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カノープス、LAN接続型TVチューナーや低価格ノンリニアビデオ編集ソフトなど、5製品を一挙に発表!

2005年08月10日 20時51分更新

文● 編集部 小西利明

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LANにつながったパソコンにTV映像を配信する『DNT-888L』の動作デモ
LANにつながったパソコンにTV映像を配信する『DNT-888L』の動作デモ

カノープス(株)は10日、TVチューナー/キャプチャー関連の新製品5製品を同時に発表した。LAN接続型のTVチューナーユニットなど、注目の製品が目白押しである。

世界初?LAN接続型TVチューナー『DNT-888L』

内蔵MPEG-2エンコーダーでTV放送をエンコードし、LAN内のパソコンに配信する『DNT-888L』 DNT-888Lの基本的な使用イメージ。TVアンテナをつないだDNT-888Lをルーターに接続。(有線/無線問わず)同じLAN内にあるパソコンにMPEG-2映像を配信する
内蔵MPEG-2エンコーダーでTV放送をエンコードし、LAN内のパソコンに配信する『DNT-888L』DNT-888Lの基本的な使用イメージ。TVアンテナをつないだDNT-888Lをルーターに接続。(有線/無線問わず)同じLAN内にあるパソコンにMPEG-2映像を配信する

新製品の中でも注目なのが、LAN接続型TVチューナーユニット『DNT-888L』である。本体内にTVチューナーとハードウェアMPEG-2エンコーダーを搭載し、エンコードしたTV映像をLAN内のパソコンに配信して、パソコン側でTVの視聴/録画が可能になるという製品だ。パソコン本体にTVチューナーがなくても、TVパソコンの機能を実現可能になる非常におもしろい製品である。映像の視聴/録画には、本体付属のAVコントロールソフト『FEATHER 2005』(Windows XP Home Edition/Professional用)を、パソコン側にインストールして使用する。ネットワークの帯域さえ十分であればいいので、有線LANだけでなく無線LAN(IEEE 802.11a/gが推奨されている)経由での接続でも利用できる。配信映像のビットレートは、2~8Mbpsとされている。DNT-888Lが同時に映像を配信できるのは1台までとなっているため、複数のパソコンで同時に視聴することはできない。またLANの外への配信はサポートされていない。

TVチューナー周りには、高画質化を重視したパーツが多数盛り込まれている。MPEG-2エンコーダーチップには、オランダのロイヤル・フィリップス・エレクトロニクス社製“SAA6752”を搭載している。これはカノープスのTVチューナーカード『MTV2004HF』などでも採用された高性能エンコーダーチップとのこと。TVチューナー自体も、高画質を重視したソニー(株)製スプリットキャリアチューナーを採用している。本体背面にはTVアンテナ入力に加えて、Sビデオやコンポジットビデオの入力端子も用意されている。

DNT-888Lの内部写真と使用パーツ。同社の高画質TVチューナーで使用しているのと同じものを採用した DNT-888Lの背面端子部の説明
DNT-888Lの内部写真と使用パーツ。同社の高画質TVチューナーで使用しているのと同じものを採用したDNT-888Lの背面端子部の説明

動作対象となっているのはWindows XPベースのパソコンのみであるが、DNT-888L自体はHTTPサーバーとして動作しているため、理論的にはOSには依存しない。新製品説明会でも“動作保証外”と強調されはしたものの、MPEG-2ビデオストリームを受信/再生するフリーソフト『VLC media player』を使い、Mac mini上でTV放送を視聴するデモも披露されていた。

価格はオープンプライス。予想実売価格は3万9800円前後と想定されている。発売日は9月8日の予定。

WMVやDivXにも対応した低価格な
ノンリニアビデオ編集ソフト『超編Ultra EDIT2』

『超編Ultra EDIT2』のパッケージイメージ 超編Ultra EDIT2の画面
『超編Ultra EDIT2』のパッケージイメージ超編Ultra EDIT2の画面

2004年9月の発売以来、好評を博していた同社のノンリニアビデオ編集ソフト『超編Ultra EDIT』がバージョンアップされ、新たに『超編Ultra EDIT2』となって登場した。新製品では従来のMPEG-2/DV AVIのリアルタイム編集機能に加えて、新たにWindows Media Video(WMV)やDivX形式のビデオ映像の編集も可能になった。異なるフォーマットの映像ソースを混在させて、トランジションや小画面合成などを加えたビデオ映像を作成可能である。入力ソースにはこれらのほかに、WindowsのDirect Showを利用して出力を行なえる映像形式(XVIDやMPEG-4)なども利用できる。また音声形式ではAC-3オーディオ形式の入力にも対応した(出力は不可)。

リアルタイム編集を特徴としているだけあって、3GHz程度のPentium 4搭載機でも非常に高速に編集処理が可能である。またカナダViXS Systems社のMPEG-2エンコーダーチップ“XCodeII”シリーズを搭載するカノープス製TVチューナー製品(MTVX-WHF、MTVX-SHF)を搭載したパソコンでは、XCodeIIを利用したハードウェア支援での高速なトランスレート(MPEG-2のビットレート変換、所要時間は実時間の4分の3程度とのこと)も可能となっている。また9月下旬には、編集時に映像合成用トラック(Insert AV)を4本まで増やすアップデーターが無償で提供される予定とのことだ。

超編Ultra EDIT2の動作デモの様子。DV AVIとMPEG-2の映像を1本のビデオにまとめたうえ、別のMPEG-2映像を小画面風にはめ込んでいる
超編Ultra EDIT2の動作デモの様子。DV AVIとMPEG-2の映像を1本のビデオにまとめたうえ、別のMPEG-2映像を小画面風にはめ込んでいる

対応OSはWindows XP Home Edition/Professional(SP1以降)とWindows 2000(SP3以降)。最低動作環境はPentium III-800MHz以上、メモリー256MB以上など。発売予定日は9月8日。価格(税込み)は以下のとおり。従来製品が通常版パッケージで1万9800円(税別)だったのに比べると、5000円ほど低価格化されている。

超編Ultra EDIT2
1万5540円
超編Ultra EDIT2 アップグレード版
5040円
超編Ultra EDIT2 優待版
1万290円
超編Ultra EDIT2 with ACEDV
3万6540円
超編Ultra EDIT2 with ACEDV-M
1万7640円
超編Ultra EDIT2 with StormXA
オープンプライス(予想実売価格 5万4800円前後)
超編Ultra EDIT2 with MTVX2005 (1000本限定セット)
オープンプライス(予想実売価格 2万4800円前後)

そのほかの新製品

阪神タイガース仕様の小型USB TVチューナー『豆ちゅータイガース』。ノートパソコンとこれを使って、球場でもTV観戦だ!?
阪神タイガース仕様の小型USB TVチューナー『豆ちゅータイガース』。ノートパソコンとこれを使って、球場でもTV観戦だ!?

関西メーカーらしい新製品として、阪神タイガース仕様の小型USB TVチューナーユニット『豆ちゅータイガース』が発表された。球団公認の商品で、ライター程度の大きさの本体には阪神タイガースのマークが刻印されている。また付属のTV視聴/録画アプリケーションにも、阪神のマークが入っているという凝りようだ。1000台限定の商品で、本体にはシリアルナンバーも刻印される。

パソコンとの接続はUSB 2.0を使用する。エンコードはソフトウェア側で行なう。ロッド型アンテナも付属しているので、同製品とノートパソコンを使った屋外でのTV視聴も可能である。対応OSはWindows XP Home Edition/Professional。価格はオープンプライスで、予想実売価格は9800円前後。発売予定日は9月8日とされている。

ハードウェアMPEG-2エンコーダーまで内蔵したPCカード型TVチューナーカード『板ちゅーGOLD』
ハードウェアMPEG-2エンコーダーまで内蔵したPCカード型TVチューナーカード『板ちゅーGOLD』

PCカード型TVチューナーカードは多数の製品が販売されているが、新製品の『板ちゅーGOLD』は、カード型ユニット内にハードウェアMPEG-2エンコーダーまで内蔵した異色のTVチューナーカードである。3次元Y/C分離回路や3次元ノイズリダクションなどの高画質化回路も備えており、TV録画機能付きノートパソコン並み以上のTV視聴/録画環境を実現できる。インターフェースはCardbusを使用する。TV視聴/録画アプリケーションには、付属の『FEATHER 2005』を使用する。またDVD作成ソフト『Nero Vision Express 3』も付属する。

対応OSはWindows XP Home Edition/Professional。価格はオープンプライスで、予想実売価格は1万7800円前後。発売予定日は9月8日。

RADEON X700SEを搭載し、D4映像出力に対応したファンレスPCI Expressグラフィックスカード『MTVGA X700SE』
RADEON X700SEを搭載し、D4映像出力に対応したファンレスPCI Expressグラフィックスカード『MTVGA X700SE』

『MTVGA X700SE』は、同社が最近力を入れている、ファンレス&D4映像出力に対応したグラフィックスカードである。搭載するGPUはカナダATIテクノロジーズ社の“RADEON X700SE”で、搭載ビデオメモリーは256MB。パソコンとの接続インターフェースはPCI Express x16を使用する。

冷却ファンは搭載せず、GPU上には大型のヒートシンクが取り付けられており、ヒートパイプで背面部の放熱版にもつながっている。出力端子には、DVI-I端子とアナログRGB出力端子、TV出力端子の3系統を備える。D4端子付きのTVに接続する場合は、付属のケーブルを使用する。

付属ソフトとしては、FEATHER 2005やNero Vision Express 3が添付されている。対応OSはWindows XP Home Edition/Professional(SP1以降)。価格はオープンプライスで、予想実売価格は2万1800円前後。発売予定日は9月8日である。

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