日本電気(株)とNECパーソナルプロダクツ(株)は6日、デスクトップパソコン“VALUESTAR(バリュースター)”シリーズの2005年秋冬モデルとして、デュアルコアCPUの排熱に対応する上下セパレート設計の第3世代水冷システムを搭載した水冷パソコンの新製品『VALUESTAR X』(2製品)など、4シリーズ13製品を今月中旬に発売すると発表した。価格はすべてオープンプライス。なお、同時に発表されたノートパソコン“LaVie(ラヴィー)シリーズ”の詳細は、こちらのニュース記事を参照いただきたい。
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筐体を一新した新水冷デスクトップ『VALUESTAR X』の上位機種、『VX980/DD』 |
2005年秋冬モデルのVALUESTARで強化・改良したポイントとしては(一部はノートパソコン“LaVie”とも重複するが)、
- AV機能の強化
- 画質向上や搭載する液晶ディスプレーの改善
- ネットワーク視聴の強化
- ユーザーの見たいストリーミング映像を簡単操作で見せるため、“MediaGarage(メディアガレージ)”でのストリーミング映像の視聴を可能に
- 快適操作
- AV機能をリモコンで操作可能にしたほか、“インスタント機能”でも録画が可能に
- 高性能の追求
- 第3世代水冷システムの搭載
の4点が挙げられる。
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『VALUESTAR W』 | 『VALUESTAR L』 | |
“スーパーシャインビューEX2”液晶パネルを採用したモデルの例 |
VALUESTARシリーズでは、新シリーズXの上位モデルとWの20インチタイプ、Lの上位2製品に、高輝度(450cd/m2)&高速応答速度(8ms以下)で色の表現力を示す“色度域”がNTST比で約72%と広くなった“スーパーシャインビューEX2”液晶パネルを採用。今回発表されたVALUESTARは全機種がTV視聴・録画機能を持つが、そのすべてに高画質エンジン“VISITAL(ビジタル)”の強化版を搭載した。これはハードウェアは従来から変更ないが、ソフトウェア面を強化し、斜め線のジャギー(ギザギザ)や動きの補間、エッジエンハンス(輪郭強調)、ノンリニアスケーリング(中央はあまり拡大せず左右端ほど引き伸ばすことで、4:3の映像を16:9の画面で自然に見せる)、長時間録画での再生画質の向上(毎秒30フレームで記録しておき、再生時に補間して毎秒60フレームで見せる)などの改良を加えたもの。さらに、XとLの上位1機種ずつに地上デジタル放送/BS・110度CSデジタル放送対応モデル、Xの下位機種とW、SRの上位3機種、Lの中位2機種はWチューナーを搭載するなど、TV視聴・録画の使い勝手を向上させている。ちなみに、2番組同時録画はW(2機種)を除く6機種で可能。さらに、SRの上位3機種とL(5機種)は“インスタント視聴・録画”にも対応する(Wは“インスタント視聴”のみサポート)。
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BIGLOBEのストリーミングサービス“BIGLOBEストリーム”に、新たに開設される“NEC PCスペシャル” (C)東北新社 |
MediaGarageの改良は、ストリーミング映像の視聴機能を追加したことを差す。今回の新製品発表と同時に、同社のインターネットサービス事業“BIGLOBE(ビッグローブ)”と連動するサービス展開も発表し、ニュース/エンタテインメント/映画予告編/韓国ドラマ/お宝映像などが配信される専門チャンネル“NEC PCスペシャル”を開設した、とのこと。
新設計の水冷システムにより、フル稼働でも30dBを実現
――VALUESTAR X
VALUESTAR Xの主なスペック
- VX980/DD
- 新筺体/Pentium D 820-2.80GHz/Intel 945G/PC2-4200対応DDR2 SDRAM 512MB(最大2GB)/NVIDIA GeForce 6200 with TurboCache(256MB)/約600GB(約200GB×3) HDD/DVD±R DL対応スロットインDVDスーパーマルチドライブ/VISITAL搭載地上デジタル&BS・110度CSデジタル対応TVチューナー&ハードウェアMPEG-2エンコーダー/20インチWSXGA+(1680×1050ドット)“スーパーシャインビューEX2液晶”ディスプレー付属
- 35万円前後
- VX700/DD
- 新筺体/Pentium D 820-2.80GHz/Intel 945G/PC2-4200対応DDR2 SDRAM 512MB(最大2GB)/チップセット内蔵機能/約480GB(約160GB×3) HDD/DVD±R DL対応スロットインDVDスーパーマルチドライブ/VISITAL搭載ダブルTVチューナー&ハードウェアMPEG-2エンコーダー/17インチSXGA(1280×1024ドット)SoundVu対応デジタル液晶ディスプレー付属
- 27万円前後
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『VALUESTAR X』の普及モデル、『VX700/DD』 |
従来“VALUESTAR TX”(Intel CPU搭載)と“VALUESTAR TZ”(AMD CPU搭載)が、ほぼ交互に登場してきた水冷デスクトップだが、この秋冬モデルではシリーズ名を“VALUESTAR X”に改名し、デュアルコアのPentium D搭載になっての登場となる。水冷機構+Pentium Dの一番乗りは、同社の直販専用モデル『VALUESTAR G タイプC』が8月中に発表されているが、店頭モデルとしてはこれが初となる。
TX/TZまでの黒い樹脂性の表情から一変し、アルミ素材(熱効率の向上)&プラスチックパーツ(静音性の向上)による2層のデザインに変貌を遂げたVALUESTAR Xの新型筐体は、上部にラジエーター機構、下部に電源ユニットとセパレートに配置することで冷却効率の向上を図ったという。具体的には、上部ユニットの後方に水冷ユニットを配置し、側面後部に排気口を集中させた。一方、前面パネルにはパンチングメタルを配置し、冷たい空気の取り入れとともに、デザイン上の高級感を醸す役目も果たしていると説明。下部から冷たい空気を取り入れ、熱せられた空気を上部から逃がすことで、エアフローファンを排除でき、CPUのフル稼働時でも30dBの静音性を実現したとしている(従来は電源ファンの“熱を含む排気”をラジエーターの冷却に利用していたため、冷却効率が上がりにくかった)。
標準で3台のHDDを内蔵する点も、メーカー製モデルとしては珍しい。これはRAIDなし、もしくはRAID 0として合計約600GB(下位モデルは約480GB)としても使えるし、冗長化データを書き込むことでディスク破損時にも復旧が容易なRAID 5を組むこともできる(この場合、使える容量は約400GB=2台分相当になる)。
上記以外の主なスペックは、通信機能に10/100/1000BASE-T準拠のGigabit Ethernet、V.90準拠の56kbpsファクスモデムを内蔵。インターフェースは、USB 2.0×7/IEEE 1394(4ピン)×2/PS/2×2/DVI-I(VX980/DD)もしくはアナログRGB(ミニD-Sub15ピン)&DVI-D(VX700/DD)/ビデオ入力(S-Video×2/コンポジット×2)/オーディオ入出力(光デジタル出力含む)など。拡張スロットは、PCI Express x16×1、PCI Express x1×1、PCI×3、ExpressCard/54(同/34としても利用可能)×1、PCカード(Type II×1、CardBus対応)、トリプルメモリースロット×1(SDメモリーカード/メモリースティック(PRO対応)/xDピクチャーカード対応)。ドライブベイは3.5インチ×4(空き1)、5インチ×2(空き1)。
消費電力は標準約124W(VX700/DDは約112W)/最大約256W(同約273W)/スタンバイ時約4W(同約3W)。本体サイズと重量は、幅188×奥行き508×高さ405mm/約17kg。プレインストールOSはWindows XP Home Edition SP2。
