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PENTAX *ist Ds

PENTAX *ist Ds

2005年05月10日 00時00分更新

文● 小林 伸

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過去のレンズ資産が
生かせるのは魅力

 今回テストサンプルを撮影するに当たって使用したレンズは「smcPENTAX-DAズーム18~55mmF3.5~5.6AL」(以下18~55ズーム)。35mmフィルム換算で27.5~84mmの広角から標準域までのほどよい焦点距離をもったズームレンズである。DAレンズは絞りリングのないデジタルカメラ専用のレンズである。これは、本機とともに普及させることを狙ったもので、開放レンズ値こそそれほど明るくはないが小型軽量でボディに装着したときのバランスがいい。

撮影サンプル1 撮影サンプル1a
撮影サンプル1。全体を幅640ドットに縮小したもの。撮影サンプル1の縮小前の画像から、中央部分を640×480ドットにトリミングしたもの。
■撮影条件 絞り優先AE/F8、露出補正:+0.3、ISO感度:200相当、ホワイトバランス:晴天、レンズ焦点距離:55mm

 レンズマウント自体は昔ながらのKマウントで、純正の各種マウントアダプタを使用すれば中判カメラのPENTAX 645や67のレンズ、スクリュータイプのSマウントなど、昔のレンズも使用できる。その際にはカスタムファンクションの設定で「絞りリングの使用」を許可にしておく必要がある。過去の資産が生かせるのは大きな魅力であると同時に楽しみでもある。

撮影サンプル2 撮影サンプル2a
撮影サンプル2。全体を幅640ドットに縮小したもの。撮影サンプル2の縮小前の画像から、中央部分を640×480ドットにトリミングしたもの。
■撮影条件 絞り優先AE/F5、露出補正:-1、ISO感度:400相当、ホワイトバランス:晴天、レンズ焦点距離:18mm

 気になったのは、カメラのミラーショックとその音質である。ミラー自体はAPS-Cサイズに合わせた、35mmカメラよりもかなり小型のもので、それほど慣性モーメントが大きく発生するようには見えないのだが、シャッターを切ったときのショックは結構気になった。そしてたくさんの人が周囲にいるような状況ではその音の大きさから何度か振り向かれることがあり、ことのほか音が周囲に響いているように感じる場面があった。

撮影サンプル3 撮影サンプル3a
撮影サンプル3。全体を幅640ドットに縮小したもの。撮影サンプル3の縮小前の画像から、中央部分を640×480ドットにトリミングしたもの。
■撮影条件 プログラムAE、露出補正:+0.7、ISO感度:200相当、ホワイトバランス:晴天、レンズ焦点距離:20mm

 画面内の輝度差の激しい場面で、輝度の高い方へピントが合ってしまう状況も幾度か経験したが、頻繁に起こるわけではない。このときはMFに切り替えて撮影したのだが、ファインダ・スクリーンのマット面は意外にピントの確認がしやすくMFレンズでの使用も苦にならないのではと思わせた。実際試しに67のレンズをアダプタを介して使用してみたのだが特に問題は感じなかった。

 一方、シャッターのタイムラグも若干あるようでシャッターボタンを押してから、実際にシャッターが動作するまでに一呼吸の間が存在し、感覚的に馴れが少し必要だった。これらは評価機が製品直前の量産試作機だったことも関係しているだろう。

 連写速度は2.8コマ/秒でコンシューマ機としては充分な速度で、一度のレリーズで露出を変えて撮影できるブラケット撮影時でも素早く3枚の連写ができる。連続撮影枚数はJPEGで8コマ、RAWで5コマとなっているが書き込みスピードが思ったより速いので、JPEG撮影時であれば制限を感じないくらいのテンポで撮影することができる。


 本機は、*ist Dの下位機種として発売されたものの基本性能で劣ると思われる部分はほとんどない。解像度の同じCCDを搭載している同じメーカーのカメラでわざわざ目立った優位性を感じない上位機種にユーザーは手を出すだろうか。あえて言うなら記録メディアがSDメモリーカードなので、最大でも1GBのメディアしか使用できないということぐらいだろう。自社の上位機種さえも喰ってしまいそうな*ist Dsは他メーカーのデジタル一眼レフを持ったユーザーにとってもかなり気になる存在だと思う。

小林 伸のこんな風に使いたい

 ペンタックスの中判カメラユーザーの1人としては、変換アダプタを揃えておいて6×7カメラと一緒に持ち出してみたり、中古屋で昔のレンズを見つけてきて、わざと解像度の悪いレンズで撮影してみたいと思っている。いまどきのカリカリ、チリチリに解像力やコントラストの高いレンズもいいが昔の軟らかい描写をするレンズで遊んでみたいのだ。

背面モニタ
ファンクションボタンで基本的なWB、ISO、測光モード、フラッシュ発光モードの設定変更画面ができる。
PENTAX *ist Dsの主なスペック
製品名 PENTAX *ist Ds
有効画素数 610万画素
液晶 2.0型TFT(21万画素)
ファインダ ペンタプリズム式(視野率95%、0.95倍)
シャッター速度 1/4000~30秒
電源 単3形電池×4
記録メディア SDメモリーカード
サイズ(W×D×H) 125×66×92.5mm
重量 505g(本体のみ)

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