電子機器の開発/製造などを行なう(株)ソフィアシステムズは7日、SIP/VoIP対応携帯端末向けの開発支援機器“SandgateVP(SGVP)”シリーズのコンセプトモデルを発表した。SGVPは、IEEE 802.11b/g対応の無線モジュールを内蔵するほか、PCカードスロット(Type II)を搭載しPHSカード使っての通信も可能で、ラインナップはOSにWindows CE 5.0を採用した『SGVP-CE』と、Windows Mobile 5.0を採用した『SGVP-WM』の2機種。早ければ2006年度の第2四半期(2006年7~9月)にリリースする予定という。
同日開催されたイベント“Skype Day in Japan 2005”のソフィアシステムズのブースより。最前列の4機がSandgateVP |
代表取締役社長の樫平 扶氏 |
SGVPは、同社が4月に発表したVoIP携帯端末開発向けリファレンスボード“SandgateII-P”の姉妹機。代表取締役社長の樫平 扶(かしひら たすく)氏によれば「より実機に近い製品を」というSandgateII-Pの顧客の要望を受けて、開発したのだという。ソフィアシステムズは、SGVPは必要なソフトウェアを移植すればすぐに評価用として使えるので、端末開発工程の短縮や効率化に貢献できるとしている。また、希望により、同社の子会社であるソフィア総合研究所(株)によるインフラ構築などのSGVP向けサービスを受けられる。
SGVP-WMによるビジネスのイメージ | SGVP-WMによる導入のメリット | |
Skype Day in Japan 2005のソフィアシステムズのブースより |
基本となるスペックは、CPUが米インテル社のPXA270-520MHzで、前述のようにOSにはWindows CE 5.0またはWindows Mobile 5.0。米マイクロソフト社は、移動通信機に搭載可能なOS、もしくはPDA等に搭載して携帯電話の機能が使えるようになるOSとして、Windows Mobile 5.0 for Pocket PC/for Pocket PC Phone Editions/for Smartphoneという3種を用意しているが、「for Pocket PCベースで提案する」(樫平氏)という。メモリーは64MBのSDRAMと128MBのFlash ROMを搭載する。
液晶ディスプレーは2.2インチのTFT液晶パネル(240×320ドット)。カメラ機能は、正面(液晶ディスプレー面)と背面に30万画素のCMOSセンサーをそれぞれ搭載する。外部インターフェースはUSB 1.1(Mini-B)×1、PCカード(Type II)×1、miniSDカード×1。電源はリチウムイオンバッテリーで、ACアダプターは本体のUSBポートに接続する。そのほかIrDAによる通信機能を備える。これらの仕様は開発中のため変更されることがある。また、詳細は導入企業の要望を受けて決定される。なお、記者発表会ではウィルコム(株)のCF型PHSデータ通信カードを装着していたが、小型PHSモジュール“W-SIMカード”や、携帯電話キャリアによるW-CDMA方式などのデータ通信カードへの今後の対応については検討中とした。
SGVP正面 | 左側面。miniSDカードやUSBポートが見える | |
右側面。PCカードスロットを搭載 | ウィルコムのCF型PHSデータカードを装着したところ |
SGVP-CEの待ち受け画面。端末正面のスティック型ポインティングデバイスを操作してポインターを移動できる | SGVP-CEが内蔵する主なアプリケーション |
同社は、同日開催のインターネット無料電話“Skype(スカイプ)”のプライベートショー“Skype Day in Japan 2005”で試作機を公開し、希望者はIP電話などを体験できた。SGVPのSkypeへの対応は、SGVP-WMにて行なう予定という。最後に、SGVPの価格は非公表だが、樫平氏は「10万円を切った値段というのが最低限」とし「1台からでも売れるようにしたい」と述べた。