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Innovis D300

Innovis D300

2005年05月30日 18時47分更新

文● 行正 和義

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Innovis D300

ブラザー工業

36万5400円

ミシンに不慣れな人でも
使いこなすのはカンタン!

Innovis D300
ノートPCにUSBケーブルで接続された「Innovis D300」(36万5400円)。PC上の「刺しゅうPRO Ver.6」(オープン価格)で取り込んで処理した画像データを、Innovis D300へ転送して刺しゅうできる。PCユーザーにとって、ミシンはなじみの薄いものかもしれないが、Innovis D300ならまるでプリンタのように利用できる。

 PCやオートバイを“俺のマシン”と呼んだりするが、愛着のあるはずのメカを“機械”などとそっけない言葉で呼ぶのは、日本語としてはいまひとつ美しくない。ある意味、日本語になっている“マシン”はSewing Machineことミシンだけではなかろうか(ミシンの語源はMachineだと言われる)。

 そこで今回紹介するのは、ブラザー工業のハイエンドミシンだ。家電製品のデジタル化はいまさら言うまでもないことだが、PCと連携する機器というのはそれほど多くはない。その一方で、PCとの連携機能を強化し続けているのが同社のソーイングステーション(高機能ミシン)だ。同社では従来から刺しゅう機能を備えたミシン製品に、専用ICカードで刺しゅうパターンを供給するなどの機能を取り入れており、刺しゅうデータをWebで購入してカードに転送したり、PC上で刺しゅうパターンを作成できる。

液晶パネル1 液晶パネル2
液晶画面はタッチパネルになっており、内蔵する刺しゅうデータの選択や、取り込んだ刺しゅうデータの調整を行なえる。ヘルプもここで表示できる。

あなたの撮ったデジカメ写真が刺しゅうに!

ディズニーのキャラクターデータを多数内蔵
ディズニーのキャラクターデータを多数内蔵しており、単体でも楽しめる。(C) Disney

 専用カードリーダに加えてUSBポートを装備し、PC連携機能をさらに強化した最新の「Innovis(イノヴィス) D300」は、大型液晶や豊富な内蔵刺しゅうパターンを備える強力なモデルだ。192種類にもおよぶキャラクター刺しゅうパターンの内蔵に加えて、PC経由で同社Webサイト「ハートステッチズ」(http://www.heartstitches.com/)からの刺しゅうデータのダウンロード、刺しゅうソフト「刺しゅうPRO Ver.6」(別売)での刺しゅうデータ作成が可能だ。



表紙画像を刺しゅうに
月刊アスキー2004年4月号の表紙画像を刺しゅうにしてみた。緑が強いのは糸の選択を間違えたため。

 刺しゅうPROでのデータ作成では、JPEGやBMPなどの画像データを読み込んで線画(糸目データ)に変換、使用する色数(糸の色)やステッチパターンを選択することになる。ステッチパターンでは糸を何種類も重ねて擬似的に多くの色を表現するフォトステッチが選べるのだが、あまり複雑な自然画像ではなく、写真のミッキーマウスのような画像がきれいに仕上がる。USB経由でInnovis D300に転送した後は、ガイダンスに従って布や糸をセットするわけだが、刺しゅうが始まればユーザーが行なうのは糸の交換(複数の色を使う場合)だけ。糸通しや下糸の引き出し、不要な部分の糸切りがすべて自動化されているという家庭用ミシンとしてはかなりハイスペックなおかげで、ミシンに慣れない人でも使いこなすのに時間はかからない。



刺しゅうの手順1 刺しゅうの手順2
刺しゅうの手順3 刺しゅうの手順4
刺しゅう手順を、左上、右上、左下、右下と順に紹介。(1)下糸はボビンを入れるだけ。面倒な設定なしに縫い始められる。/(2)側面にはUSBポートのほか、専用のカードリーダも。/(3)上糸については、指示に従って1色1色交換しなければならない。/(4)39色の刺しゅう糸と下糸のセットも同梱。

 価格が36万5400円と、機能だけでなく価格も家庭用モデルとしてはハイエンドだが、一生モノとは言わなくてもPCとは違って長期間実用に供される機械だけに、多用する家庭であれば価格だけのことはあるはずだ(刺しゅう入りジャケットなどを売るというアルバイトもあるだろうが)。ともあれ、PCと併用することによって可能性を広げる家電という意味では、今後もさらなる追求を見せてほしいジャンルではある。

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