インテル、デュアルコアCPU“Pentium D”シリーズとIntel 945チップセットシリーズを発表――対応マザーボードも登場し、デュアルコアCPU環境が出揃う
2005年05月27日 12時08分更新
インテルはパーツショップや量販店を通じた同社製マザーボードのエンドユーザー向け販売、いわゆるチャネルビジネスにも積極的に取り組んでいる。そしてPentium Dシリーズの発表に合わせて、多数の955X/945搭載マザーボードも発表、市場に投入する。同社のマザーボードはチップセットやオンボードデバイス、さらに付属ソフトウェアの種類によって、ハイエンド系、デジタルホーム系とデジタルオフィス系、メインストリーム系の4カテゴリーの製品に分かれる(海外ではさらに機能やソフトを絞ったバリュー系もラインナップされるが、日本市場向けには投入されない)。価格は全製品オープンプライス。
ハイエンド系としては、Intel 955Xと945Pを搭載する3製品が市販製品としてラインナップされる。955X系の『D955XBKLKR』はATX、『D955XCSLKR』はBTXのマザーボードで、ボードレイアウト以外の基本仕様は同等、I/OコントローラーハブにはICH7Rを搭載する。ハイエンドマザーボードにふさわしく、8ch(7.1ch)のオーディオ機能、IEEE 1394bに対応するIEEE 1394ポートを3つ備えるほか、ICH7Rによる4ポートのSATA IIポートに加えて、追加のSATAコントローラー(SATA 1.0対応)を搭載すること、で合計8ポートのSATAインターフェースを備えている。対応メモリーはDDR2-667/533MHzで、最大搭載メモリー量は4GB、ECCメモリーにも対応する。
さらに注目すべき特徴として、D955Xシリーズはグラフィックスカード用のPCI Express x16スロットに加えて、同形状のPCI Express x4スロット“PCIe x16ユーティリティスロット”を備えている点が挙げられる。このスロットはICH7RがサポートするPCI Express x1を4レーン分使って実装されており(※1)、インテルとしては公式にはサポートを表明していないが、事実上は米エヌビディア社のグラフィックスチップ“GeForce 6800/6600”シリーズの2枚差し機能“SLI”用のスロットと言えよう。PCI Express x16スロットとの間隔も、SLI用のカード間接続コネクターの仕様に準拠しているとのことだ。
※1 そのためPCI Expressx1拡張スロットは1つしかない。もう1レーン分はオンボードのGbEコントローラーが使用しているハイエンド志向の945Pマザーボード『D945PVSLKR』はATXマザーボードで、945PとICH7Rを搭載し、PCI Express x16を1スロットとPCI Express x1を2スロット搭載。RAID対応の4ポートSATA II、IEEE 1394×2、8chオーディオ、Gigabit Ethernet(GbE)対応などの特徴を備える。
“D945PVS”シリーズのマザーボード |
主力製品に位置づけられるIntel 945G系のマザーボードは、9製品が箱入り市販製品として登場する。ATX、μ(マイクロ)ATX、μBTXそれぞれのレイアウトに3製品ずつが用意される。また同レイアウトのシリーズでは、ICHの違いやIEEE 1394aの有無、GbEや6ch/8chオーディオなどの違いがある。それぞれの仕様については下記参照のこと。
秋葉原で販売されていた『D945GNTLR』。8chオーディオにICH7RによるRAID対応も備えた、デジタルホーム向け高機能マザーボード | μBTX版の“D945GCZ”シリーズのマザーボード |
- ATXマザーボード D945GNTシリーズ
- 共通仕様:PCI Express x16×1、PCI Express x1×2、PCI×4、USB 2.0×8、SATA II×4、パラレルATA×1
- D945GNTL
- 10/100BASE-TX LAN、6chオーディオ
- D945GNTLKR
- GbE LAN、6chオーディオ、RAID対応、IEEE 1394a×2、TPM 1.2対応
- D945GNTLR
- 10/100BASE-TX LAN、8chオーディオ、RAID対応、IEEE 1394a×2
- μATXマザーボード D945GTPシリーズ
- 共通仕様:PCI Express x16×1、PCI Express x1×2、PCI×2、USB 2.0×8、SATA II×4、パラレルATA×1
- D945GTPL
- 10/100BASE-TX LAN、6chオーディオ
- D945GTPLKR
- GbE LAN、6chオーディオ、RAID対応、IEEE 1394a×2、インテル アクティブ・マネジメント・テクノロジ(AMT)対応、TPM 1.2対応
- D945GTPLR
- 10/100BASE-TX LAN、8chオーディオ、RAID対応、IEEE 1394a×2
- μBTXマザーボード D945GCZシリーズ
- 共通仕様:PCI Express x16×1、PCI Express x1×2、PCI×2、USB 2.0×8、SATA II×4、パラレルATA×1
- D945GCZL
- 10/100BASE-TX LAN、6chオーディオ
- D945GCZLKR
- GbE LAN、6chオーディオ、RAID対応、IEEE 1394a×2、インテル アクティブ・マネジメント・テクノロジ(AMT)対応、TPM 1.2対応
- D945GCZLR
- 10/100BASE-TX LAN、8chオーディオ、RAID対応、IEEE 1394a×2
メインストリーム系の945Pマザーボードとしては、ATXの『D945PSNLK』とμBTXの『D945PAWLK』の計2製品がラインナップされる。レイアウト以外の仕様は共通で、拡張インターフェースとしてPCI Express x16×1、PCI Express x1×2、PCI×4、USB 2.0×8、SATA II×4などを備え、GbE LANとIEEE 1394a×2も装備する。オーディオ機能は6chオーディオに対応する。
これらのマザーボードには、デバイスドライバーのほかに、多数のアプリケーションが付属する。デジタルホーム向けやデジタルオフィス向けといったボード製品のターゲットセグメントにより付属ソフトも異なるが、デスクトップユーティリティー集や同社製8chオーディオ対応サウンドコントローラー『Intel Audio Studio 2.0』のほか、CDライティングソフトや統合メディアプレーヤーソフト、ゲームソフトなどが付属する。ただしこれらはすべて英語版で、米シマンテック社の統合セキュリティーソフト『Norton Internet Security』と米Farstone Technology社のバックアップユーティリティー『RestoreIT』は、日本語Windowsにはインストールできない。