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【最新パーツ性能チェック(Vol.34)】CPUの勢力図は変わるか? デュアルコアCPU4種対決!――Pentium D vs. Pentium XE vs. Athlon 64 X2 vs. デュアルコアOpteron 2xx

2005年06月01日 03時10分更新

文● 月刊アスキー編集部 野口岳郎

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Athlon 64 X2の性能は文句なし、Pentium Dはエンコード目的にコストパフォーマンス高し

 スコア的に今回一番の注目点は、エンコードなどマルチスレッド系アプリにおけるAthlon 64 X2の劇的なスコア向上だ。従来はPentium 4系に大きく水を空けられていたのに、今回はシングルコアのPentium 4はもちろん、デュアルコアのPentium XE/Dさえ上回るスコアを連発した。Pentiumの牙城は「TMPGEnc」が残るだけとなった。しかも、シングルスレッド系では従来からの強みを失っておらず、結果、ゲームもエンコードも速い、理想的なパフォーマンスバランスを実現した。BIOSさえアップデートすれば、原則、既存のソケット939マザーにそのまま装着できるというのもうれしい。既存Athlon 64ユーザーにとっては、予算さえ許せばぜひ乗り換えたい製品だ。難点は、4200+でも5万9000円、4800+では11万円という高価格と、まだ市場に登場していないという入手可能性の不安だ。

 Pentium D/XEは、3Dゲームやマルチスレッド化されていないアプリを主に使う前提だと、現状では乗り換え対象にはしずらい。ただ、両CPUメーカーがデュアルコア、マルチコア化に舵を切った以上、今後はアプリケーションのマルチスレッドは進むだろう。シングルスレッドの代名詞のような3Dゲームでも、今後はマルチスレッド化すると見る向きもある。「3DMark」で有名なFuturemark社は、「Mechanoids」という新しい3Dベンチマークを開発中であることが判明しているが、その内容は「3D描画のほかに、物理モデリングエンジンとAI処理のスレッドが動く」もので、Pentium XEとPentium 4とでは、格段の性能差が出ていた。実は「3DMark 05」においても、“CPU”のテストでは物理モデリングとAI処理を行なっており、「Mechanoids」の簡易版的なとらえ方をすることもできる。この結果は、Pentium 4 670よりPentium D 840がかなり速く、XEではさらに性能が伸びる。Athlon 64 X2も4000+から大きくスコアアップし、XEと横並びだ。

グラフ10・「3DMark 05」の結果

 実際にこのような方向に3Dゲームが進化するのであれば、いずれはデュアルコアCPUだけですべてをまかなえることになるのかもしれないが、しばらくはインテルユーザーは3Dゲーム目的なのか、エンコード目的なのかでCPUを選び分ける必要がありそうだ。

 一方、エンコードや、複数アプリを同時実行することが多い人には、Pentium Dは“本当のデュアルCPU”を、比較的安価に実現してくれる、注目の選択肢だ。なにしろ3万円そこそこで販売されているPentium D 820でさえ、8万円以上はしそうなPentium 4 670や10万円のPentium 4 XE 3.73GHzより、TMPGEncでもWindows Media EncoderでもCinebenchでも高速なのだ。DDR2しかサポートしない945マザーを買う必要があるが、DDR2メモリは劇的に値下がりしたし、ICH7R搭載マザーを選べば、従来高嶺の花だった3GbpsのSATA2やRAID5が使えるというメリットもある。

月刊アスキー6月号月刊アスキー6月号

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