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マイクロソフト、次世代検索サービスに関する講演会を開催――ビル・ゲイツ氏が講演「現在の“検索”に足りないものソフトウェアのマジックで実現する」

2005年06月28日 10時02分更新

文● 編集部 内田泰仁

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米マイクロソフト社の会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏

マイクロソフト(株)は27日、インターネットサービス“MSN”で展開する検索機能/サービスに関する講演会を開催し、来日中の米マイクロソフト社の会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が、今後の検索機能のあり方やマイクロソフトの取り組みについて解説を行なった。



マイクロソフトが提供する検索関連の3機能Windowsデスクトップサーチを利用中の画面新しいMSNサーチによる検索結果画面(画面右)とGoogleの検索結果画面(左)の比較

MSNでは現在、6月25日にデスクトップサーチを融合した新しい検索エンジン“MSNサーチ”の提供を開始したほか、新MSNサーチを取り込んだInternet Explorer向けのツールバー『MSN サーチ ツールバー with Windows デスクトップ サーチ』を検索機能関連サービスとして提供している。ゲイツ氏によると、マイクロソフトでは検索機能の研究/開発/提供は「マイクロソフトの最も重要な投資対象のひとつ」と位置付けていると述べ、検索機能に含まれるインデックス化やプレビューの技術は、次期Windows“Longhorn”にも生かされる、非常に重要な技術要素として開発に取り組んでいるという。

次世代の“検索”の方向性ゲイツ氏が指摘する“現在の検索”に足りないもの

ゲイツ氏は、検索機能の意味を「必要なものを必要なときに手に入れるためのビジョン」であると定義し、このビジョンの実現には「すばらしいソフトウェアが必要」だとしている。調査機関のデータによると、ユーザーは必要な情報を探すのに平均11分程度の時間を費やすというが、現状のインターネット検索機能は情報の“ノイズ”が多く、長い時間をかけても必要な情報が見つけられなかったり、見つけた情報の内容が更新されていないというケースも多いという。ゲイツ氏はこのような現状のインターネット検索に“足りないもの”として、

  • “リンク”ではなく“答え”が欲しい
  • 検索結果が限定的である
  • “答え”を導き出せない質問しか受け付けてくれない
  • ユーザー個人のニーズに合った設定ができない
  • ユーザーの意図を理解しない結果しか得られない

とまとめている。同氏はこれらの検索機能に対する不満について「検索に足りないものをソフトウェアのマジックで実現」していくと述べるとともに、「これから先の数年間のうちに検索機能はさらに数段階進化する」との見通しを示した。

ゲイツ氏は今後の検索技術の進化の方向性を“情報をどう整理するか”の革新にあるといい、パソコンや携帯電話などのプラットフォームにとらわれることなく、インターネット/パソコン/携帯端末の間で自由に情報や検索結果のやり取りを行ない、「情報をいかにさまざまなところで管理するか、それをソフトウェア技術でいかに可能にするか」が同社の取り組みの目標だとしている。さらに同社では、従来の“検索結果”に導くための“検索機能”ではなく、“質問”に対する“答え”をできる限り提供していく“検索機能”を実現していくと語った。

ゲイツ氏の講演の中でデモンストレーションを行なった、米マイクロソフトの副社長でMSNサーチ&ショッピング担当のクリストファー・ペイン(Christopher Payne)氏(写真左)。同氏は研究/開発中の次世代検索機能として、自由なユーザーカスタマイズが可能な検索+ポータル機能“start.com”(写真中央)、“地域情報の検索”をテーマとした地図や空撮映像を組み合わせた検索機能“Virtual Earth”(写真右)、自然言語検索エンジンにより具体的な“質問”に対する“回答”を導き出す検索機能を紹介
日本市場へのコミットを強調するゲイツ氏。インターネットや携帯電話が非常に普及している日本は、単なる“市場”としてだけではなく、開発拠点としてもその役割は大きいとしている日本のインターネット関連市場の成長

ゲイツ氏は、この講演の中で特に“日本市場へのコミット”を繰り返し強調。同氏は、日本におけるブロードバンド・インターネット環境や携帯電話の高い普及率に特に着目しており、新“MSNサーチ”やツールバー日本語版の早期提供といった取り組み、日本にも拠点を持つ同社の研究/開発関連会社、マイクロソフト プロダクト ディベロップメント リミテッドへのリソースの投入などを強力に推進していくという。また、マイクロソフトによるこれら検索機能の研究/開発への注力により、「(マイクロソフトの検索機能には)非常に迅速な進化を期待していい」との自信を示すとともに、「現在の検索機能はまだまだ初期の段階だが、これからますます発展していく」「広告や物販にも高い効果が期待でき、インターネットの今後の発展は検索機能(の強化)に基づいて進んでいくのではないか」と述べている。

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