スライドショー機能より。画像が切り換わる間隔は、3秒/5秒/10秒/30秒/60秒から設定できる |
DSC-T5のもう1つの特徴が、2.5インチ/23万画素の“クリアフォト液晶”ディスプレーだ。ソニーは昨年に「DSC-L1」(2004年11月発売)というやはりデザイン志向のカメラを発売したが、液晶パネルは1.5インチ/7万6800画素で、DSC-T5は大きさも解像度も大きく上回る。また、反射防止のARコートを施し、日差しに強く高視野角だということを謳っている。いずれも詳細な数値は公表されていないが、8月の直射日光の下でも画像は鮮明に確認ができ、視野角も3~4人が横に並んでも十分に見られそうだ。撮影した写真は、メモリーをパソコンにコピーして見たり、印刷(PictBridge対応)して見たりしてもいいが、DSC-T5は大画面液晶パネルのメリットを生かすスライドショー機能を搭載しているので、自宅に帰る前に乗り物の中で皆で楽しむのもよいだろう。
三脚を立てて、真上と横から液晶画面をのぞいてみた。感覚としては3~4人が横に並んでも十分に見られそうだ |
撮影可能枚数が240に向上
従来機「DSC-T33」(2005年1月発売)からの変更点は、三脚穴の搭載のほか、32MBのメモリー内蔵、リアル・イメージング・プロセッサーの省電力化によるスタミナの向上(標準撮影可能枚数が180枚から240枚に)、フラッシュ到達距離の延長(1.6mから2.5mに)といった点がある。標準撮影可能枚数が240枚もあれば、撮影ポイントで2~3枚ずつ撮影するような1~2泊の旅行では十分対応できるし、バッテリーの「NP-FT1」は従来機から使用されている汎用品なので余分に用意してもいい。
むしろ出先で心配なのは記録媒体のメモリーの残り容量だと思うが、DSC-T5は32MBメモリーを内蔵しているので、メモリーの不意な残量不足にはこれで対応できる。記録媒体はメモリースティック デュオ/メモリースティック PRO デュオで、メモリースティック PRO デュオであれば1GBのカードも発売されている。今回、DSC-T5の最大記録サイズである2592×1944ドットで撮影した作例の元画像は1枚あたり2MB前後なので、1GBのカードを買えばバッテリーの標準撮影枚数より多い、約500枚を記録できる。なお、32MBのメモリーを本体に内蔵するためメモリーカードは付属しなくなった。
“魅せるカメラ”が欲しいなら
最後に、筆者がおすすめしたいのは、やはり普段使いのカメラを探している女性層だ。デザインが気になったならば、実物を手にとって、いろいろな角度から眺めたり、触ってその質感を確かめたり、シャッターボタンを押したり、洋服を試着するようにDSC-T5を吟味してほしい。長々と書いてしまったが、細かい仕様の話はあえて置いておいて、何よりあなたを“魅せる”というコンセプトでデザインされたデジタルカメラは稀だ。なお価格はオープンプライスだが、発売当初は従来機よりも1万円程度安い4万円が見込まれている。
サイバーショット「DSC-T5」の主なスペック | |
製品名 | サイバーショット DSC-T5 |
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撮像素子 | 有効510万(総530万)画素1/2.5インチCCD |
レンズ | 光学3倍ズーム対応カール ツァイス“バリオ・テッサー” f=6.33~19.0mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~114mm)、F3.5-4.4 |
記録画素数 | 最大2592×1944ドット |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT液晶パネル(23万400ドット) |
記録メディア | メモリースティック PRO/メモリースティック デュオ/メモリースティック PRO デュオ |
電源 | NP-FT1(付属) |
インターフェース | USB(USB2.0 Hi-speed対応)、AV出力(モノラル音声) |
本体サイズ | 幅93.6×奥行き20.3×高さ60mm |
重さ | 約139g(撮影時) |