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Socket939対応Athlon 64特集 Part.2

Socket939対応Athlon 64特集 Part.2

2005年07月13日 02時45分更新

文● 鈴木 雅暢

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ベンチマークテストで検証
消費電力にも注目

 ここでは一般用途の主力であるnForce4 UltraとK8T890の比較をメインに、各種Athlon 64プラットフォームの比較を行なっている。参考にAGPアーキテクチャのK8T800Proの結果も掲載しているが、環境が若干異なる点に注意してもらいたい。

 まず通常の性能面に関しては、チップセット別の差はほとんどないといっていい。Sandra 2005 SR1のメモリテストではわずかにK8T890が劣ってはいるが、Athlon64プラットフォームではメモリコントローラはCPUにあるので、チップセットというよりもマザーボードの個体差によるところが大きい。これくらいならBIOSアップデートなどでいくらでも改善されるので、気にすることはない。HDD性能では、nForce 4 Ultraがサポートする3Gbps転送とNCQの効果が注目されたが、若干NCQの効果が出ているかどうかといったところ。今回は3Gbps転送対応のHDDとして日立GSTのDeskstar 7K80を利用したが、3Gbpsと1.5Gbpsの差は見られなかった。メモリが影響してか他の項目でも少し差はあるものの誤差として処理してもおかしくないレベルといえる。

●主なSocket939対応Athlon 64プラットフォームの仕様比較

チップセット名nForce 4 SLInForce 4 UltranForce 4K8T890K8T800 Pro
グラフィックス
インターフェイス
PCI Express x16
(SLI時PCI Express x8×2)
PCI Express x16PCI Express x16PCI Express x16AGP 8x
NVIDIA SLI対応
PCI Express x1サポート4本4本4本4本
サウスブリッジ
(ワンチップに統合)

(ワンチップに統合)

(ワンチップに統合)
VT8237RVT8237
パラレルATAUltra ATA/133×2Ultra ATA/133×2Ultra ATA/133×2Ultra ATA/133×2Ultra ATA/133×2
シリアルATAシリアルATA II/300×4シリアルATA II/300×4シリアルATA/150×4シリアルATA/150×2シリアルATA/150×2
RAIDRAID 0/1/0+1
(シリアルATA/パラレルATA)
RAID 0/1/0+1
(シリアルATA/パラレルATA)
RAID 0/1/0+1
(シリアルATA/パラレルATA)
RAID 0/1
(シリアルATAのみ)
RAID 0/1
(シリアルATAのみ)
内蔵LAN1000BASE-T1000BASE-T1000BASE-T100BASE-TX100BASE-TX
USB10ポート10ポート10ポート8ポート8ポート

 注目したいのは消費電力だ。まずはK8T800ProとK8T890の差に注目してほしい。アイドル時を含めて、すべてのステータスでK8T890のほうが、20W以上も電力を大きく消費している。マザーボードのメーカーが違うとはいっても、これだけ違えばチップセットに依存するものと考えていいだろう。PCI Express周りの本質的な電力消費の大きさ、そしてパワーマネジメント処理の熟成度が関連していると思われる。また、nForce4 UltraとK8T890では、2チップ構成をとる後者のほうが、若干電力消費が大きいようだ。これまで「Athlon 64はPentium 4よりもずっと省電力だ」といわれてきたが、それはプラットフォームがPCI Expressに対応していなかったことも大きかったということなのだろう。

 また、NVIDIA SLI構成時の電力消費も参考にしてほしい。Cool'n'Quietを有効にしたまま3Dゲームを実行するとシングルGPU時よりもパフォーマンスが大きく低下する。前ページで検証したように基本的にCool'n'Quietのオン/オフは性能に影響しないが、NVIDIA SLIとの相性は良くないようだ。もっとも、電源のプロパティで切り替えればいいだけなので、ゲームをするときだけオフにしておけばいいだろう。

テスト環境

マザーボード
ASUSTeK A8N-E(nForce 4 Ultra)、ASUSTeK A8V-E Deluxe NW(K8T890)、ASUSTeK A8N-SLI Deluxe(nForce 4 SLI)、MSI K8T Neo2-FIR(K8T800Pro)
メモリー
PC3200 DIMM 512MB×2(3-3-3-8)
グラフィックスカード
Extreme N6600GT(128MB)、GeForce FX5900XT(128MB、K8T800Proのみ)
HDD
HGST Deskstar 7K80
光ドライブ
HL-DT-ST GSA-4163B
電源
ENERMAX EG-701AX-VE(600W)
OS
Windows XP Professional SP2(32bit)
ドライバー
nForce Driver 6.53、ForceWare 71.81
掲載当初、テスト環境のマザーボード名、電源を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします(2005年7月14日)。

ベンチマークテストの結果

●システム性能(PCMark04 1.3.0)

PCMark04 1.3.0
PCMark04 1.3.0の総合スコア。ファイル圧縮/解凍、暗号化/解読、ウイルススキャン、Webページ表示などのテストを含む。K8T800Proは機材の都合上ビデオカードが違っているが、2D処理がほとんどのため、あまり影響していないようだ。

●メモリ性能(Sandra 2005 SR1)

Sandra 2005 SR1
メモリコントローラはチップセットの機能ではないが、参考までにSandra 2005 SR1でメモリ帯域を計測している。レイテンシは3-3-3-8で、BIOSの自動設定で利用している。K8T890のA8V-E Deluxeはまだ熟成の余地がありそうな印象だ。

●3Dゲーム性能

3Dゲーム性能
DOOM3 v1.1(SXGA/HIGH QUALITY/FSAAなし)、大航海時代Online(XGA/32bit/フルスクリーン/最高グラフィックス)の結果を掲載している。NVIDIA SLIの効果は、DOOM3では42%、大航海時代は非対応。チップセットの差は特に見られない。

●消費電力

各ステータスの消費電力をサンワサプライのワットチェッカーで計測。K8T800Proで利用しているFX5900XTは、3Dゲーム時以外の消費電力は6600GTより少し高い程度。PCI Expressプラットフォームの消費電力の高さが目立つ結果となっている。
アイドル時Webブラウズ時3Dゲーム時エンコード時
nForce 4 SLI
/GeForce 6600GT×2
119W127W216W154W
nForce 4 SLI
/GeForce 6600GT×2
(C'n'Qオン)
110W118W167W154W
nForce 4 Ultra
/GeForce 6600GT
93W104W171W129W
nForce 4 Ultra
/GeForce 6600GT
(C'n'Qオン)
86W93W167W128W
K8T890
/GeForce 6600GT
102W113W176W135W
K8T890
/GeForce 6600GT
(C'n'Qオン)
91W104W175W135W
K8T800pro
/GeForce FX5900XT
76W84W152W105W
K8T800pro
/GeForce FX5900XT
(C'n'Qオン)
65W76W150W104W

●HDD性能(PCMark04 1.3.0)

PCMark04 1.3.0
PCMark04 1.3.0に含まれるHDD Test Suitesの結果。NCQをサポートするnForce4 Ultraのスコアが若干良いが、その差はごくわずか。特に気にする必要はないレベルだ。掲載は割愛したが、1.5Gbpsモードと3Gbpsモードの差もなかった。

●64bit画像処理(Panorama Factory V3.3)

Panorama Factory V3.3
Panorama Factory V3.3のパノラマ画像作成時間を計測。Windows XP Professional x64 Edition RC2の動作テストを兼ねてテストしたが、どれもドライバなども問題なく正常に動作した。メモリ性能の影響で若干の差はついたが、大きな差ではない。

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