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日本IBM、セキュリティー機能や使いやすさを向上したコラボレーションソフト『IBM Lotus Notes/Domino 7』を発表

2005年10月05日 23時34分更新

文● 編集部 小西利明

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『IBM Lotus Notes/Domino 7』ユーザークライアントのWelcome画面
『IBM Lotus Notes/Domino 7』ユーザークライアントのWelcome画面(画面は英語版のもの)

日本アイ・ビー・エム(株)は5日、赤坂プリンスホテルで開催したイベント“LotusDay 2005”にて、コラボレーションソフトウェア(グループウェア)“Lotus Notes/Domino”シリーズの最新版『IBM Lotus Notes/Domino 7』(以下Notes/Domino 7)を発表した。出荷開始は11月25日。ダウンロード版は11月1日。使用料金(税別)は以下のとおり。

ユーザーライセンス
IBM Lotus Notes Domino Web Access Collaboration:1万5600円
IBM Lotus Notes Domino Web Access Messaging:1万100円
IBM Lotus Notes Domino with Collaboration:2万100円
IBM Lotus Notes Domino with Messaging:1万4500円
サーバーライセンス
IBM Lotus Notes Domino Messaging Server:11万4700円
IBM Lotus Notes Domino Enterprise Server:29万6700円

報道関係者向けの説明会にて、米IBM社ソフトウェアグループ Lotusジェネラルマネージャーのマイク・ローディン(Mike Rhodin)氏は新しいバージョン7について、2002年にLotus/Domino 6が登場して以来、4年ぶりに大きな技術的進化が行なわれたと述べた。追加された新機能は、100以上にものぼるという。また現在開発中の次バージョン、コード名“Hanoover”についても触れ、1989年にLotus Notesが登場して以来の大きなリリースになるだろうと述べた。

米IBM社ソフトウェアグループ Lotusジェネラルマネージャーのマイク・ローディン氏 Lotus Notes/Dominoの変遷。2002年の6.0以降、毎年マイナーチェンジを続けてきたが、新しいNotes/Domino 7で久しぶりのメジャーバージョンアップが施された
米IBM社ソフトウェアグループ Lotusジェネラルマネージャーのマイク・ローディン氏Lotus Notes/Dominoの変遷。2002年の6.0以降、毎年マイナーチェンジを続けてきたが、新しいNotes/Domino 7で久しぶりのメジャーバージョンアップが施された
日本IBM ソフトウェア事業 Lotus事業部長の澤田千尋氏
日本IBM ソフトウェア事業 Lotus事業部長の澤田千尋氏

Notes/Domino 7の新仕様について説明した日本IBM ソフトウェア事業 Lotus事業部長の澤田千尋氏は、Notes/Domino 7では第1に運用コスト削減、第2にユーザービリティー(使いやすさ)の向上、第3にAPIの拡張と既存アプリケーション資産の活用を特徴としていると述べた。既存資産の活用とは、従来のNotes/Domino用アプリケーションとの互換性を持ちながら、SOA(サービス志向アーキテクチャー)に対応するため、既存アプリケーションを使いつつ、企業の情報システムと連携したサービスを実現できる。



Notes/Domino 7のメールボックス画面
Notes/Domino 7のメールボックス画面

セキュリティー機能も強化された。Notesクライアントの一括管理が可能になり、ポリシーごとに設定変更の可否やメールのダウンロードの可否などを一律に設定でき、管理者の負担を軽減しながらセキュリティーを保つ。またメールの受信拒否リスト機能(ブラックリスト)だけでなく、受信許可リスト(ホワイトリスト)による受信制御も可能になった。

赤い矢印が示しているのが、宛先を元に付くマーク。どのマークが何を示すかは設定で変更できる
赤い矢印が示しているのが、宛先を元に付くマーク。どのマークが何を示すかは設定で変更できる

また「メールボックスでどれだけ効率的に仕事ができるか」(澤田氏)をポイントに、メールコラボレーション関係の機能や操作性が向上した。特に大量のメールから重要なものをピックアップしやすくするために、“宛先に自分の名前があるか”などによってメールの重要度を分類し、簡単なマークで表示する機能は、大量のメールの山から必要なものを識別するのに役立ちそうだ。披露されたデモでは、宛先にある名前が自分だけなら青い丸、自分以外の名前もあるなら半分青の丸、CC欄にあるなら白丸で表示していた。つまり自分だけ宛に送られたメールは重要である可能性が高く、CC欄ならばそれほどでもないと判断できるというわけだ。

またインスタントメッセンジャー(IM)機能の統合化、メールの送信相手が着席しているか否かをアイコンで示す機能(送信相手とのコミュニケーションが容易になる)、IMでの会話ログの保存機能など、あると便利な機能が多数盛り込まれている。

統合されたインスタントメッセンジャー
統合されたインスタントメッセンジャー

TCOの削減については、サーバー側の負荷が軽減されて、より多くのユーザーを処理できるようになった。また運用管理の集中化と自動化も施され、Notes/Domino 6と比べて8.5%、Notes/Domino R5と比べると22%もの運用コスト削減を実現したとしている。またそのほかにも、Linux対応の強化なども行なわれているとのことだ。

同社ではNotes/Domino 7のリリースに合わせて販売促進のキャンペーンも行なう予定だ。中小企業(従業員1000人以下)向けに“グループウェア乗換キャンペーン”を行ない、Notes/Domino以外のグループウェアを利用する企業なら、Notes Domino Web Accessを低価格(60%オフ以上)で提供するほか、Webベースのコラボレーションポータル『Workplace Services Express 2.5』を20ユーザー分無料で提供する。キャンペーンについては今月中旬に正式な発表がある予定。またアプリケーション開発企業向けに“Lotus Notes/Domino 7 Readyパートナープログラム”も展開する。アプリケーション開発の技術相談窓口や、Notes/Domino向けアプリケーションの販売促進支援などを予定している。料金は無料。

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