ボーダフォン(株)は20日、非接触ICカード技術“FeliCa(フェリカ)”のICチップを内蔵した携帯電話機『Vodafone 703SHf』を発表した。製造はシャープ(株)で、発売は11月上旬以降。同社はVodafone 703SHfの発売に合わせ、FeliCaチップ内蔵機種向けの新サービス“ボーダフォンライブ! FeliCa”を開始する。またプロモーションでは、KDDI(株)と同じく、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標である“おサイフケータイ”を用いる。
おサイフケータイの利用イメージ。本サービスでは、FeliCaのロゴが書かれた液晶ディスプレーの背面をリーダー/ライターにかざす |
ユーザーの3分の1がおサイフケータイを待望
ボーダフォンはFeliCa対応サービスの導入にあたって、同社ユーザーの関心を調査した。コマース部の尾崎大輔氏によれば、ユーザー全体の3分の1が「必要である」と答え、また「必要である」と回答したユーザーの2割以上が「このサービスが提供されない場合に解約を考える」と回答し、ARPU(1ユーザー当たりの平均収入)が高いハイエンドユーザーほどその傾向が強まったという。
今回発表されたボーダフォンライブ! FeliCaのプラットフォームを使ったサービスの提供企業は、ビットワレット(株)の電子マネー“Edy”など17社/グループ。NTTドコモやKDDIのサービス同様、電子マネー決済、電子会員証などの個人認証、交通チケットなどとして使えるようになる見込み。東日本旅客鉄道(株)のおサイフケータイによる乗車システム“モバイルSuica”サービス(2006年1月開始予定)については、「サービスインに向けた話合いをしているが、スケジュールは回答できない段階」という。他キャリアのおサイフケータイにはない独自のサービスの企画/開発については、今後、コミュニケーションやエンターテインメントの分野での立ち上げを目標とし検討している。
ボーダフォンライブ! FeliCaのサービスロゴ | 提携が発表されたサービス提供企業 |
Vodafone 703SHfの価格はオープンプライス。なお、FeliCaチップの搭載は、2006年度(2006年4月~2007年3月)以降、3G対応機種のミドルエンド以上に基本搭載を目指し、PDC対応機種については市場の動向をみながら検討する。
Vodafone 703SHf(ウェーブレッド) | Vodafone 703SHf(左からコルクベージュ、カーボンブラック) |