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東芝、HDD内蔵液晶TV“ちょっとタイム“face”LH100シリーズ”を5月下旬に発売

2005年04月18日 20時24分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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『37LH100』
37インチタイプの“ちょっとタイム“face””『37LH100』

(株)東芝は18日、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京にプレス関係者を集め、液晶TV“face(フェイス)”シリーズの新製品として、160GB HDDを内蔵して視聴している番組の一時停止や再生といった“タイムシフト視聴”、および予約録画機能を搭載する新製品“ちょっとタイム“face”LH100シリーズ”(3製品)を5月下旬に発売すると発表した。各製品の画面サイズと同時発売のオプション、および編集部による予想実売価格は以下のとおり。

『37LH100』
37インチ/50万円前後
『32LH100』
32インチ/35万円前後
『26LH100』
26インチ/31万円前後
交換用HDDユニット『THH-16U1』
160GB/オープンプライス(5月下旬発売予定、5万円前後)
専用テレビ台(LZシリーズと共通オプション)『RL-F120』
オープンプライス(発売中、6万円前後)
専用テレビ台『RL-F80』
オープンプライス(発売中、5万5000円前後)

新倉 諭氏
デジタルネットワーク社副社長 兼 テレビ事業部事業部長の新倉 諭氏

発表会にはデジタルネットワーク社副社長 兼 テレビ事業部事業部長の新倉 諭(にいくらさとし)氏、テレビ事業部TV商品企画部部長の恩田貴弘(おんだたかひろ)氏らが出席し、新製品投入の背景や同社のTV事業への取り組みなどを説明した。

東芝のTV関連のアライアンス戦略の具体例 国内のTV需要の動向
東芝のTV関連のアライアンス戦略の具体例国内のTV需要の動向

最初に新倉氏が挨拶し、「“驚きと感動を与える”というテーマをシェアできる製品。“映像の東芝”をTV事業から支える製品発表になる」と切り出し、新製品にかける意気込みの強さを印象付けた。

さらに、TV商品戦略について同カンパニー(デジタルネットワーク社)社長の藤井美秀氏の2004年秋の発言を繰り返す形で、「FPD商品群の多層化によるシェア拡大、コア技術による付加価値送出、ハード・ソフト(コンテンツ)両面からの戦略的アライアンスの構築を進める」と説明。具体的な新技術について、

SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)
2006年春に、キヤノン(株)とともに商品化を目指す(関連記事はこちら)
液晶パネル(IPS、In-Plane Switching)
2006年秋に、(株)日立製作所/松下電器産業(株)とともに商品化を目指す(関連記事はこちら)
CELL
2006年秋に、ソニー(株)/米IBM社とともに商品化を目指す(関連記事はこちら)

と、次世代のコア技術についてアライアンスを組んで進めている事業を振り返った。

CMキャラクターに松井秀樹選手を起用
ちょっとタイム“face”のCMキャラクターに、NYヤンキースの松井秀樹選手を起用することも発表された

一方、TV市場の動向については、国内の普及率が高く飽和状態が続くため、出荷数量は2003年実績の約850万台から、2006年予測が約900万台と微増にとどまるものの、内訳を見ると2006年には液晶TVが約6割、PDP(プラズマディスプレーパネル)TVを加えると7割が薄型TVにシフトすると強気に予測。今回の発表には含まれないが、同社の低価格液晶TVシリーズ““face”LCシリーズ”に夏ごろ20インチと42インチクラスを追加して、製品ラインナップの拡充を図ることも明らかにし、今回発表のLHシリーズ、ネットワーク対応と高画質化を備える最上位機種の“LZシリーズ”を合わせて、国内シェア15%(現時点では10%)、グローバルシェアで10%(同7%)の獲得を目指すとしている。

恩田貴弘氏
テレビ事業部TV商品企画部部長の恩田貴弘氏

続いて、恩田氏が新製品の特徴、特にHDDレコーダー機能を内蔵した理由について、「ボイスインタビューでユーザー自身のTV製品への機能要求を調べた」ところ、

  • 流行に敏感で新しい物好き
  • 主婦感覚なTV好き(見たい番組をとにかく見逃したくない)

という需要に応える製品が必要と判断。編集機能やアーカイブ機能(DVDメディアへの長期保存)は持たないものの、不意の来客や電話、トイレの用足しなどでTVを前を離れるときにもシーンを見逃したくない、いつ帰宅しても最新のニュースをチェックしたい、という要望を満たす機能を搭載したのが“LHシリーズ”であると説明した。

ちょっとタイム機能の説明 今すぐニュース機能の説明
ちょっとタイム機能の説明今すぐニュース機能の説明

LHシリーズの特徴は、

  • 最大60分のループ録画を実現する“ちょっとタイム”機能
  • ニュース番組を定期的に録画して、直近のニュースを表示する“今すぐニュース”機能
  • 地上アナログ放送のほか地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル放送の電子番組表を表示し、番組一覧情報から予約録画を行なう“簡単ハイビジョン録画”機能

などが挙げられる。ちょっとタイム機能は、常時MPEG-2エンコード/デコードしながらTV表示を行なうことで、リモコンの一時停止ボタンを押すとその場面で停止、録画を開始し、もう一度一時停止ボタンを押すと、停止した場面から再生を始めるというもの。最長60分まで設定でき、60分を過ぎると古いデータが自動的に上書き(消去)される。録画ビットレートの詳細は公表されていないが、録画画質の高い順にXP/SP/LP/EPの4レベルが用意され、160GBのHDDにそれぞれ最大約31時間/61時間/98時間/156時間の記録が可能。

今すぐニュースをデモしているところ
今すぐニュースをデモしているところ

今すぐニュース機能は、毎日定期的に放送されるニュース番組を重ね書き録画しておき、リモコンの専用ボタンを押すことで直近に録画されたニュース番組を再生・視聴するもの。録画ユーザーによるチャンネルや時間の指定が可能(最長90分、9番組まで)。

そのほか、電子メールによる外出先からの予約録画機能、ウェブブラウザー/電子メール機能、ステレオ音声を仮想サラウンド再生する“SRS WOW”機能、デジタルカメラの画像をTV画面に表示するためのUSB 1.1端子、などを内蔵。地上アナログ放送のアンテナ状況による画質劣化や、デジタル放送特有のブロックノイズの軽減/高画質化を図るため、“デジタル新頭脳 メタブレイン”を搭載し、画素単位での明るさ調整“ヒストグラム・ダイナミックガンマ”、空の青さや肌色などを好ましく思われる色味に調整する記憶色再現機能“カラーイメージコントロール”、MPEG圧縮された映像で文字の周囲に発生しやすいモスキートノイズを低減する“MPEGノイズリダクション”などを搭載。

液晶パネルのスペックは、表示解像度が1366×768ドット(16:9)、輝度は500cd/m2、視野角は上下左右176度(26インチタイプのみ170度)。バックライト寿命は約6万時間。スピーカーは10W+10W。ビデオ入力端子は、コンポジット×3およびS2×2(26インチタイプはS2×1)、D4×1。

本体サイズと重量は、37LH100が幅91.3×奥行き35.1×高さ75.3/33.0kg、32LH100が幅79.4×奥行き35.1×高さ66.7/26.7kg、26LH100が幅67.8×奥行き35.1×高さ59.4/23.5kg。消費電力は順に、236W(リモコン待機時:0.6W)、189W(同)、180W(同)。


なお、発表会後のQ&Aで記者から、「SEDと液晶TVの住み分けは?」と聞かれると、「SEDのパネル自体は今年夏から生産を開始する。当面は50インチで生産し、製品化も50インチからとなるため、40インチクラスまでは液晶(パネル)、それ以上はSEDという住み分けになる」(新倉氏)と答えた。同社では40~50インチクラスにおいて、米国市場向けにPDP TVも発売しており、当面はサイズ別に採用するパネルを使い分け、SEDは最上位モデルからの市場投入になりそうだ。



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