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1万円からのビデパソ自作 Vol.3

1万円からのビデパソ自作 Vol.3

2005年10月04日 07時39分更新

文● 伊藤 裕也

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1万円からのビデパソ自作 Vol.3

本記事は、月刊アスキー2005年8月号の当該記事よりASCII24 Review向けに再編集して転載したものです。

 このところ地上デジタル対応PC、マルチチューナ録画と高価な製品を扱う記事が続いたが、今回は本連載の趣旨である「低価格でビデパソ環境構築」に立ち返り、1万円程度で入手できるTVチューナ機器(カードや外付けユニット)について整理してみたい。

 TVチューナ機器というと3D Y/C分離機能やゴースト低減などの高画質化回路をフル搭載した高機能・高性能なものがどうしても注目されがちだ。確かに3D Y/C分離はY(輝度)とC(色)の信号を分離する際にオリジナルの映像にはない色が発生する問題を防げるし、ゴースト低減やノイズリダクションは受信状態の悪い映像を補整してくれる。だが、映像信号が一定のレベル以上で良好に受信できている限り必要のない機能といえる。それらの機能が本当に必要なのかはTV放送の受信環境によるのだ。

 むしろPCショップや家電量販店では1万円前後で入手可能な製品がスタンダード。安いTVチューナ機器に良いイメージを持っていない人もいるかもしれないが、安かろう悪かろうと語られていたのは以前の話。最近ではTV番組の視聴・録画を実行するソフトが洗練され扱いやすくなっており、また中にはダブルチューナや高画質化回路、さらにはハードウェアエンコーダを搭載する製品もある。価格が価格なのですべての機能をフル搭載するものはないが、逆にいえば選択するポイントさえ誤らなければ実に魅力的な製品が揃っている。

 低価格帯のチューナ機器を入手する際にチェックしたいポイントはいくつかあるが、その中でも特に重要なのは「TV番組を視聴・録画するソフトウェア」だ。このソフトウェアの出来が扱いやすさを大きく左右するといっても過言ではないのだが、あまりにも安価なデバイスの中にはこのソフトがバンドルされておらず、市販のTV録画ソフトを別途入手しなければならない場合がある。またバンドルされているソフトの操作性が悪かったということもあり、ハードの性能と価格だけで選ぶと失敗することもある。

1万円以下のXCodeIIカード登場

「PX-C200P/JP」
「PX-C200P/JP」の価格は実売9000円前後の予想。カードはTVチューナを搭載しておらず、ビデオの入力端子すらない。

 最近の高機能チューナカードに必ずといっていいほど採用されているのが、ViXS SystemsのMPEGエンコーダチップ「XCodeII」シリーズである。複数ストリームの同時エンコードに対応し、また低ビットレートでの映像品質が高いという特徴がある。ただしこのチップを搭載したチューナカードは2万5000円以上するのが相場で、やや高価だ。

 ところが、このXCodeIIシリーズのチップを採用して1万円弱という価格の製品がプレクスターから発売される。MPEGアクセラレータ「PX-C200P/JP」は、MPEG-2ビデオのトランスレート(同一フォーマットにおけるビットレート変換)処理を高速化するためのPCIカード。文字通り、MPEG圧縮を高速に行なうもので、映像信号を記録するキャプチャ機器ではない。HDD内の既存の動画ファイルをMPEGエンコードすることに特化したカードである。使い方としては、これに安価なTVチューナカードを組み合わせ、録画したTV番組などの映像を高い映像品質で高速トランスレートしたり、編集したりするものだ。

 2ストリームまでのリアルタイムエンコードに対応するチップ「XCodeII-L」を搭載し、付属ソフトにはユーリードのビデオ編集ソフト「Video Studio 8 SE for PLEXTOR」と、専用のトランスレートユーティリティ「PLEXCORDER」がバンドルされる。どちらのソフトからもPX-C200P/JPを利用でき、トランスレート処理を素早く実行可能。ちなみに他の市販ソフトからは利用不可だ。

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