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ソニー、Pentium D搭載のハイエンドデスクトップ“VAIO type R”の新製品を発表――ビデオ編集マシンとしての能力を強化

2005年05月27日 15時26分更新

文● 編集部 小西利明

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VAIO type R『VGC-RA73PL9』。付属の液晶ディスプレーは19インチSXGA
VAIO type R『VGC-RA73PL9』。付属の液晶ディスプレーは19インチSXGA

ソニー(株)は27日、TV録画・ビデオ編集用途を重視したデスクトップパソコン“VAIO type R”の新製品2機種を発表した。両機種共に、同日発表されたインテル(株)のデュアルコアCPU“Pentium D”を搭載している点が最大の特徴である。価格は全機種オープンプライス。従来のtype Rシリーズには、液晶ディスプレーセットモデルと本体のみのモデルがラインナップされていたが、今夏の新製品より店頭売りモデルは液晶ディスプレーセットモデルのみとなった。同社の直販サイト“ソニースタイル”では、本体のみの構成で注文可能である。

VAIO type R(店頭売りモデル)の主なスペック

VGC-RA73PL9
Pentium D 830-3.0GHz/512MBメモリー/NVIDIA GeForce 6600搭載/500GB HDD(250GB×2)/DVDスーパーマルチドライブ、DVD-ROMドライブ/アナログTVチューナー搭載/19インチSXGA液晶ディスプレー付属/Windows XP Professional SP2
35万円前後/6月11日発売予定
VGC-RA53L7
Pentium D 820-2.80GHz/512MBメモリー/NVIDIA GeForce 6600搭載/320GB HDD(160GB×2)/DVDスーパーマルチドライブ/アナログTVチューナー搭載/17インチSXGA液晶ディスプレー付属/Windows XP Home Edition SP2
25万円前後/6月11日発売予定

TV録画機能付きパソコンとして登場し、発展を続けていたtype Rシリーズだがは、TV録画機能がデスクトップパソコンでは標準的な機能となっていくに従って、単なるTV録画だけでなく、録画したビデオやビデオカメラで撮影したビデオの加工や編集といった、ビデオ編集に関わる機能やアプリケーションを強化する方向へと進化した。今回の新製品も同様で、なにかと時間のかかるビデオ編集やトランスレート(ビットレート変換)の作業を効率化する特徴が備わっている。

まず第一の特徴は、デュアルコアCPUであるPentium Dの搭載である。ビデオ編集時やトランスレートで行なわれる演算は、マルチスレッド化に適した処理とされる。デュアルコアCPUの優れたマルチスレッド性能が、いかんなく発揮されるというわけだ。第二の特徴は下位機種にもカナダViXS Systems社のハードウェアMPEG-2エンコーダーチップ『XCodeII-L』を搭載した、TVチューナーカードを装備した点にある。XCodeシリーズは低ビットレート時のMPEG-2ビデオの品質が良いことで知られている。XCodeII-Lには、MPEG-2のトランスレート処理を行なう機能が搭載されており、同チップを搭載する他社製のTVチューナーカードでは、トランスレートに要する時間が6分の1程度にまで短縮されている例もある。type Rでは付属のDVDオーサリングソフト『TMPGEnc DVD Author 2.0 for VAIO』でトランスレートを行なう際に、XCodeII-Lを使った高速な変換が可能となっている。DVD作成時威力を発揮するだろう。

第三の特徴は第二の特徴を利用して、付属のビデオキャプチャー・編集ソフト『DVgate Plus Ver.2.1』で、HDV映像(※1)キャプチャー時に自動で“プロキシファイル”を生成するようになった点が挙げられる。プロキシファイルとはビデオ編集用の低ビットレートビデオファイルで、付属のビデオ編集ソフト“Adobe Premiere”シリーズなどで高ビットレートのビデオ映像を編集する際に、参照ファイルとして利用される。これによって編集処理にかかるメモリー量やCPU負荷を減らすことで、編集操作を快適に行なえるようになる。編集結果を反映させるレンダリングの際は、高ビットレートのオリジナルファイルに対して処理が行なわれるので、実際の出力ファイルの画質には影響がない。従来もプロキシファイルを作成することは可能だったが、ビデオキャプチャー後にソフトウェアで作成されていたため、時間がかかっていたのだ。これが今夏のtype Rでは、キャプチャー時にXCodeII-Lを使ってバックグラウンドで自動生成されるようになり、時間はかからなくなった。またその他の特徴としては、HDD&DVDレコーダー“スゴ録”や、DVDハンディカムなどで録画したDVDが、type R付属の各種ビデオ編集ソフトなどでソースとして利用できるようになったという変更も加えられている。

※1 miniDVテープに1080iのHD品質MPEG-2を録画する規格。映像ビットレートは約25Mbpsと、デジタル衛星放送をしのぐ高画質を実現している。

ハードウェアの主な仕様は、CPUにPentium D 830-3.0GHz(RA73)か820-2.80GHz(RA53)を搭載。チップセットはIntel 945P Expressで、メモリーにはDDR2-533 512MBを標準搭載している。HDDは両機種とも2台内蔵し、RA73は500GB(250×2)、RA53は320GB(160×2)の大容量となっている。DVDスーパーマルチドライブ(2層式DVD+R最大4倍速書き込み、DVD±R最大16倍速書き込み、DVD+RW最大8倍速書き込み、DVD-RW最大6倍速書き込み)を内蔵するほか、RA73はDVD-ROMドライブ(DVD-ROM最大16倍速)も内蔵している。グラフィックスカードとしては、RA73がGeForce 6600(ビデオメモリー256MB)、RA53がRADEON X300(ビデオメモリー128MB)を、PCI Express x16スロットに装着している。

搭載するインターフェース類は全機種共通で、USB 2.0×7(前面3、背面4)、i.LINK(S400)の4ピン×1(前面)、6ピン×1(背面)、10/100/100-BASE-T、DVI-D出力端子、アナログディスプレー出力端子、V.90モデム用モジュラージャックなどを備える。またメモリーカード用スロットとして、PCカード(Type II)、コンパクトフラッシュ Type II、メモリースティックスロット(標準/Duoサイズ、メモリースティックPRO、マジックゲート対応)、SDカード/MMC用スロット、xDピクチャーカード用スロットなどをそれぞれ1つずつ備える。筐体は従来機種とまったく同じで、本体サイズは幅188mm×奥行き402mm×高さ410mm。重量は約16kg(RA73)または約15kg(RA53)となっている。

店頭モデルのCPUは3.0GHzまでだが、ソニースタイルモデルではCPUにPentium D 840-3.20GHzも選択できる。また前述のとおり、付属液晶ディスプレーを省いたり、異なる液晶ディスプレーを選択することも可能となっている。

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