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検証 新モバイルプラットフォームの実力 ベンチマークテスト編

検証 新モバイルプラットフォームの実力 ベンチマークテスト編

2005年05月27日 00時13分更新

文● 鈴木 雅暢

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検証 新モバイルプラットフォームの実力 ベンチマークテスト編

Sonomaのポテンシャルは?
ベンチマークテストの結果

 そういった状況のなかでも積極的な展開を見せているのがソニーで、ホームノートの“VAIO type A”や“type F”、モバイルノートの“type S”などにいち早く新Centrinoプラットフォームを導入している。今回は、「VAIO type A(VGN-A72PB)」、「type F(VGN-FS50B)」の2機種を入手し、ベンチマークテストを実施した。また、Intel 852GMEチップセット搭載のデスクトップ向けマザーボード(DFI 852GME-MGF)にPentium M 760/755を搭載した環境との比較も行なっている。

VAIO type A(VGN-A72PB) VAIO type F(VGN-FS50B)
VAIO type Aの最上位モデル。1920×1200ドット表示の17型ワイド液晶を搭載する、TV録画も可能なAVマシンだ。本来のCPUは、Pentium M 730(1.6GHz)なのだが、今回は試作機を使用しており、Pentium M 760(2.13GHz)が搭載された状態でベンチマークテストを行なっている。
DFI 852GME-MGF
今回のベンチマークテストに使用したDFI製Pentium Mマザーボード。FSB533/400MHzのPentium Mに対応している。チップセットはIntel 852GMEで、メモリはDDR333/266/200をサポートする。

 type Aは、Pentium M 760(2GHz)、シングルチャネルDDR2-400(512MB/モジュール追加でデュアルチャネル対応も可能)、MOBILITY RADEON X600(PCI Express x16)と、Sonomaのほぼフルスペックを擁するモデル。type Fのほうは、Intel 915GMチップセットを搭載、デュアルチャネルのDDR333、Intel 915GM内蔵グラフィックスというスペック内容で、サンプル版のためCPUには本来の仕様と異なるPentium M 770(2.13GHz)が搭載されていた。なお、デスクトップのほうはFSBを533MHzにするとなぜかメモリが少々オーバークロック状態のDDR354MHzでしか動作しなかったため、やむなくこの設定で動作させている。詳細な環境はを参照してほしい。


表 ベンチマークテスト環境
VAIO type AVAIO type F自作(FSB533)自作(FSB400)
CPUPentium M 760Pentium M 770Pentium M 760Pentium M 755
クロック2GHz2.13GHz2GHz2GHz
チップセットIntel 915PMIntel 915GMIntel 852GMEIntel 852GME
メモリDDR2-400シングルDDR333デュアルDDR333シングル(354で動作)DDR333シングル
GPUMOBILITY RADEON X600Intel 915GM内蔵Intel 852GME内蔵Intel 852GME内蔵
HDDTravelstar E5K100(SATA、5400rpm)Travelstar 5K80(UATA100、5400rpm)Barracuda 7200.7(UATA100、7200rpm)Barracuda 7200.7(UATA100、7200rpm)
OSWindows XP Professional (SP2)

 結果はグラフに掲載したとおりだが、興味深いのは、Sandra2005のメモリ帯域テスト。ノートの2台が2.7GB/秒前後の成績を残しているのに対し、デスクトップではFSB533MHzにしても2.2GB/秒しかでていない。これはメモリの帯域が素直に現れたもので、DDR333のシングルチャネルではFSB533MHzを利用するためのメモリの帯域が足りていないということだ。これは理屈からして当然のことで、シングルDDR333の帯域は2.7GB/秒、これではFSB533MHzの帯域4.2GB/秒どころかFSB400MHzの帯域3.2GB/秒にも足りていない。FSBを400MHzから533MHzにアップしてもスコアが上がらないのは当然だろう。グラフでは若干数値が上がっているが、これはデスクトップのメモリがオーバークロック状態になったぶんだろう。

 ちなみに、本来はIntelのデータシートではIntel 915GMはデュアルチャネルに対応しないことになっているのだが、ソニーのスペックではたしかにDDR333のデュアルチャンネルとなっており、実際この数値を見てもデュアルチャンネルで動作していることは間違いない。DDRでデュアルチャンネルに対応しないのは、技術的な制限ではなく、単にバリデーション上の問題であると推測される。

 PCMark04のMemoryスコアは理論帯域どおりDDR333のデュアルチャンネルのほうがDDR2-400シングルよりも良くなっている。また、CPUのスコアを見ると、type F(770)とtype A(760)の比較では7.7%もtype Fが上回っている。770と760の単純な動作クロックの差が6.5%、Sandra2005 CPUのスコア平均の差も6.6%であるから、メモリ性能との相乗効果で良い結果に結びついたと判断できる。しかし、デスクトップではメモリが若干オーバークロックされているにもかかわらず、FSB400MHzと533MHzでほぼ同じスコアでしかなく、相乗効果どころか足を引っ張っている。ほかのテストにおいてもデスクトップのFSB533MHzは振るわないが、メモリの帯域不足によりFSBアップの効果がスポイルされてしまっていることが分かる。

●Sandra 2005 CPU

Sandra 2005 CPU
CPUコアの性能を測定するテスト。770と760の差は約6.6%。FSB533MHzと400MHzの差はまったくでていない。ノートと自作の差は省電力FSBの差かもしれない。

●Sandra 2005 メモリ帯域

Sandra 2005 メモリ帯域
CPU⇔メモリ間の転送速度を実測するテスト。メモリ帯域の広いノートの数値は優秀だが、自作ではメモリがボトルネックとなってFSBアップの効果が見られない。

●PCMark04

PCMark04
Memoryのスコアは理論帯域どおりの順当な結果。ノートのPentium M 770と760の差はクロック差以上の7.7%ついている。自作ではFSBアップの効果が見られない。

●3DMark03 Build 350

3DMark03 Build 350
DirectX 9対応の3Dベンチマーク。Extreme Graphics2ではGameTest1しか実行できず問題外。GMA900のスコアはRADEON X600の3分の1とやはり少々力不足か。

●FinalFantasy XI Vanadiel Bench3

FinalFantasy XI Vanadiel Bench3
GMA900のスコアはHIGHで1922。ExtremeGraphics2に比べて1.5倍の上昇も実用性はいま一歩足りない印象。ここでも自作ではFSBアップの効果がほとんどない。

●Windows Media Encoder9

Windows Media Encoder9
ほぼCPUに依存するテストだが若干メモリ性能も影響する。Pentium M 770と760の差は約5%。自作デスクトップでのFSBアップの効果は微妙なところ。

 Intel 915GMの内蔵グラフィックスコアであるGMA900の実力はどうだろうか。これは、PCMark04のGraphicsや、FinalFantasy XI Vanadiel Bench3のグラフで判断できる。Intel 852GME内蔵に比べると、PCMark04で1.2倍、FF XI(HIGH)のスコアで1.5倍。劇的とはいわないが確実な高速化といえる。それでもミッドレンジのRADEON X600にはるかに及ばない。逆に、このtype Aのスコアならば、FF XIの高解像度設定はもちろん、だいたいの3Dゲームを快適にプレイできるはずだ。

 より高速なメモリを利用しなければFSBを533MHzにしても効果がほとんどないこと。そしてGMA900の性能はExtremeGraphics2よりはマシだが、本格的にゲームを楽しむレベルまではいっていないこと、今回の結果からいえるのは、そんなところだ。なんとも歯切れが悪く申し訳ないが、これから徐々に搭載製品のラインナップも増えてくるはずだし、デスクトップ向けのマザーボードなどが登場してくれば比較もしやすくなるだろう。細かい評価はそのタイミングで改めて行なってみたい。

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