(株)ウィルコム、(株)ジュピターテレコム、国立大学法人の東京農工大学は31日、ケーブルテレビ(CATV)ネットワークを利用したモバイルサービスに関する研究開発を行なうと発表した。独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)から“ケーブルテレビネットワークにおけるモバイル端末接続技術の研究開発”の委託先に選定され共同で行なうもので、期間は9月から2007年3月までの予定。
研究開発は、既存のケーブルテレビネットワークを利用してIPベースのモバイルサービスに必要な技術を開発することが目的。課題は、- ケーブルテレビネットワークから基地局同期信号を抽出するための技術の開発
- ケーブルテレビネットワークに接続するための基地局インターフェースの開発
- ケーブルテレビネットワークに試作基地局を接続した試験サイトの構築
- 試験フィールドにおけるPHSサービスの実用性の検証
など。
研究開発により、PHSの持つモバイルと固定通信の統合サービスを既存のケーブルテレビネットワーク上で実現したり、ISDN網に依存せずにPHS局を展開したりできることが期待できるとしている。
なお、情報通信研究機構が研究を委託する“平成17年度 高度通信・放送研究開発に係わる研究開発委託先の決定について”における研究開発にはほかに、“異なる運用ポリシーや異なるアーキテクチャーのサービスが連携し、高付加価値サービスを提供できるためのサービス連携基盤技術の研究開発”、“異なるCA間の認証ローミング技術に関する研究開発”、“インターネットにおけるトレースバック技術に関する研究開発”、“誰でも使用、改良、評価できる安全な電子透かし技術の研究開発”、“大容量データの安全な流通・保存技術に関する研究開発”、“異種ネットワーク相互接続環境下における最適情報通信サービス実現のための制御技術の研究開発”、“ユビキタスITSの研究開発”、“高機能フォトニックノード技術の研究開発”がある。