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TSMC、65nmプロセス利用の半導体を2005年末に量産出荷すると発表

2005年04月28日 21時15分更新

文● 編集部 小林久

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ティーエスエムシージャパン(株)(TSMCジャパン)は28日、都内で記者会見を開き、台湾にある本社・TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)社が現在取り組んでいる“65nmプロセス半導体製造技術”の最新動向などを説明した。

65nmプロセス対応の半導体は2005年末から量産開始

台湾TSMCでは、同社の65nmプロセス技術を“65nm Nexsys技術”と呼んでおり、同技術を採用した半導体は2005年末から量産化される見通し。また、次世代の45nmプロセス技術の開発もすでに始まっているという。

液浸リソグラフィーの模式図。ウエハーとレンズとの間に浸水液(図中の“Immersion Fluid”)を通すことでより微細な加工が可能になるもの。液体には純水を利用しており、2世代先の45nmプロセスにも対応できるものだという

65nmプロセスを利用することで、半導体チップは90nmプロセスに対して約半分の面積となり、より省電力で高速なチップの生産が可能となる。技術的には、従来のコバルトシリサイド(CoSix)からニッケルシリサイド(NiSix)への変更と“液浸リソグラフィー”の導入が行なわれるが、それ以外の部分に関しては90nmプロセスの技術がそのまま使用できるため「量産化までの時間を短縮できる」(TSMCジャパン技術担当デピュティーディレクター石原 宏氏)という。

65nmプロセスを採用した半導体の生産は、300mmウエハーに対応した2つの工場(台湾にあるFab 12とFab 14)で行なわれる予定で、量産用の装置は昨年10月に導入済み。すでに65nmプロセスで生産した8Mbit SRAMの試作に成功しており、「歩留まり、形成状況ともに良好な状態である」(石原氏)という。



65nmプロセスの技術に関して解説した、TSMCジャパン技術担当デピュティーディレクター石原 宏(いしはら ひろし)氏

最初に登場するのは低消費電力向けに最適化された製品(Low Power)で、2006年中ごろまでに高速仕様(High Power)の製品、2006年末までに汎用向け(General Purpose)の製品の量産も可能になるという。また、層間絶縁膜(IMD)は、当初90nmと同じ“Low-k”が用いられるが、2007年には、その次の段階としてより誘電率の少ない“ELK”(Extremely Low-k)の採用を計画している。

また、既存の90nmプロセスに関してもコストと性能面での改良が加えられたフェーズ2に移行していくほか、各世代のプロセスルールの橋渡し的な位置づけとなる(80%シュリンク)となる“ハーフ・ノード”プロセスの提供なども行なっていく(90nmと65nmの中間であれば80nm)。



31%の売り上げ増を果たしたが、今年前半は厳しい状況が続くと予想

記者会見では、台湾TSMCの2005年第1四半期(2005年1月から3月期)の決算に関する説明も行なわれた。

TSMCジャパン代表取締役社長の馬場 久雄(ばば ひさお)氏

会見に出席したTSMCジャパン代表取締役社長の馬場 久雄(ばば ひさお)氏は「半導体市場の伸張率は、1980年代から1990年代半ばにかけて年平均15%で推移してきたが、90年代後半以降鈍化しており、2010年までの伸張率は年平均10%程度にとどまるだろう」という予測を示した。

そんな中、台湾TSMCは2004年全体で77億ドル(約8085億円)の売り上げを計上し、前年比31%の成長を遂げた。同氏によると「半導体業界全体では世界第8位の売り上げで、半導体ファウンドリーとしては、47%の市場シェアを占めている」という。またTSMCの強みとして「不況化でも年平均50%伸張率で開発投資を行なっている」点を挙げ、「2005年は4億ドル(420億円)の研究開発投資を行なう」と述べた。設備投資に関しては、昨年300mmウエハー用設備に対して24億ドル(約2520億円)の投資を行なっているが、今年はさらにそれを増やし、2005年は25億ドル(約2625億円)~27億ドル(約2835億円)の投資を行なっていき、「年間600万枚に近い生産キャパシティーを確保したい」とした。



TSMCが生産している半導体のプロセスごとの生産能力、2005年は90nmプロセスの本格的な生産が始まる

しかしながら、2005年の第1四半期の決算は、売り上げが17億ドル(約1785円)で、前年同期比-3%。2004年第4四半期(9-12月期)との比較ではウエハー出荷枚数の低下と為替の影響で-13%減少した。ウエハーの出荷枚数は111万3000枚で、工場稼働率は78%(2004年第4四半期比10%低下)だった。テクノロジー別の売り上げでは、0.13μm以下のものが急増し、全体の45%(前年同期は20%、2004年第4四半期は36%)となった。

この状況は第2四半期も続き、ウエハーの出荷枚数は145万枚程度と1桁台の増加、工場稼働率は80%程度になるとした。



TSMCジャパン代表取締役副社長の小野寺 誠(おのでら まこと)氏

国内市場に関しては、TSMCジャパン代表取締役副社長の小野寺 誠(おのでら まこと)氏が説明。「国内市場の2004年度の売り上げ高は前年比22%の増加とTSMC全体と比べると低いが、日本の半導体市場の成長が2割弱のため、それなりに健闘したと思う」とした。TSMC全体では国内の売り上げは、8割近い割合を占める米国に比べて7~8%とまだ小さいこともあり、「2005年の第1四半期は前年同期比25%の成長を遂げているが、2005年前半は全体に低調で、後半からの緩やかな回復を期待している」という。

全体の売り上げのうち、0.13μm以下のプロセスを利用したものが急増しているのは国内市場も同様で、2005年第1四半期では、2004年第4四半期の18%に対して54%とTSMC全体の水準を上回る割合を占めた。

また、凸版印刷(株)、大日本印刷(株)、シリコンソーシアム(株)などと協力して、国内の企業や教育機関に対して提供している半導体の試作サービス“CyberShuttle Alliance Partnerプログラム”に関しては、新たに大学研究機関向けの割引プログラムを用意し「最大50%の割引を行なっていきたい」とした。



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