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インテル、エンタープライズ向けプラットフォームの最新ロードマップについて説明――デュアルコアCPU搭載試作機をISV向けに貸し出すプログラムも準備

2005年08月18日 23時24分更新

文● 編集部 小西利明

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インテル マーケティング本部 エンタープライズ プラットフォーム マーケティング統括部長の平野浩介氏
インテル マーケティング本部 エンタープライズ プラットフォーム マーケティング統括部長の平野浩介氏

インテル(株)は18日、報道関係者を集めたミーティングを開催し、エンタープライズ向けのプラットフォームやCPUの最新ロードマップについて説明を行なった。

説明を行なったマーケティング本部 エンタープライズ プラットフォーム マーケティング統括部長の平野浩介氏は、同社が近年掲げているプラットフォーム戦略について語った。プラットフォーム戦略とは何かを簡単におさらいすると、インテルの中核ビジネスたるCPUだけでなく、コンピューターのコアコンポーネントであるチップセットやネットワークコントローラー、さらにはそれらに実装される新しい技術をまとめて“プラットフォーム”として扱うことで、半導体単体だけでは実現できない利点や付加価値を実現しようというものだ。平野氏はプラットフォームとそれを含むソリューション全体の図を挙げ、インテルが実装に取り組む分野として、CPUやチップセットなどの半導体、ハイパースレッディングテクノロジーやバーチャライゼーションテクノロジーなどの“*Ts”(スターティーズ)と呼ばれるテクノロジーの開発、加えて各種テクノロジを利用するためのプラットフォームレベルのソフトウェアの開発も、インテルが行なうとした。

プラットフォーム戦略の全体と、インテルが実装を担当する分野。それ以外の分野はインテルと他社との協業により実現されるとしている
プラットフォーム戦略の全体と、インテルが実装を担当する分野。それ以外の分野はインテルと他社との協業により実現されるとしている

本ミーティングの目玉は、エンタープライズ向けプラットフォームに“プラットフォーム・コンポーネント・ナンバー”と呼ばれる、ある種のモデルナンバーが採用されることの発表であった。来年のエンタープライズ向けデュアルコアCPUから採用されるこのナンバーは、4桁の数字で構成され、そのコンポーネントにどのようなテクノロジーが実装されているかを示すものになるという。“CPU”ではなく“コンポーネント”と称しているのは、CPUだけでなくチップセット等でも同種のナンバーが採用されるためと思われる。ナンバー採用後のCPUの名称は、“Itanium 2 9xxx”のようになり、クロック周波数やキャッシュメモリー容量は名称から消えることになる。具体的なナンバーの割り振りは以下のとおり。ただしナンバーの3桁目以降が、何を意味するようになるのかは発表されていない。

     
  • Itanium 2 9000番台
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  • Xeon マルチプロセッサー向け 7000番台
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  • Xeon デュアルプロセッサー向け 5000番台
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  • エンタープライズ向けシングルプロセッサー(Pentium Dなど) 3000番台
エンタープライズプラットフォームのナンバー割り振り
エンタープライズプラットフォームのナンバー割り振り

また平野氏は「今年は64bitの年だったが、今年から来年にかけてはマルチコアの年になる」として、エンタープライズからモバイルまで、17ものマルチコアプロジェクト(うち3種は製品化済み)が進行しているとした。エンタープライズ向けCPUのロードマップでは、まずXeonプロセッサシリーズについての説明が行なわれた。最高性能を追求する(消費電力も高い)製品群では、現行のXeon(Irwindale:アーウィンデール)に続いて、年内に“Paxville DP”(パックスヴィル ディーピー)のコード名で呼ばれるデュアルコアCPUが、スケジュールを前倒しして今年後半に登場する。2006年前半にはデュアルコアCPUの“Dempsey”(デンプシー)、後半には“Woodcrest”(ウッドクレスト)が投入を予定されている。消費電力についての要求が厳しいラックマウントサーバー分野向けには、今年後半に現行Irwindaleの“MV”(Mid Voltage:中電圧)版が投入される。MV版は通常版に比べてクロック周波数がやや下がるとのことだ。こちらは2006年前半に“MV Dempsey”が、2006年後半には“Woodcrest”が用意される。さらに低消費電力を重視する高密度ブレードサーバー向けには、年内に“LV”(Low Voltage:低電圧)版のIrwindaleが投入される。そして2006年には“LV Sossaman”(エルブイ ソーサマン)という新しいデュアルコアCPUが投入される予定だ。Sossamanはモバイル用CPUをサーバー向けに投入すると平野氏は述べており、2006年前半に登場するデュアルコア版Pentium M“Yonah”のサーバー版と目されている。平野氏はこれらの投入により、消費電力当たりの性能は現行Irwindaleのプラットフォームと比べて、Dempsey世代では倍に、低電力化を実現するWoodcrest世代ではさらに倍に向上すると述べている。

Xeonシリーズの今年後半から来年にかけてのロードマップ。青色のCPUはデュアルコア版であり、現行のIrwindale以降はすべてデュアルコアになる
Xeonシリーズの今年後半から来年にかけてのロードマップ。青色のCPUはデュアルコア版であり、現行のIrwindale以降はすべてデュアルコアになる

また今年以降のプラットフォームロードマップでは、デュアルコアCPUとハードウェア仮想化技術“インテル・バーチャライゼーション・テクノロジ”(VT)、遠隔管理技術“インテル・アクティブ・マネジメント・テクノロジ”(iAMT)が実装されるというプランが示された。このプラン自体は従来同様だが、平野氏はデュアルコアCPUとVTをサポートしたプラットフォームについて、「2つのOSを同時に動かすことができる。Windows系を2つ動かしてもいいし、簡易版Linuxを1つのパーティションで動かして、VTの機能を使って分離し、Linux側でシステム管理やセキュリティーを常に動かす」といった例を挙げて、現状のシステムや仮想マシンソフトウェアよりも強固で信頼性のある環境を構築できるとした。

Itanium 2からモバイルCPUまでの、各コンポーネントとプラットフォーム、実装される技術のロードマップ 今年、および来年の、カテゴリー別のプラットフォーム技術のロードマップ。iAMTやグラフィックス機能には、次世代版が登場するようだ
Itanium 2からモバイルCPUまでの、各コンポーネントとプラットフォーム、実装される技術のロードマップ今年、および来年の、カテゴリー別のプラットフォーム技術のロードマップ。iAMTやグラフィックス機能には、次世代版が登場するようだ

また同社では夏から秋にかけてデュアルコアプラットフォームの推進のために、“シードプログラム”と称して、Itaniumシリーズ(Montecito:モンテシト)やXeonシリーズ(PaxvilleまたはDempseyと思われる)のデュアルコアCPUを搭載する試作機を、ソフトウェアベンダーや先進的なエンドユーザーに貸し出すというプログラムを実施するという。これにより、来年本格的に投入されるエンタープライズ向けデュアルコアCPUとプラットフォームに、企業ユーザーが迅速に対応していくことを促進する。

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