報保護が可能。また、Active Directoryに参加していない状態でのファイル利用を制限できるため、社外への情報流出が防止できる。
日立ソフトのファイル暗号化システム『秘文AE Information Cypher(IC)』、持ち出し制御システム『秘文AE Information Fortress(IF)』との併用により、Officeドキュメント以外のファイルの保護も可能。
許可されていない使用からの情報保護
“Microsoft Windows Rights Management Services”の機能により、閲覧/編集/保存/印刷/コピー&ペースト/スクリーンショットの可否を柔軟に組み合わせた利用権限制御が可能。許可されていない使用者や使用方法から機密情報保護が可能。

なお両社は初年度、同ソリューションを通信および金融分野を中心に展開し、30社の受注を目標とするという。また今後は、他業種への同ソリューションの展開強化に加え、日立ソフトの情報漏洩防止ソリューション“秘文”のファイルサーバーの機能強化として、同ソリューションをベースとした“Microsoft Windows Rights Management Services”連携強化ソリューションを展開していく予定だという。

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