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【CEATEC JAPAN 2005レポート Vol.17】BHAと共同開発した日本向けHDTVプラットフォームを展示――STマイクロエレクトロニクス

2005年10月06日 20時49分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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エス・ティー・マイクロエレクトロニクス(株)(以下STマイクロ)は、昨年の“CEATEC JAPAN 2004”と同様、自社の半導体製品を具体的に活用した事例を挙げながら、同社の技術やソリューション(半導体チップとミドルウェア/アプリケーションの組み合わせ)を提案していた。

“プリンタ ソリューション”の説明パネル
“プリンタ ソリューション”の説明パネル。このほかCPUをARM926コアに変更した“Spear Head”、周辺デバイスを現在検討中の“Spear Plus”なども開発中とのこと

日本では初公開というプリンターソリューション“Spear Lite(スピア ライト)”は、プリンターを構成する主要部品であるをまとめたもの。具体的には、ARM946ESコアのCPU(動作周波数192MHz)、3個のUSB 2.0インターフェース(ホスト&デバイス)/Ethernet(10/100BASE-TX準拠)のMAC(Media Access Control)層/メモリーインターフェースなどが集約されている。プリンターメーカーは新製品において、自社独自のページ記述言語や追加のインターフェースなどを用意するだけで済むため、開発期間やコストを低減できるとしている。

“日本向けデジタルTVプラットフォーム”のデモの様子 会場に展示された試作ボード
BHAとSTマイクロエレクトロニクスが共同開発した“日本向けデジタルTVプラットフォーム”のデモの様子会場に展示された試作ボード。この状態でHD放送の受信・表示を行なっていた

同社ブースで注目を集めたのは、今月3日にリリース発表している(株)ビー・エイチ・エー(BHA)と共同開発した日本向けHDTVプラットフォームのデモンストレーションだ。STマイクロのHDTV対応シングルデコーダーチップ『STi7710』と独自プログラミングインターフェース“STAPI(ST Application Programing Interface)”、さらにBHAが開発したARIB(アライブ、(社)電波産業会)規格準拠のHD放送再生・表示ソフトウェアなどで構成される。

海外向けにHD対応のH.264を再生表示するソリューションのデモ デジタル合成の仕組み 日米欧で、それぞれの地域に合わせたHDTV向けソリューションを展開
7Mbpsの映像ソース(H.264/AVC形式)を再生しているとのことで、サッカーのシーンでは芝目などが“のっぺり”した印象に見えたが、コマ落ちやブロックノイズなどは目に付かなかった試作機の内部。中央の空冷ファンを取り付けたチップがデコーダー日米欧で、それぞれの地域に合わせたHDTV向けソリューションを展開している
こちらは海外向けにHD対応のH.264/AVCとMPEG-2 HDを再生表示するソリューションのデモ

会場ではやや大きめの試作ボードを使って、実際に地上デジタル放送を受信・再生するデモを見せていた。試作ボードでは、地上アナログ/地上デジタル/BSデジタルの3波に対応するチューナーを接続して、B-CAS(BS Conditional Access System、BSデジタルや地上デジタル放送を視聴するためのID)カードを接続し、チャンネルの切り替えも基板上のスイッチで行なうというもの。説明員は、「現在は試作のためボードも大きいが、需要に合わせてチューナーの選択が可能。STB(セットトップボックス)への応用のほか、より小型化も可能で、低価格化している30インチクラスの液晶パネルと組み合わせてかなり安価にHD放送対応の液晶TVを開発できるだろう」と語った。

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