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「Powerは今、ユビキタスな状態になっている」――日本IBM、“Power Everywhere Forum 2005”を開催

2005年07月07日 18時29分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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日本アイ・ビー・エム(株)は8日、東京・表参道の青山ダイヤモンドホールにおいて、同社が推進する“Powerアーキテクチャー”の開発者/ユーザー向けイベント“Power Everywhere Forum”を開催した。同会場では、サーバー/スーパーコンピューター向けCPU『POWER 5』の導入・活用事例などを紹介する“POWER5コンファレンス”も同時開催されている。

米IBM社のセミコンダクター/OEM/システム&テクノロジーグループ担当副社長のトム・リーヴス氏
米IBM社のセミコンダクター/OEM/システム&テクノロジーグループ担当副社長のトム・リーヴス氏

最近では米アップルコンピュータ社がCPUをPowerPCから米インテル(Intel)製に切り替える路線変更を発表しているが、次世代家庭用ゲーム機(PlayStation 3/Xbox 360)をはじめとする家電製品への浸透が着実に進んでおり、このイベントでも来場者に最新ゲーム機(PlayStation 2/Xbox/GameCube)が当たる抽選会を行なうなど、家庭用ゲーム機との親和性の高さを積極的にアピールしていた。

デュアルコアの『PowerPC 970MP』のコア写真 Powerアーキテクチャーが採用されている製品の数々
デュアルコアの『PowerPC 970MP』のコア写真Powerアーキテクチャーが採用されている製品の数々
スーパーコンピューターでは、演算能力のトップ10のうち6製品をPowerアーキテクチャー採用機種が占める
スーパーコンピューターでは、演算能力のトップ10のうち6製品をPowerアーキテクチャー採用機種が占めるという

午後のセッションに登場した、米IBM(International Business Machines)社のセミコンダクター/OEM/システム&テクノロジーグループ担当副社長のトム・リーヴス(Tom Reeves)氏は、まず当日発表されたデュアルコア版の『PowerPC 970MP』のコア写真を披露。続いて、「最も遠くに行った(Powerアーキテクチャーの)例としては火星(探索機)のマーズ・ローバー(スピリット&オポチュニティ)がある。もっと身近なところでは基地局のベースステーション/ルーター/スイッチなどに多く使われている」と示し、さらに身近なところで家庭用ゲーム機やHDD&DVDレコーダー、STB(セットトップボックス)などのデジタル家電にもPowerアーキテクチャーが広く普及していることを紹介した。特にゲーム機の世界では大成功を収め、現時点でも全世界で2億3600万ユニットを出荷し、2008年までに家庭用ゲーム機の半数をPowerアーキテクチャーが占めるだろうと予測。特に今後出てくる家庭用ゲーム機についてはインターネットへの接続機能が重視(標準搭載)されるため、2008年にはインターネットに接続できる家庭用ゲーム機が1億2600万台出荷されると見通しを示した。



最も遠くに行った“Powerアーキテクチャー”搭載機として、火星探査機を紹介 家電製品にもPowerアーキテクチャーが幅広く採用されていることをアピール
最も遠くに行った“Powerアーキテクチャー”搭載機として、火星探査機を紹介家電製品にもPowerアーキテクチャーが幅広く採用されていることをアピール

続いて、将来の展望を2003~2005年のセミコンダクター向け投資額(DRAMを除く)のチャートで示した。それによると、IBMを軸にしたPowerアーキテクチャーが170億ドル(約1兆9040億円)。それに続くのが米インテル、Crolles Alliance(米Semiconductor Technology社(STI)/米フリースケール・セミコンダクタ(Freescale Semiconductor)社/オランダ ロイヤル・フィリップス・エレクトロニクス(Royal Philips Electronics)社/台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)社)でそれぞれ126億ドル(約1兆4112億円)。こうした投資によって、今後も順調にゲーム機やHDD/DVDレコーダーなどのCPU/CMOSが開発されていくことを示した。

2003~2005年における、DRAMを除く半導体向け投資額のチャート図
2003~2005年における、DRAMを除く半導体向け投資額のチャート図

リーヴス氏はまとめとして、「Powerは今やどこにでもある。多くの機器に搭載されている。これは“将来に向けてのビジョン”ではなく、すでにユビキタスな状態(そこここに偏在する)になっているということだ。そして、Powerはマルチコアである(当日発表のPowerPC 970MPやBlueGeneを指す)。さらに、PowerアーキテクチャーはIBMのオープンテクノロジーである。PowerはIT(パソコンやサーバー/スーパーコンピューター)だけでなくコンシューマーにも広がっている」と述べ、集まった開発者にビジネスチャンスが広がっていることをアピールした。



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