(株)野村総合研究所は31日、ブロードバンドの普及状況やメディア利用時間の変化、HDDレコーダーの利用状況に関するインターネットアンケートの結果を発表した。実施期間は4月22~24日で、回答者数は3000。それによると、HDDレコーダーのユーザーの過半数がテレビCMをスキップしており、今年の損失総額の試算は約540億円。同時に、マスメディアの利用時間が、パソコンによるインターネットに取り込まれる形で減少傾向にあることも明らかになり、企業が本格的に広告/宣伝手法を考え直す時期にきているとしている。
同社では、HDDレコーダーで録画した番組を視聴する際に、テレビCMをすべてスキップする人が23.4%、平均CMスキップ率が64.3%に達しており、2005年ではテレビCM市場の約2.6%に相当する約540億円の価値が失われると試算できるという。今後もHDDレコーダーの世帯普及率が伸び続け、5年後には44%程度になると予想しており、今後さらにテレビCMの価値が損なわれる恐れがあるとしている。
また、ここ1年間でのメディア利用時間の増減では、パソコンでインターネットを利用する時間が増えたと回答した人の割合が最も多く、64%になったという。それに対し、テレビ/新聞/雑誌/ラジオのマスメディア4媒体においては、利用時間の減った人の割合が、増えた人の割合の2~3倍になっているとしており、パソコンでインターネットを利用することが1人あたりのメディア利用時間の多くを取り込んできていることが分かるという。
今後、ブロードバンドの普及と、それに対応したネット上の情報量の増加によって、テレビとの接触時間や影響度は減少し続けると考えられるという。
