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イー・モバイル、TBSと資本提携を発表――第三者割当増資により、総額100億円を調達

2005年08月31日 21時13分更新

文● 編集部 小西利明

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子会社のイー・モバイルとTBSの資本提携について記者の質問に答える、イー・アクセス代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏
子会社のイー・モバイルとTBSの資本提携について記者の質問に答える、イー・アクセス代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏

イー・アクセス(株)は31日、子会社であるイー・モバイル(株)と(株)東京放送(TBS)が資本提携を行なうことを発表した。TBSを引受先とした第三者割当増資の実施により行ない、総額は100億円となる。増資の払込期日は9月30日の予定。株式の発行価格や発行数については、現時点では未定としている。

イー・モバイルはイー・アクセスのほぼ全額出資による子会社で、現在周波数割当のための作業が行なわれている1.7GHz帯の携帯電話事業を手がける予定である。イー・アクセス/イー・モバイル両社の代表取締役会長兼CEOである千本倖生(せんもと さちお)氏は、1.7GHz帯を使用する携帯電話事業への免許申請をすでに行ない、審査を経て12月には免許交付に進むという見通しを示したうえで、「(新3G携帯電話の)まさにカウントダウンが始まった」と現況について述べた。そして放送と通信の統合サービスが実現に向かいつつある状況の中で、新3G携帯電話による“モバイルブロードバンド”こそが、世界的に見てもこれからの最大成長領域であるとの見方を示した。そのうえで、3Gの主役は放送・動画コンテンツであるという観点から、通信事業者であるイー・モバイルと放送事業者であるTBSがノウハウを提供しあって統合サービスの可能性を検討するうえでの強固なパートナーシップを構築することを目的に、今回の資本提携を行なったとした。

イー・モバイルの事業戦略。モバイルブロードバンド通信自体では大手ISPと提携、アプリケーションや放送とデータのシームレスサービスなどの分野でTBSと協力していく
イー・モバイルの事業戦略。モバイルブロードバンド通信自体では大手ISPと提携、アプリケーションや放送とデータのシームレスサービスなどの分野でTBSと協力していく
TBSテレビ 専務取締役の城所賢一郎氏
TBSテレビ 専務取締役の城所賢一郎氏

TBS側から見た資本提携のメリットについて、(株)TBSテレビ 専務取締役の城所賢一郎(きどころ けんいちろう)氏は、前提として「メディアの世界が大きな変化の時代を迎えている」としたうえで、モバイルブロードバンドは将来有力なパーソナル情報端末になると予測され、映像や音楽だけでなくデータ的なものも提供したいと述べた。また裏話として城所氏は、イー・アクセスが創業する前にも千本氏らからTBSに対して出資の打診があったが、当時は時期尚早として断わったという話を披露したうえで、モバイルブロードバンドに関しては、「最初から関わることで、TBSとしても面白いことができるのではないか」と述べた。

資本提携を機に両社は、共同で“モバイルブロードバンド・コンテンツ戦略推進委員会”(仮称)を結成して、放送と通信の統合サービスの実現に向けた検討を行なう予定としている。具体的に両社で何をするというのが、現時点で決定しているわけではないようだ。発表では1セグメント放送への対応や、モバイルブロードバンドに対応したコンテンツサービスの企画、番組連動型サービスの提供などを例として検討していくという。また発表の際に示されたスライドでは、TBSがコンテンツをイー・モバイルに提供し、イー・モバイルはTBSにコンテンツ料を支払い、携帯端末向けにコンテンツ配信を行なう。これにより放送事業者にとっては、新しい収入源が確保できるとしていた。なおイー・モバイル・TBSのいずれも、それ以外の事業者には門を閉ざすというわけではないという。またTBSはモバイル以外のブロードバンドへの展開についても検討していて、TBS執行役員 メディア推進局長の原田俊明氏は、固定系でも年内にビデオオンデマンドによるコンテンツ配信を行ないたいとした。



イー・モバイルとTBS、コンテンツ権利者やスポンサー企業などによるビジネスモデルの模式図 イー・モバイルとTBSの協業によるサービスの例。イー・モバイルの携帯電話サービス用端末に、TBSが1セグメント放送によるリアルタイム放送や、通信ネットワーク経由でのVOD配信を行なう
イー・モバイルとTBS、コンテンツ権利者やスポンサー企業などによるビジネスモデルの模式図イー・モバイルとTBSの協業によるサービスの例。イー・モバイルの携帯電話サービス用端末に、TBSが1セグメント放送によるリアルタイム放送や、通信ネットワーク経由でのVOD配信を行なう

イー・モバイルの現時点での資本金および資本準備金の総額約303億円は、ほとんどがイー・アクセスからの出資である。ここにTBSからの資本提携100億円を加わると、総額は400億円に達する。しかしイー・アクセス代表取締役社長兼COOの種野晴夫氏は、イー・モバイルの目指す資本規模を1000億円と語り、また千本氏の発表でも、イー・モバイルへの出資者はイー・アクセスとTBSだけでなく、それ以外の戦略的パートナーが記されていた。戦略的パートナーがどこかについては、交渉中とのことで具体的には明かされなかったが、TBSのような大手放送事業者ではなく、別種の魅力的なコンテンツを保有する事業者のようだ。

イー・モバイル自体のロードマップでは、本年末に1.7GHz帯での事業免許を取得し、2006年度中に携帯電話でのデータサービスを開始。2008年には音声サービス開始というスケジュールとなっている。TBSとの放送と通信の統合サービスは、具体化し実施されるのは2007年からとされている。

イー・モバイルの事業展開ロードマップ
イー・モバイルの事業展開ロードマップ

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