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【WinHEC 2005 Vol.1】米マイクロソフト、ハードウェア開発者向けイベント“WinHEC 2005”を開幕――今年のテーマは“64bit”? 期待のLonghorn β版はまたもおあずけ

2005年04月27日 02時06分更新

文● 塩田紳二

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WinHEC 2005初日の基調講演から。Longhornが話題の中心になるかと期待されたが、蓋を開けてみればβ版の配布はなく、中心は64bit OSの話題であった
WinHEC 2005初日の基調講演から。Longhornが話題の中心になるかと期待されたが、蓋を開けてみればβ版の配布はなく、中心は64bit OSの話題であった

米国ワシントン州シアトル市で25日から27日(現地時間)まで、米マイクロソフト社が主催する“WinHEC 2005”(Windows Hardware Engineering Coference:ウィンヘック)が開催された。WinHECはマイクロソフトがハードウェア開発者向けに、今後のWindowsで必要となる同社のさまざまな技術を提示、解説するイベントである。

WinHEC初日である25日には、同社会長兼チーフソフトウェアアーキテクト(Chief Software Architect:CSA)であるビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が基調講演に登場し、同社の今後の方向性について講演を行なった。

PDA大の超小型パソコン“ultra-mobile”のプロトタイプを披露する米マイクロソフト社会長ビル・ゲイツ氏(写真は米マイクロソフト提供)PDA大の超小型パソコン“ultra-mobile”のプロトタイプを披露する米マイクロソフト社会長ビル・ゲイツ氏(写真は米マイクロソフト提供)

以前に同社が次期Windowsである“Longhorn”のβ版を2005年前半中に配布開始するといったことを公言していたため、今回のWinHECではβ版の配布が行なわれるかと注目を集めた。しかし結局β版の配布は今年夏までに行なうとのことで、WinHECでの配布は行なわれなかった。

配布の遅れで気になるLonghornのスケジュールだが、製品が広く出荷されるのは2006年のホリデーシーズン、つまり2006年の年末商戦に間に合う時期ということになっていた。そこまでのスケジュールだが、2005年の夏にβ1を配布。その後9月のPDC(Professional Developer Conference)(※1)で開発者向けの最新バージョンを配布した後に、2005年内にβ2の配布を一般ユーザーにむけて行なう予定だ。

※1 ソフトウェア開発者向けに米マイクロソフト社が行なうイベント。今年は9月13日から16日まで開催の予定

Longhornクライアント版のロードマップ。年内に2つのβ版が登場し、製品出荷は2006年のホリデーシーズンだという
Longhornクライアント版のロードマップ。年内に2つのβ版が登場し、製品出荷は2006年のホリデーシーズンだという

サーバー向けOSに関しては、クライアント版Longhornのさらに後という感じだ。ロードマップとしては、2005年内に予定されている『Windows Server 2003 R2』、そして“HPC”(High Performance Computing Cluster)対応の『Windows Server 2003 Compute Cluster Edition』の次に、“Longhorn Server”という予定となっている。

サーバー系OSのロードマップ。Windows Server 2003のアップデートの後には“Longhron Server”となるが、サーバー版の登場はクライアント版の後になる
サーバー系OSのロードマップ。Windows Server 2003のアップデートの後には“Longhron Server”となるが、サーバー版の登場はクライアント版の後になる

Longhornではすでに、新しいストレージサブシステム“WinFS”を導入せずに出荷するという発表がなされているが、基調講演では、ファイルを扱うフォルダウィンドウ(“エクスプローラ”)の機能デモが披露された。WinFSでは電子メールやアドレス帳といったデータまでもOSレベルで扱えたのに対して、最初に登場するLonghronでは、条件設定次第でダイナミックに内容が変化する“仮想フォルダ”をサポートするようだ。これは現在の『Outlook 2003』にある“検索フォルダ”を、OS標準のエクスプローラに実装したものといえるだろう。またエクスプローラには“デスクトップ検索”の機能が組み込まれ、ファイルにつけたキーワードを元に、情報を分類した仮想フォルダを作ることができるようだ。

Longhornの“エクスプローラ”。データの内容を表示するとともに、検索条件などを指定した“仮想フォルダ”(写真中ではノートと虫眼鏡が付いたフォルダ)が利用できる。このフォルダ表示は、アイコンが内容表示になることや自由に拡大縮小ができるなど、Linuxの“Nautilus”ファイルマネージャによく似ている
Longhornの“エクスプローラ”。データの内容を表示するとともに、検索条件などを指定した“仮想フォルダ”(写真中ではノートと虫眼鏡が付いたフォルダ)が利用できる。このフォルダ表示は、アイコンが内容表示になることや自由に拡大縮小ができるなど、Linuxの“Nautilus”ファイルマネージャによく似ている
Longhornのデモでは定番の透明ウィンドウのデモ。今回は動画の上のウィンドウも透けて見えている。グラフィックサブシステム“Avalon”の実装が進んでいることをうかがわせる アプリケーションの実装に依存せず、Longhornではウィンドウ自体の拡大表示が可能になる。このためパソコンでもHD(High Definition)レベルのディスプレーが利用可能になる
Longhornのデモでは定番の透明ウィンドウのデモ。今回は動画の上のウィンドウも透けて見えている。グラフィックサブシステム“Avalon”の実装が進んでいることをうかがわせるアプリケーションの実装に依存せず、Longhornではウィンドウ自体の拡大表示が可能になる。このためパソコンでもHD(High Definition)レベルのディスプレーが利用可能になる

また次世代のハードウェアとして、超小型のパソコンやノートパソコン用の2つめのサブディスプレー(かつて米インテル社などがコンセプトモデルで提案していたもの。携帯電話のサブ画面に似たイメージ)などのデモが行なわれた。

7インチのペン操作対応液晶ディスプレーを備える超小型Tablet PCのコンセプトモデル“ultra-moblie” 台湾ASUSTeK Computer社によるサブディスプレー“Auxiliary display”を搭載するノートパソコンのイメージ
7インチのペン操作対応液晶ディスプレーを備える超小型Tablet PCのコンセプトモデル“ultra-moblie”台湾ASUSTeK Computer社によるサブディスプレー“Auxiliary display”を搭載するノートパソコンのイメージ
2点とも米マイクロソフト提供

一方で今回のWinHECでは、64bit対応が大きなテーマとなっている。日本でも先週末から販売が開始されたが、マイクロソフトは25日、Windows XPとWindows Server 2003の64bit版(x64 Edition)を正式発表した。同社では1985年のXenix(マイクロソフトがx86に移植したUnux)をスタートとして、今年2005年で3回目の10年期に入ったと定義した。第1次10年期が16bit、Windows95からの第2次10年期が32bitとすると、新たな10年期は64bitなのだという。またLonghornでは最初から32bit版と64bit版が用意されるという。

結局今回のWinHECは、Longhronよりも64bit OSに焦点が当たっているようだ。しかしすでに64bitのCPUが普及しつつある現状では、少々盛り上がりに欠ける話題ではあることは否定できないだろう。

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