このページの本文へ

【N-Gage In Barcelona】ノキア、ゲーム事業の新戦略を発表――生まれ変わる“N-Gage”

2005年10月18日 16時50分更新

文● 安藤 怜

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
N-Gage In Barcelonaの会場となったのは、バルセロナ西部にあるホテル“AC Bacelona”
N-Gage In Barcelonaの会場となったのは、バルセロナ西部にあるホテル“AC Bacelona”

フィンランドのノキア社は、スペインのバルセロナにて13日(現地時間)、プレス向けのイベント“N-Gage(エヌゲージ) In Barcelona”を開催した。ヨーロッパを中心に100人を超えるジャーナリストが参加し、ゲーム機能に特化した携帯電話機“N-Gage”シリーズを含むゲーム関連事業の戦略に関する発表があった。バルセロナは、欧州最大の携帯電話関連のイベント“3GSMワールド・コングレス”の2006年の開催地として予定されていることもあって、今回のイベントの開催地に選ばれたようだ。



新しいゲーム戦略を説明するノキア副社長のジェラード・ウィーナー氏 N-Gage誕生2周年を記念して作られた、N-Gageをかたどったバースデーケーキ
新しいゲーム戦略を説明するノキア副社長のジェラード・ウィーナー(Gerard Wiener)氏N-Gage誕生2周年を記念して作られた、N-Gageをかたどったバースデーケーキ

主要な発表は以下のとおり。

N-Gageは生産終了

ゲーム機能に特化した携帯電話機N-Gageシリーズは、『N-Gage QD Silver』(9月発売)が最終モデルとなる。これをもって、ハードウェアとしてのN-Gageは生産を終了する。

N-Gage QD Silver
N-Gageシリーズの最後のモデルN-Gage QD Silver。欧州/中東/アフリカで発売されたもので、GSM 900/1800MHz対応の携帯電話機としても使える。4096色表示のTFT液晶パネル(176×208ドット)を搭載し、本体サイズは幅118×奥行き22×高さ68mm。重さは143g


N-Gage ArenaでSymbian OS搭載機向けゲームの取り扱いを開始

N-Gage Arenaでは、ゲームの開発からオンライン/店頭でのゲーム販売までをサポートする
N-Gage Arenaでは、ゲームの開発からオンライン/店頭でのゲーム販売までをサポートする

ノキアが運営する携帯電話機用ゲーム販売サイト“N-Gage Arena”は、従来N-Gage向けのコンテンツのみを取り扱っていたが、今後はSymbian OS/Series 60(※1)対応のノキア製端末全般向けのコンテンツも販売する。ゲーム開発会社に対しては、引き続き、コンテンツの開発から販売までをサポートする。

※1 携帯電話機用アプリケーション開発プラットフォームの規格

イベントでは“スマートフォンの機能をいかしたゲーム”として、アメリカのバックボーン・エンターテインメント(Backborn Entertainment)社が『Shadow Born』を発表した。このゲームは冬至の日の深夜に生まれた子供の成長をたどるインタラクティブゲームで、メール機能、スケジュール管理機能、アラームなどがゲームの進行に関わってくるという。



格闘ゲームが動作しているところ バックボーン・エンターテインメントがN-Gage Arenaで提供する予定のShadow Born
格闘ゲームが動作しているところバックボーン・エンターテインメントがN-Gage Arenaで提供する予定のShadow Born


オンラインゲームのプラットフォーム事業“SN@P Moble”を拡大

ネットワークを経由した対戦型ゲームのような、マルチプレー対応の携帯電話機向けオンラインゲームを開発/配信するためのプラットフォーム事業“SN@P Moble(Scalable Network Application Package)”をより一層推進する。SN@P Mobleでは、携帯電話オペレーターに対しては配信インフラの構築など、ゲーム開発会社に対してはアプリケーションの開発などに関する技術支援を行なっている。

現在、SN@P Mobleによるゲーム配信インフラを導入(試験運用)している携帯電話オペレーターはヨーロッパに5社あり、2006年中にさらに10~15社が加わる見込み。一方、5社から配信されるゲームタイトルは年末までに合計25本になり、アプリケーションの開発言語はJavaなので、条件を満たしている携帯電話機(現在市場に30機種あるという)であれば動作する。

年末までに25のゲームを提供する ゲームコンテンツは、MIDI2.0 CLDC1.0以上に対応した携帯電話機ならばノキア製以外の端末でも動作する
SN@P Mobleでは、年末までに25のゲームを提供するゲームコンテンツは、MIDI2.0 CLDC1.0以上に対応した携帯電話機ならばノキア製以外の端末でも動作する


2007年には市場規模が数千万人に

なお、ヨーロッパではN-Gage ArenaとSN@P Mobleの両サービスが受けられる地域も出てくるが、N-Gage Arenaは数十MB程度のボリュームがあるゲーム、SN@P Mobleは数百KB程度のシンプルな構成のゲームが中心となるため、ノキアは市場が競合しないとみている。同社は、N-Gage ArenaとSN@P Mobleのいずれか1つ以上を利用するユーザーは、2007年に数千万人規模になると予測している。

N-Gage ArenaとSN@P Mobleが競合することはないという N-Gage ArenaとSN@P Mobleを利用するユーザーは、2007年に数千万人規模になると予測している
提供するゲーム分野が異なるため、N-Gage ArenaとSN@P Mobleが競合することはないというN-Gage ArenaとSN@P Mobleを利用するユーザーは、2007年に数千万人規模になると予測している


カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン