(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは、ブース内に設けられたイベントスペースで、昨日発表した組み込み用基板“FOMA AVユニット”を、プロダクト&サービス本部 プロダクト部 第五商品企画担当課長の入鹿山 剛堂(いるかやま ごうどう)氏が、デモを交えて紹介した。
左上から時計回りに、FOMA AVユニット、FOMA AVユニットの評価用ペリフェラルボード(別売りの開発キットに含まれる)、FOMA AVユニットの実装例である遠隔モニターカメラ |
入鹿山氏 | FOMAで操作されている掃除機ロボット。背後のスクリーンには、入鹿山氏の手元のFOMAに映し出されている画像、すなわち、ロボットに取り付けられたカメラが撮影している画像が投影されている | |
イベントスペースでは入鹿山氏によって、FOMAのTV電話を使って、FOMA AVユニットを取り付けた市販の掃除機ロボットを操作するデモが行なわれた |
FOMA AVユニットは、FOMAのTV電話機能を使って映像を見ながら家電製品を遠隔操作できるコントローラー『FOMA対応ビジュアルコントローラー』(非売品)に関して昨年行なわれたユーザー1000名によるモニターテストを受けて、開発されたもの。FOMA対応ビジュアルコントローラーには、人感センサーや外部赤外線ポート、各種の外部接続端子が備えられ、モニターがどのような用途で使い、評価するか注目されていた。入鹿山氏によれば、屋内外の防犯(セキュリティー)用途やペット等のモニタリング用途に使用した人の約8割が、引き続いての利用を希望したという。
同社はモニターの結果を受けて、FOMAの応用製品に対する潜在マーケットは大きく、今後さらに拡大する可能性があると見積もったが、製品化にあたっての課題が3つあった。それは、価格、メーカーが製品を開発する場合の技術力/ノウハウ、開発リスク(開発費/期間)だという。特に価格について、一般消費者がホームセキュリティー用途のモニタリングシステムを導入しようと思った場合「予算は4万円以下で、2~3万円がピーク」(入鹿山氏)だが、既存の製品の市場価格は6万円で、市場のニーズと大きくかけ離れているという。
今回のFOMA AVユニットは、この3つの問題をクリアして、メーカーがFOMAのTV電話(AV通信)対応製品を、小型でかつ高機能な仕様で、低価格で、短期間に、しかも簡単に開発できるものとして企画したという。仕様はこちらの記事が詳しいが、現在、CPUとしてSH-Mobile3を搭載しOSとしてμITRONを採用した“SH-Mobile版”と、ARM9系のCPUを搭載しOSとしてLinuxを採用した“Linux版”が予定されており、SH-Mobile版は今年の秋に(株)ハギワラシスコムから、法人向けに発売されることが決まっている。価格は1万円の予定だ。
写真手前は、AOSテクノロジーズ(株)によるペットの給餌機『FOMA対応 iSeePet』、奥はソニー(株)によるモニタリングカメラ『デスクトップ・カメレオンアイ』 | テムザック三洋(株)による家庭用ロボット『ロボリア』。自宅に設置して、不在時に侵入者を検知すると、ロボリアからFOMAにTV電話を自動発信する | |
ドコモはメーカー各社にFOMA AVユニットを使った製品の試作を依頼している |