他社の低価格ソフトと
PDF生成結果を比較してみる
他社製品の中には、Elementsよりも低価格なものや、編集機能が備わったものも存在する。それらと比較検討してみよう。比較の対象として、ジャストシステム「Justsystem PDF Creator」(税別6800円)と、ソースネクスト「いきなりPDF Professional」(2980円)を選んだ。PDF Creatorは、一太郎・Word・PowerPointへのアドインが可能で、商業印刷用のPDF設定がプリセットで用意されている。いきなりPDF Proは、ページの分割や結合ツールが付属するが、画像の圧縮方式(バイキュービック法など)を選択することができない。また、アドイン機能はなく、プリンタ設定からのみPDF生成を行なう。
Excel・PowerPoint・Wordのサンプルファイルを用意し、それぞれのソフトでPDF生成してみた(なお、テストに使用したElementsはβ版のため、製品版は異なる結果が出る可能性がある)。いずれも標準設定の状態でPDF化を行なった。
元の原稿(Excel 20KB) | Acrobat Elements 7.0 (1)38KB | |
PDF Creator (2)26KB | いきなりPDF Professional (3)26KB | |
Excelデータの比較 |
Excelのサンプルではセルの書式に「通貨」を用い、PDF化の際に文字化けがないかを見たが、いずれも文字化けはなかった。縦書きのセルもちゃんとPDF化されている((1)~(3))。
元の原稿(PowerPoint 566KB) | Acrobat Elements 7.0 (4)95KB | |
PDF Creator (5)1127KB | いきなりPDF Professional (6)429KB | |
PowerPointデータの比較 |
PowerPointでは、日本語テキストは原稿どおりに変換できたので、試しにラテン文字を使い、半透明の効果を付けてみた。テキストは文字化けしなかったが、半透明部分で仕上がりに差があった((4)~(6))。Elementsでは問題はなかったが((4))、PDF Creatorでは格子状の線が入っており((5))、いきなりPDF Proでは半透明が白塗りになってしまった((6))。
元の原稿(Word 27KB) | Acrobat Elements 7.0 (7)55KB | |
PDF Creator (8)42KB | いきなりPDF Professional (9)565KB | |
Wordデータの比較 |
Wordでは、テキストにラテン文字を用い、フォントにOpenTypeを使用、また、グラデーションの塗りと「回覧」と書いてある透かしを配置してみた。テキストもフォントも文字化けはなかったが、透かしで差が現われた((7)~(9))。ElementsとPDF Creatorでは、「回覧」の文字がモワレになっている((7)、(8))。いきなりPDF Proでは、なぜか原稿サイズよりも横に長いPDFが生成された。これは、用紙設定で原稿と同じサイズを指定すると解決できた。また、「回覧」の字にムラができていた((9))。
それぞれに長所があるが、原稿どおりのPDFが生成できるという信頼性の面では、本家アドビのツールに一日の長があるようだ。
Acrobat 7.0 Elements 日本語版の主なスペック | |
製品名 | Acrobat 7.0 Elements 日本語版 |
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対応OS | Windows 2000 SP2/XP/Tablet PC Edition |
必要HDD容量 | 80MB以上 |