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VAIO type S VGN-S92PS

VAIO type S VGN-S92PS

2005年05月11日 00時00分更新

文● 編集部・小西利明

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type S こんな感じで使っています

 注文したVGN-S92PSが到着したのは、ほぼ1ヵ月後の3月半ばだった。すでにテスト用評価機で実物を触ったことはあるのだが、やはりそれが“自分の物”となると改めて、感慨深いものがある。本体の重さは1.95kg。さすがに軽いとは言えないが、パワーと用途を考えれば仕方あるまい。予想外だったのは、ワイド液晶ディスプレーを備えるやや横長のボディーでは、一般的なノートパソコン保護ケースに適当なものがないことだ。専用のキャリングケースが販売されているのだが、こういう事態は念頭になかったので買っていなかった。仕方なく現時点では、適当に買ったB5サイズノート用のインナーケースに入れて、顔を覗かせた状態でリュックに入れて持ち運んでいる。

現在使用しているノート用インナーケース(メーカー不明)。頑丈なのだが、VGN-S92PSを入れるとこのようにはみ出して、ファスナーが閉められない VGN-S92PSを持ち歩くのに使用しているリュック。特にノートパソコン用というわけでもない、普通のハイキング用リュックだ リュックに収納した様子はこんな感じ。ファスナーが閉まらないので出っぱなしだが、本体はケースで保護されているのでよしとしている
現在使用しているノート用インナーケース(メーカー不明)。頑丈なのだが、VGN-S92PSを入れるとこのようにはみ出して、ファスナーが閉められない。VGN-S92PSを持ち歩くのに使用しているリュック。特にノートパソコン用というわけでもない、普通のハイキング用リュックだ。リュックに収納した様子はこんな感じ。ファスナーが閉まらないので出っぱなしだが、本体はケースで保護されているのでよしとしている。

 VGN-S92PSは新しいSonomaプラットフォームを採用した最初の世代と述べたが、そのため以前のtype Sシリーズと比べると、放熱機構部がやや大型化している。次の2点の写真はVGN-S92PSとSonoma以前のtype Sの背面の写真だ。それぞれの写真左上を見ていただくと、放熱機構の大型化により、背面に不自然なでっぱりができているのが分かるだろう。また吸気用と思われるスリットも増加している。マシンがフルパワーで駆動しているときは、ここに内蔵された冷却ファンが「ブォーン」といった感じの大きな音を立てる。この音にはさすがに初めは驚かされた。もっともファンがフル回転するのは3Dグラフィックスを使うゲームを遊んでいるときくらいのもので、通常使用している限りはファンの音はあまり気にならないので安心だ。

VGN-S92PSの本体背面。左上が大型化された冷却機構 VGN-S92PSより一世代前のtype Sの背面。左上に冷却機構のでっぱりがないのがわかる
VGN-S92PSの本体背面。左上が大型化された冷却機構。VGN-S92PSより一世代前のtype Sの背面。左上に冷却機構のでっぱりがないのがわかる。
VGN-S92PSの放熱口のある右側面。覗き込むとかなりごついヒートシンクが内部に見える
VGN-S92PSの放熱口のある右側面。覗き込むとかなりごついヒートシンクが内部に見える。

 選択の際に重視したパフォーマンス面は、非常に素晴らしいものだ。それまで使っていた編集部のマシンは、モバイルPentium 4-1.6GHz(Willametteコア)を搭載したノートパソコン(メモリーは512MB)だったのだが、何をやらせても段違いに早い。特に高解像度の写真画像に画像編集ソフトを使って変換をかける処理などは、今までの半分程度の時間で終わるようになった。重いアプリケーションを複数起動して使っていても、「遅いな」と感じることはほとんどない。あいにく、すぐに仕事の環境を移設してしまったので、本格的なベンチマークテストなどは実行していない。しかし、例えば一般的に“ノートは苦手”と思われている3Dグラフィックスを使ったMMORPGなども、デスクトップ並み……とまでは言えないが、多少負荷を減らすようにセッティング(画面内に表示するオブジェクト数を減らす等)をしてやれば、実に快適に遊べている。

最近編集部でも流行っている(株)コーエーのMMORPG「大航海時代Online」。それほどグラフィックスの負荷が高いゲームではないが、VGN-S92PSではデスクトップと遜色ない快適さでプレイできている
最近編集部でも流行っている(株)コーエーのMMORPG「大航海時代Online」。それほどグラフィックスの負荷が高いゲームではないが、VGN-S92PSではデスクトップと遜色ない快適さでプレイできている。

 編集部で使う際には、VGN-S92PSをポートリプリケーターに接続して使っている。ポートリプリケーターには19インチUXGAの液晶ディスプレーと社内LAN用のLANケーブル、ワイヤレスキーボード&トラックボールなどが接続されているので、編集部のデスクで使っている限りは、まるっきりデスクトップパソコンと変わらない。type Sシリーズ専用のポートリプリケーターにはDVI端子が用意されており、外部液晶ディスプレーとつなぐ際にも、画質のよいデジタル接続を利用できるのは利点といえよう。デスクで使う限りはUXGAの広々とした画面を使えるので、ノートゆえの画面の狭さという問題もない。ただしポートリプリケーターに接続していても、起動直後は常にノート側の液晶ディスプレーに表示されてしまうので、手動で使用する出力先をデスク側に切り替えてやる必要がある。これはビデオドライバーやVGN-S92PS自体の設定で自動切り替えできそうなのだが、まだ解決できていない。

編集部での筆者の机の様子。ラックの上にポートリプリケーターを置いて、そのうえにVGN-S92PSを設置している(左写真の左上)。右にある液晶ディスプレーは(株)イーヤマの19インチUXGAディスプレー。手前にあるのはロジクール(株)のワイヤレスキーボード「diNovo Cordless Desktop」。この状態で使う限りは、デスクトップパソコンと変わらない快適さだ
ポートリプリケーターには、手前にスライド式の支えがある。奥の窪みはオプションの大容量バッテリーパック装着時のための窪み ポートリプリケーターの背面に接続したケーブル類。左からACアダプター、LANケーブル、DVIケーブル、USB×2。USBケーブルはそれぞれUSBハブに接続されていて、メモリーカードリーダーなどがぶら下がっている
ポートリプリケーターには、手前にスライド式の支えがある。奥の窪みはオプションの大容量バッテリーパック装着時のための窪み。ポートリプリケーターの背面に接続したケーブル類。左からACアダプター、LANケーブル、DVIケーブル、USB×2。USBケーブルはそれぞれUSBハブに接続されていて、メモリーカードリーダーなどがぶら下がっている。
ポートリプリケーター経由でUXGA液晶ディスプレーにつなげている状態のデスクトップ(左)と、VGN-S92PS本体の液晶ディスプレーで同じようにアプリケーションを表示した状態(右)。さすがにこれだけ解像度が違うと、使い勝手も大きく異なる。とはいえ動いているマシンは同じなので、同じアプリケーションに同じデータをどこででも使えるのは本当に便利だ。縦置きタスクバーにもマッチしている
本体側液晶ディスプレーと外部接続のディスプレーのどちらに表示するかは、このプロパティーで切り替える必要がある。なんとか自動で切り替えたいが、現時点ではうまい方法がみつかっていない
本体側液晶ディスプレーと外部接続のディスプレーのどちらに表示するかは、このプロパティーで切り替える必要がある。なんとか自動で切り替えたいが、現時点ではうまい方法がみつかっていない。

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