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日本アイ・ビー・エム、オートノミック/グリッド・コンピューティングに関する説明会を開催──ThinkPadが賞品の論文募集も

2005年09月07日 16時05分更新

文● 編集部 小林久

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日本アイ・ビー・エム(株)は7日、グリッド・コンピューティング(Grid Computing)とオートノミック・コンピューティング(Autonomic:自律型 Computing=AC)の普及と人材育成を目的とした論文コンテスト“グリッド/AC スカラーズ・チャレンジ 2005”(Grid/AC Scholars Challenge Program 2005)を開催すると発表した。

コンテストのテーマは、(1)オープンソースの『Globus Toolkit』の新しい使い方、(2)『IBMオートノミック・コンピューティング・ツールキット』の効果的な使い方。大学生/大学院生の個人またはチームが対象。これらのツールを効果的に利用して、広く役立つ新しいアプリケーション領域のアイデアを論文として募集する。論文には、論文の概要、期待される効果、具体的な活用方法と検証結果(論理検証も可)、考察、結論と今後の展望などを盛り込む必要がある。

応募希望者は、30日までに“acibm@jp.ibm.com”宛てに応募登録の申し込みをする。申し込み者には、日本IBMからプログラムの詳細とGridとACに関する解説書が届けられる。論文の締め切りは11月11日(金)。

表彰は12月2日に日本IBMの大和事業所で行なう。優秀論文3点にはThinkPadを贈呈。最優秀論文には追加の特別賞も予定しているという。

合わせて同社は、Autonomic Computingに関する認定制度“IBM 自己管理型オートノミック・テクノロジー・マーク・プログラム”(IBM Self-Managing Autonomic Technology Mark Program)の国内開始に関しても発表した。

ロゴ
IBM 自己管理型オートノミック・テクノロジー・マーク・プログラムの認定ロゴ

これは、ACに関するIBMのビジネスパートナーのうち、IBMの選定基準を満たすパートナーにロゴの使用を認めるもの。IBMが提供するAC関連技術のうち、2つ以上の技術を自社製品に取り込んでいるパートナーが対象で、これらの技術を生かしつつ標準にも準拠しているかどうか、目に見える価値を顧客に生み出せた実績があるかどうかを重視するという。

すでに米国では6月30日から実施されており、4社が認められている。IBMでは、顧客がAC環境を実現する上で、最適なパートナーを識別できる目安として、厳しい審査で選んでいく方針だという。

「この1年でオートノミックは現実になった」──バートレット氏

本日東京・箱崎の日本IBM箱崎事業所で行なわれたプレス説明会には、日本アイ・ビー・エム 先進システム事業部 事業部長の三島 英司(みしま えいじ)氏と米IBM社バイスプレジデントで、オートノミック・コンピューティングなどと担当しているデビッド・バートレット(David Bartlett)氏が出席した。

三島氏 バートレット氏
日本アイ・ビー・エム 先進システム事業部 事業部長の三島 英司氏米IBM社バイスプレジデントのデビッド・バートレット氏

先進システム事業部は、日本IBMのGrid部隊とLinux部隊が統合する形で、今年1月に発足した事業部で、Gridや次世代のネットワーク技術、ミドルウェアなどに取り組んでいる。三島氏は「イノベーションが加速する中、1社だけではその速度に対応できない」とし、企業システムのすべてのレイヤーでオープンアーキテクチャーの採用を進め、GridやACにも積極的な投資を行なっていきたいと述べた。

Gridのビジネスに関しては「IBMだけで昨年に比べ70%の伸びを示した」ことや、米IDC社の「2007年にGridの市場は120億ドル(約1兆3200万円)規模となる」という調査結果に言及。三島氏は「組織やプロセスを柔軟に構築できるのがGridのメリット」とし、研究開発から始まったGridが、行政や大企業の既存IT資源を最適活用する手段にまで発展してきたと現状を説明した。Gridの導入事例としては、国内では(株)肥後銀行、徳島県立中央病院、(株)アイ・ティ・フロンティア、関西学院高等部などがあるという。

一方バートレット氏は、ITインフラへの投資額に関するIDCの調査を引用。「管理費用と新規ハードへの投資額は1996年には前者が投資額の1/3、後者が2/3程度だったが、その傾向は完全に逆転し、現在では管理コストが新規ハードへの投資額を大きく上回っている」と説明した。その背景にはハードウェア金額の減少もあるが、企業システムが複雑化し、その対応に管理者が労力を払っている点が大きい。バートレット氏は「この複雑さを軽減するための自動管理システムがオートノミック・コンピューティング」であり、「企業システムの複雑化という現状に、オートノミック技術のチャレンジであり、チャンスである」と述べた。

一方、オートノミック・コンピューティングの普及を進めるためには標準化によって、幅広い企業が協力・参加することが必要とし、すでにオートミックに関する17の仕様書を各種標準化団体に提出しているという。バートレット氏は標準化の課題として「広く認知されている標準化団体への提出」「産業全体から広い参加が得られる」「標準が価値をもたらすことを示す」ことが課題とした。また、今後は「ポリシー管理」や「Symptom Data」(障害などが起きた際に返すデータ)の標準化が大きな話題になるだろうとも述べた。

バートレット氏は、会見の最後に「この1年でオートノミックは現実になった」とし、来年は「日本での成果を発表できることを楽しみにしている」と述べた。

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