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レノボ・ジャパンとして初の“ThinkPad”はタブレットPC――『ThinkPad X41 Tablet』を7月6日に販売開始

2005年06月08日 16時55分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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5月に発足したレノボ・ジャパン(株)が初めて発表する“ThinkPad”ブランドのノートパソコン(※1)は、『ThinkPad X41』ベースのコンバーチブル型タブレットPCだった。

※1 5月25日には、同社として初のデスクトップパソコンの新製品『ThinkCentre A51p』を発表している。詳細はこちらのニュース記事を参照いただきたい。

タブレットモードにした『ThinkPad X41 Tablet』タブレットモードにした『ThinkPad X41 Tablet』

レノボ・ジャパンは7日、東京・大手町のKDDI大手町ビル内KDDIホールにプレス関係者を集め、同社発足後初のThinkPad新製品となる『ThinkPad X41 Tablet(シンクパッド エックスよんじゅういち タブレット)』を7月6日に販売開始すると発表した。価格は未定だが、同社の直販価格は20万円台半ばになると見られる。

Brand&Marketing 執行役員の荒川朋美氏 製品開発研究所担当 常務執行役員の小林正樹氏 米レノボ・インターナショナル社よりワールドワイドデベロップメント担当副社長のジャン・ジャニック氏
Brand&Marketing 執行役員の荒川朋美氏製品開発研究所担当 常務執行役員の小林正樹氏米レノボ・インターナショナル社よりワールドワイドデベロップメント担当副社長のジャン・ジャニック氏
掲載当初、写真と人物名(キャプション)が入れ違っていました。お詫びして訂正いたします。

発表会には、レノボ・ジャパンのBrand&Marketing 執行役員の荒川朋美氏、製品開発研究所担当 常務執行役員の小林正樹氏、および米レノボ・インターナショナル(Lenovo International)社よりワールドワイドデベロップメント担当副社長のジャン・ジャニック(Jan Janick)氏が出席し、製品の特徴や開発の狙いなどを説明した。

ノートブックタイプとタブレットタイプに切り替えて使える“コンバーチブル型”を採用 タブレットモードでもキーボードショートカットなどを使える“タブレット・ショートカット・メニュー”
ノートブックタイプとタブレットタイプに切り替えて使える“コンバーチブル型”を採用タブレットモードでもキーボードショートカットなどを使える“タブレット・ショートカット・メニュー”を用意

ThinkPad X41 Tabletは、4月に発表された『ThinkPad X41』(日本アイ・ビー・エム(株)として最後に発表されたThinkPadシリーズ)をベースにしているが、180度回転してたたむことでタブレットモードとして利用できるヒンジ部分、電磁誘導方式のペンタブレット機構(ワコム製)付き低反射液晶パネルなど、さまざまな点を改良・変更している。

液晶パネルは12.1インチXGA表示と、画面サイズや表示解像度はX41から変更ないが、キーボード部(パームレストの左手前)に収納できる、左右クリック/消しゴム機能付きペン(電池なし)で画面に直接手書き入力が可能なデジタイザー(タブレット)機能を持つ。対面で相互に画面を見ながらの説明や屋外での使用を考慮して、視野角を上下左右170度に広げ、液晶画面への映り込み/反射を抑えるためにアンチグレア処理(表面)+低反射処理(裏面)を施した保護プレートを持つ“Super Wide Angle FFS XGA TFT”液晶パネルを採用する。

双方向どちらでも読取が可能な指紋センサーを搭載 タブレットPC向けに改良した低反射液晶パネルの構造
双方向どちらでも読取が可能な指紋センサーを搭載タブレットPC向けに改良した低反射液晶パネルの構造

また、屋外/外出先での利用が多いことを考慮して、バッテリーは4セルタイプと8セルタイプ(標準添付)を用意。いずれも回転ヒンジに合わせて新たに設計しており、バッテリー部分を握って持ち歩くため、ラバー製のグリップカバーを取り付けている。バッテリー駆動時間は、JEITA測定法1.0による同社測定値で6.1時間。

腕で抱えるようにして使うタブレットPCでは、放熱にもThinkPadとは異なる設計が求められたという。通常は底面やキーボード面に熱を逃がすことでCPUや基板からの排熱を行なうが、底面に触れる機会が多いタブレットモードでは熱が上がる前に冷却ファンで熱気を排出するなど、利用形態(ノートブックモードかタブレットモードか)に応じて冷却機構を切り替えているとのこと。

トーチャーテストに回転ヒンジの信頼性やペン入力に置ける筆圧(衝撃)試験などを追加した
従来のThinkPadシリーズと同様のトーチャーテスト(拷問試験)を行なうほか、タブレットPC向けに回転ヒンジの信頼性やペン入力に置ける筆圧(衝撃)試験などを追加しているという

さらに、現時点では製品開発計画の発表にとどまるため、具体的なモデル構成などは明らかにされていないが、一部モデルでは液晶パネルの右下(ノートブックモード時)に指紋センサーを搭載し、内蔵セキュリティーチップと合わせてユーザーの個人認証や情報漏洩防止を図るという。この指紋センサーも、従来のThinkPad/ThinkCentreに搭載しているものでは一方向(上から下)のみ識別可能だったが、双方向での識別可能に変更してタブレットモードでもノートブックモードでも同様に指紋認証が行なえるようになっている。

ノートブックモードで、液晶パネルを少しひねったところ タブレットモードにしたところ
ノートブックモードで、液晶パネルを少しひねったところ。営業マンが使う場合、このような体制で対面の相手に説明したり、画面に直接書きこむケースも多いだろうタブレットモードにしたところ。側面にはSDメモリーカードスロットやUSB、Ethernet/モデムの各端子が見える。製品でSDカードスロットが搭載されるかどうかは未定

そのほか、ThinkPadシリーズで定評のある

“IBMハードディスク・アクティブプロテクション・システム”
落下などの加速度変化を検知してHDDのヘッドを退避することで、ディスクを傷つけないHDD保護機能
“指紋認証ユーティリティー”“Client Security Software”
認識させる指紋を換えることで、アプリの起動やログオン動作などに割り当てるユーティリティーソフトウェア

など、ThinkVantageテクノロジー(ユーザーの利便性を向上させるためのIBM独自技術)を取り入れている。ただし、ThinkPad X41にあったキーボードを照らし出す“ThinkLight”は搭載しない。

キーボードまわり
キーボードまわり。ThinkPad X41と同様、7列のフルキーボードを搭載するほか、液晶パネル側にもタブレットPC向けに各種ボタンが追加されている

現時点で公開されている主な仕様は以下のとおり。

製品名
ThinkPad X41 Tablet
CPU
低電圧版Pentium M 758-1.50GHz
チップセット
Intel 915GM Express
グラフィックス
GMA900(Intel 915GM Expressチップセット内蔵)
メモリー
PC2-4200対応DDR2 SDRAM 512MB(最大1.5GB)
HDD
40GB
ネットワーク
IEEE 802.11b/g対応無線LAN、10/100/1000BASE-T、モデム
拡張スロット
PCカード(TypeII×1、CardBus対応)
I/O
USB 2.0×2(うち1つはIBM独自の“Powered USB”(電源供給端子付き))
タブレット・ボタン
カーソル上下/Enter/Esc/タブレット・ショートカット・メニュー(※2)/画面ローテーション/Windowsセキュリティー/電源ロック
OS
Microsoft Windows XP Tablet PC Edition 2005
サイズ
幅274×奥行き266×高さ32(最薄部29)mm
重量
1.88kg(8セルバッテリー搭載時)
オプション
ThinkPad X4ドック(ThinkPad X41 Tablet対応)

※2 タブレット・ショートカット・メニュー 同社のキーボードではFn+F1~F12キーにスタンバイ状態への移行やディスプレーの明るさ調節、ボリューム調節などの機能が割り当てられている。タブレット・ショートカット・メニューは、これをタブレットモード(キーボードを閉じた状態)でも使えるように、画面上にアイコンを配置して、1クリック(1タップ)でこれらの機能を呼び出せるようにしたメニューソフト。

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