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【一足先に目撃!!】ウィルコムのスマートホン『W-ZERO3』はここがすごい! ここがまだまだ

2005年10月21日 21時19分更新

文● 編集部 小林久

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通信機能はかなり強力

W-ZERO3は“W-SIM”(ウィルコムシム)によるPHS機能のほかに、IEEE 802.11b対応の無線LAN機能も装備している。対応エリアの広いPHS(1x/4xパケット通信、32/64kPIAFS)と、快適な速度で通信が行なえる無線LAN(最大11Mbps)を同時に使える点が嬉しい。無線LANで通信を行ないながらの着信も可能。PHSの位置情報機能と連携して手近の無線LANスポットを見つけるアプリケーションの提供なども検討されているという。実は外出先で無線LANスポットを探すというのは骨の折れる作業だ。位置情報と絡めたスポット検索に関しては非常に期待している。

デュアルワイヤレス 接続
PHSと無線LANの両方に対応するアクセスポイントに接続したところ
無線LAN 省電力
無線LANやPHSのオンオフはメニューから行なう。PHS機能を切ったり、W-SIMがない状態でも機器の使用はできる

これら強力な通信機能を生かす用途はやはりウェブブラウジングだろう。W-ZERO3は解像度640×480ドット(VGA)と一般的な携帯電話機(解像度320×240ドット、QVGA)の4倍の表示領域を持っており、パソコン向けに作られたサイトでもレイアウトを崩さず快適に見られるケースが増えるだろうと予測される。

ただ残念なこともあった。それは標準搭載されているウェブブラウザー『Internet Explorer Mobile』が完全にはVGA表示に対応していなかった点である。“表示”メニューから“表示調整しない”を選択すると、ウィンドウ内にはQVGAの範囲しか表示されない。これはもともとこのソフトウェアがQVGAのディスプレーを搭載した“Pocket PC”向けに開発されたものだからだ。

表示調整しない 画面にあわせる
“表示調整しない”状態ではQVGAの範囲しか画面に表示されない画面に合わせるを選択したところ、細かな文字の視認性も高い

Internet Explorer Mobileには、画像のサイズをリサイズしてページレイアウトを調整する機能を持っている(“表示”メニューから“画面に合わせる”を選択する)のだが、通常はこの表示方法がメインになるだろう。レイアウトが崩れたり、表示に時間がかかるといった問題もあるが、現状では止むを得ない部分だ。

ただし、VGA液晶パネルの持ち味がブラウジングで生かされていないかというとそうでもない。画面の精細感がQVGAより確実に向上しているのは事実だし、小さな文字もしっかりと読みやすく表示される。この点は印象的だった。

Windowsメニュー 手書き入力 プログラム
Windowsボタンを押すと表示されるメニュー手書き入力やソフトキーボードなどにも対応Word Mobile、Excel Mobileやブンコビューアなど、アプリケーションも豊富
ブンコビューア 設定 音声通話設定
ブンコビューアの画面設定にコントロールパネルを利用する点もWindowsに近い、音声通話アプリ関係だけで3種類あるかなり細かな設定ができる


ケータイかPDAか?

スタート画面
W-ZERO3のホーム画面である“スタート”。携帯電話機の待ち受け画面に相当し、不在着信の有無なども表示される

W-ZERO3は、OSにWindows Mobile 5.0を搭載しているが、スマートホン向けではなく、PDA向けのソフトウェアセット(for Pocket PC)を採用している。

そのため、画面レイアウトや設定方法などもPDAライクなものとなっており、音声通話機能も1アプリケーションとして提供される。このあたりが携帯電話機の延長線上に機能を追加した製品との違いである。操作感は“京ぽん”の愛称で親しまれている『AH-K3001V』など、“フルブラウザー”搭載の携帯電話機/PHS端末とはかなり異なるものだ。

しかしながら、W-ZERO3がPDAのカテゴリーに属する製品かというとそれも違う。極めて自然に使える音声通話機能は従来のPDAにはないものだ。やはりW-ZERO3は、音声通話機能を中心に考えたスマートホンであり、ウィルコムも“音声通話”“データ転送”“無線LAN接続”の3種類を定額で使える“高機能な音声端末”として販売していく方針のようだ。いずれにしてもこれまでにない新しいカテゴリーの製品として、日本におけるスマートホン普及の試金石になる製品ではないかと考えられる。

試用期間が短かったため今回は試せなかったが、Windows MobileはVPNなどを利用して会社のネットワークに接続する機能が標準で提供されていたり、Officeドキュメントの編集といったビジネスマンに便利な機能も用意されている。もちろん背面のデジタルカメラを利用した静止画撮影、Windows Media Player 10を使った音楽や動画の鑑賞、3D表示に対応したJavaアプリをダウンロードしてゲームを楽しむといったエンターテインメント性の高い要素も満載だ。



訂正とお詫び:初出時、リモートデスクトップに関する記述がありましたが、製品には標準でリモートデスクトップクライアントが付属しません。なお、ウェブサイトなどでダウンロードしたクライアントをあとから追加できるかどうかに関しては確認中です。

W-ZERO3は26日から東京ビックサイトで開催される“WPC EXPO 2005”でも展示されるそうなので、興味のある読者はぜひ一度自分自身で体験してみることをオススメする。

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