このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

【遠藤 諭の快適iPod life(Vol.4)】『Griffin iTalk』―― ボイスメモとしての素質は? 録音時間は? バッテリ駆動時間は?

2005年04月19日 17時07分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

iPodは、ボイスレコーダー専用機たりうるのか?

iTalkには、ボイスレコーダーの専用機のように、フォルダに分けて録音したり、マークしてリピートするといった機能はない。録音データが増えてくると、どれがどれか分からなくなってくる。録音するたびに「~氏のインタビュー」など冒頭に録音しておくことをお勧めする。

しかし、iPodのHDDへの保存はなかなか頼もしい。最近は、ボイスレコーダーの専用機もHDD搭載のものが出てきているが、ハードディスクの容量がまるで違うからだ。試しに録音したデータをiTunesで同期してみてWAVファイルの大きさを確認してみた。

音:30分のオフィスの音
ファイルサイズ:27.5MB

音:0秒(録音開始前に停止)
ファイルサイズ:44バイト

30分のほうは、正確には“30分01秒”で停止したつもりだったが、iTunesのプロパティで確認すると“30:01.872”と非常に細かな時間になっている。私の15GBのiPodは、今日時点で3GBほどの空きがあるので、そのままで約56時間の保存が可能なはず。15GBがまるまるあいているなら、まるまる10日以上の録音が可能ということになる。iPodに電源を繋いだまま1週間分の録音をして、WAVファイルのエディタ(波形が見える奴)で、要所だけ聴いていくようなことも可能なはずだ。めったに鳴かない動物の声を録音するような使い方にはお勧めといえる。

プロパティで確認
プロパティで確認

ボイスメモならPDAを使って録音している人が、私のまわりにも何人かいる。 はたして、ボイスレコーダーの専用機を持つ必要があるのか? PDAやiPodなどの音楽プレイヤーで録音するのがいいのか? ちょっと迷っている人もいるでしょう。そこで、気になるのは、やはりバッテリの消費。これからインタビューに行くときに、それを気にして音楽を聴くのはやめておこうか、というのはあまり楽しくない。参考までに、バッテリの消費時間の簡単なベンチをやってみた。

ハード:第三世代iPod(通常使用)
初期状態:電源フル表示
テスト:オフィスの音を録音
電源表示半分:約1.5時間
シャットダウン:3時間42分01秒

くれぐれも、これは私が日常的に使っている第三世代iPodでのテストであることをお断りしておく。新品状態でバッテリ駆動時間は8時間とされていたものだが、それなりにバッテリが劣化しているものと思われる。バッテリ駆動時間が12時間とされる第四世代なら5~6時間の録音はできるはずである。したがって、インタビューなどに出かける前に電車の中で1時間や2時間聴いたとしても、フル充電状態からならインタビューなどの実用的な録音時間は確保されるといえそうだ。当然のことながらシャットダウンしても、電源を接続すればきちんとファイルは保存されていた。

ところで、韓国では語学学習に音楽プレイヤーを使う人が結構多いそうだ。プレイリストを上手に使うと、少ないメモリでリピート学習のような形で聴けるなど便利な点が多いかららしい。音楽プレイヤーを語学学習専用に使う人がいるなら、ボイスレコーダー専用機として使うという発想もあるだろう。とくに、iPodを何台も買ってしまっている人にはよいでしょう。ただし、バッテリ駆動時間は、旧モデルでは決して長くないので、サードパーティ製の外付けバッテリか、なんらかの電源接続が必要かもしれない。

最後に、どうしても主観的ではあるが、音について。内蔵マイクの特性なのだと思うが、空調などの音をかなり拾ってしまう。しかし、いわゆる会議や個人用のメモに使うなら、まずまずではないかと思う。PDAのボイスレコーダーソフトでは、サンプリングレートなどやたら細かな設定があったり、専用のボイスレコーダーにもいろんな切り替えがあるが、実用上は、このシンプルさもいいからだ。録音データをiTunesで再生してみると分かるのだが、音自体は録音スペックどおりそのあたりをカバーしうるクリアな音で録れているからだ。 普段音楽で“ちょい録”にもよし、何回にも分けて録音を入れたまま足していくのにもよし、iPod+iTalkは、スペック的にはボイスレコーダー専用機というわけにはいかないが、バックアップ的に持っていてもよさそうな逸品といえる。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中