本記事は、MacPeople2005年5月号の“Product Report”に掲載された記事を再掲載したものです。
■Pagesの文書作成はテンプレートありき
前回のKeynoteに引き続き、今回はPagesについて解説していこう。Pagesの操作性は、Keynoteに近い(図1)。ツールバーを使って図形や新規ページを挿入し、入力したテキストや配置済みのオブジェクトの属性はすべてインスペクタで設定するという、一貫した流れで文書を作成していく。PagesはKeynoteとはまったく種類の異なるソフトだが、基本操作が同じという点で、なぜセットで販売されているのか納得できる。
Pagesを最も特徴づけるのは、標準で付属する28種類のテンプレート(※1)だ。テンプレートを使えば、写真とテキストを入れ替えるだけで見映えのする文書を作成できる。しかし逆に、まっさらな書類から文書を作成するのは少々厳しい。テキストの入力速度がマイクロソフト(株)の「Word」などに比べて遅く、複雑な表や段組みが設定してあるとさらにもたついてしまうのだ。動作が遅いマシンでは、軽快なテキストエディターで文字を入力し、その文章をPagesのレイアウトにコピーするという方法をお勧めしたい。
図1 Pagesの編集画面。インスペクタには、テキストの書式から書類全体の余白まで、あらゆる設定項目がまとまっている。何かを変更したいときは、いつもこの中を探せばいいという安心感は大きい |
各テンプレートには、段組みや写真の配置が異なるページデザインが数種類含まれているため、大きな文書でもデザインの統一性を保てるので安心だ(図2)。「ステーショナリー」テンプレートには、A4/B5の履歴書など、日本独自のものも数種類含まれている。とはいえ、テンプレートの多くが英語版のものをそのまま収録しており、日本語を入力すると印象がかなり変わってしまうのは残念だ。
図2 Pagesを起動すると、まずはテンプレートを選択するダイアログが現れる(左)。1つのテンプレートには、数種類のページデザインが含まれており、好みのものをメニューから挿入できる(右) |