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サイバーショット DSC-T5

サイバーショット DSC-T5

2005年09月05日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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有効510万画素のSuper HAD CCDを搭載

 撮影素子は1/2.5インチの有効510万画素Super HAD CCDを採用し、独自の画像処理システム“リアル・イメージング・プロセッサー”を内蔵する。レンズは8群11枚構成(非球面レンズ3枚/プリズム1個含む)の折り曲げ光学系を採用した光学3倍ズームのカール ツァイス“バリオ・テッサー”レンズ(F3.5~4.4、f=6.3~19.0/35mmフィルムカメラ換算時で38~114mm相当)を搭載する。

撮影サンプル1-a 撮影サンプル1-b
【撮影サンプル1-a】2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ【撮影サンプル1-b】1-aの元画像の部分を640×480ドットで切り出した
被写体との距離は150m程度で、広角端で撮影した。この日は快晴で十分な光量があって撮影環境がよかったこともあるが、全体の発色は目で見た印象に非常に近い。また撮影サンプル1-bでは、屋根上の柵など繊細なモチーフも、きちんと描画されている。シャッタースピード:1/200秒、絞り値:5.6、露出:ノーマル、ISO:64
撮影サンプル2-a 撮影サンプル2-b
【撮影サンプル2-a】2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ【撮影サンプル2-b】2-aの元画像の部分を640×480ドットで切り出した
1-aと同じ場所から望遠端で撮影した。撮影サンプル2-bを見ると、広角端ではほとんど判別不可能だった時計の文字盤がはっきり読み取れる。シャッタースピード:1/125秒、絞り値:7.1、露出:ノーマル、ISO:64


肉眼で見た印象に近い

 DSC-T5はTシリーズのエントリーモデルということで、今回の撮影サンプルは、特に断りがない限り、すべて“オート”の設定で撮影した。太陽光で撮影したサンプルは、被写体が目で見た印象に非常に近い。DSC-T5が採用する画像処理エンジン“リアル・イメージング・プロセッサー”はノイズを抑えたクリアな絵作りが特徴だが、今回の作例でもザラつきは気にならず、なめらかで自然な印象を受けた。直射日光を受けた屋上の柵のような繊細なモチーフも、きれいに表現されている。気になった点を挙げるとすれば、撮影サンプル3-b/3-cのアスファルトの日陰の部分の擬色で、リサイズしたサンプルではほとんどわからないが、2592×1944ドットで撮影した元画像を100%以上にすれば確認できる。なお撮影サンプル4~6のように、光量が少ない場所で撮影すると全体の色味が中央の被写体の色に引きずられてしまうことがあるが、雰囲気を損なうほどではない。

撮影サンプル3-a
【撮影サンプル3-a】サンプルの1や2と同じ位置から東京駅を背に、皇居方面を撮影。左右のビルを見ると、たる型のゆがみが出ている。シャッタースピード:1/200秒、絞り値:5.6、露出:ノーマル、ISO:64。2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ
撮影サンプル3-b 撮影サンプル3-c
【撮影サンプル3-b】3-aの元画像の部分を640×480ドットで切り出した。左側の木立の暗部も、黒くつぶれずに表現されている【撮影サンプル3-c】3-bを200%に拡大し、640×480ドットで切り出した。100%の3-bでも若干気になるが、アスファルトの日陰の部分に擬色が見られる
撮影サンプル4 撮影サンプル5 撮影サンプル6
【撮影サンプル4】シャッタースピード:1/400秒、絞り値:5.6、露出:ノーマル、ISO:64【撮影サンプル5】シャッタースピード:1/40秒、絞り値:3.5、露出:ノーマル、ISO:100【撮影サンプル6】シャッタースピード:1/40秒、絞り値:3.5、露出:ノーマル、ISO:125
フラワーアレンジメントを、日向と日陰で撮影した。撮影サンプル4は、日向で撮影したもの。撮影サンプル5は、日陰で撮影した作例の平均的な色味のもので、元の印象を損なうほどではない。撮影サンプル6は、日陰で撮影した作例の中で、最も青みがかってしまったもの。いずれも2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ


撮影サンプル6-a 撮影サンプル6-b
【撮影サンプル7-a】シャッタースピード:1/4秒、絞り値:3.5、露出:未定義、ISO:200。2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ【撮影サンプル7-b】頬のシミまで映ってしまった。2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ
“夜景”“夜景&人物”“風景”など10種類のシーンセレクションを搭載する。この撮影サンプルでは、“キャンドルモード”を利用し、誕生会をイメージして、蝋燭の明かりだけで人物などを撮影した。蝋燭の灯りの温かみのある雰囲気が出ている。シャッタースピードが遅くなるので、三脚は必須だ


ヒストグラム表示機能も搭載する
ヒストグラム表示機能も搭載する

 なお、マニュアルでは、オートフォーカスエリア(マルチポイントAF/中央重点AF/スポットAF)、ISO感度(自動/64/100/200/400)、ホワイトバランス(自動/太陽光/曇天/ 蛍光灯/電球/フラッシュ)、露出補正(±2.0EV、1/3EV段階)、測光モード(マルチパターン/中央重点/スポット)などを設定できる。そのほか、明るさごとの飽和度を確認できるヒストグラムなど撮影補助機能を搭載している。そのほか、500万画素や大画面液晶に続く市場のトレンドといえば手ぶれ補正機能だが、普及価格帯のDSC-T5はその搭載を見送った。Tシリーズでは初めて本体に三脚穴を搭載した。記念撮影など、ここ一番ではしっかり三脚を使用したい。



三脚
Tシリーズで本体に三脚穴を搭載したのはDSC-T5が初。これまでは、オプション製品の三脚穴付きカバーなどを装着する必要があった

オークションで必勝(!?)の拡大鏡モード

拡大鏡モード設定
ボタンひとつで設定できる通常のマクロ機能と違い、拡大鏡モードはメニューの中から選択する。アイコンには説明がなく、虫眼鏡マーク⇒1cm接写機能というのも連想できそうで連想しにくいので、説明書を読まないと気づかないだろう

 Tシリーズは従来機の「DSC-T3」(2004年10月発売)より“拡大鏡モード”というマクロ機能を、従来の機能とは別に搭載している。通常のマクロ機能は、十字キーのチューリップマークを押すと有効になり、広角端で8cmの接写が可能。一方、拡大鏡モードは“夜景”“風景”などのシーンセレクションメニューから虫眼鏡マークを選ぶと有効になり、約1cmの接写が可能になる。1cmの接写機能は、例えばダイヤモンドリングの広告のように、小さな被写体をアップで撮って背景をぼかしたような迫力のある1枚が撮れる。もちろん、リングの背面に刻まれた素材や商品番号も撮影できるので、インターネットオークションに出品する場合にも使えそうな機能だ。



通常のマクロ撮影のイメージ 拡大鏡モードによる撮影のイメージ
通常のマクロ撮影のイメージ拡大鏡モードによる撮影のイメージ
通常のマクロ機能は8cm、拡大鏡モードは1cmまで被写体に寄れる。ちなみに鏡はダイヤモンドを光らせるための小道具。もちろん三脚は必須だ
撮影サンプル8-a 撮影サンプル8-b
【撮影サンプル9-a】通常のマクロ機能で限界まで寄って撮影した。2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ【撮影サンプル9-b】9-aの元画像の部分を640×480ドットで切り出した
シャッタースピード:1/80秒、絞り値:3.5、露出:ノーマルプログラム、ISO:64、測光方式:スポット
撮影サンプル8-a 撮影サンプル8-b
【撮影サンプル8-a】拡大鏡モードを使用した作例。2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ【撮影サンプル8-b】8-aの元画像の部分を640×480ドットで切り出した
シャッタースピード:1/50秒、絞り値:3.5、露出:ノーマルプログラム、ISO:64、測光方式:スポット
撮影サンプル8-a 撮影サンプル8-b
【撮影サンプル9-a】拡大鏡モードでリングの背面を撮影した。肉眼では見えにくい刻印も、はっきり映っている。2592×1944ドットで撮影した元画像を640×480ドットにリサイズ【撮影サンプル9-b】9-aの元画像の部分を640×480ドットで切り出した
シャッタースピード:1/40秒、絞り値:3.5、露出:ノーマルプログラム、ISO:64、測光方式:スポット

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