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Mio 168 RS

Mio 168 RS

2005年04月18日 00時00分更新

文● 行正 和義

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バイクや自転車のナビにもピタリフィット!!

オートバイのタンクバックに入れて ハンドル部分に固定して
オートバイのタンクバックに入れて使ってみた。ビニール越しとなるため液晶の視認性は落ちてしまうが、一番手軽に使える方式だろう。付属スタンドのマウント部と汎用アームスタンドを組み合わせて、ハンドル部分に固定して使ってみた。固定はプラスチック結束バンドを使ったが、振動で落ちる不安はない。視線移動が少なく、走りながらでもなんとか地図を確認できる。

 さて、自動車と同様にぜひとも使いたいのがオートバイでの利用だ。オートバイツーリングでもGPS機器は非常に重宝するアイテムだが、カーナビ製品を気軽に転用するには固定する場所も電力供給の面でもやっかいなため、小型軽量なハンディGPS機器の需要は高い。Mioを使ってみると、ちょうどオートバイ用タンクバッグ(ガソリンタンクの上に磁石などで装着・固定するバッグ)にすんなりと収まった。タンクバッグの多くは上面が透明なビニール素材になっていて、紙ベースの地図を入れておけるのだが、MioのGPSアンテナをいっぱいまで(約180度)開いて入れておけばアンテナの受信状態もよく、液晶も十分見える。ビニール越しでは感圧式タッチパネルをうまく操作できないが、走行中に操作することもないので問題ない。また、前傾姿勢をとるオートバイでは走行中に液晶画面を見ることが難しく、排気音とヘルメット越しでは音声ナビを聞き取るのも難しいのは難点だ(ヘルメット内でイヤホンを装着して音楽を聴きながら走る人もいるが、周囲の音が車以上に走行中の危険認知に役立つオートバイでは推奨されない)。走行中でも画面を見やすいハンドル周辺に設置・固定できれるのが理想だが、しかるべきマウントがオプションで用意されていないのは残念。また、汎用の車載スタンドのように露出した状態だと突然の雨などにも弱そうなので、簡単な防水性能のあるケースもほしかった。

自転車に積んで利用
自転車に積んで利用する。自転車のハンドル部にセットするタイプのバッグなどにゴムバンドで固定してもよいが、ハンドル部にセットすると見やすい。

 自転車での利用も同様で、やはりどこにマウントするかが使い勝手の要となるが、オートバイと違って音声ガイドは聞きやすく、バッグの中に入れていても使えるのはありがたい。とはいえ、音声案内だけではやはり走りにくく、信号待ちなどで停止する際に気軽に取り出して地図表示を確認できるように携帯場所には工夫しよう。



自転車に積んで利用2
固定には、Mio付属スタンドのマウント部をそのまま使い、自転車のハンドル部などにハンディライト(いわゆるマグライト)をセットするためのゴムブロックとベルクロで縛りつけた。本体が露出したままとなるので転倒時などはちょっと不安が残る。

 オートバイ/自転車で利用する場合、やはり心配なのは電池の持ちだろう。Mioは本体のみならば12時間の利用が可能だが、GPSを併用すると半分以下の5.5時間となる。車載の場合であれば付属のシガーライター用充電器を接続しておけば長時間利用が可能だが、オートバイや自転車で丸一日のツーリング/サイクリングともなれば心もとない。オートバイならばバッテリーから12Vを取り出す工夫をすることで(最初からソケットを持つ製品もある)車載充電器を流用することも可能だが、自転車では難しい。自転車で長時間利用を考えている方は、オプションの増設バッテリーをぜひとも揃えておきたい。特にMio Mapの動作中はパワーマネジメントがOFFとなり、ナビ用途として当然のことながら、操作なしでも本体がスリープしないようになっている。目的地に着いたり移動の途中で休憩している際はこまめに電源を切ってバッテリーの節約を心がけよう。

 Mio Mapはカーナビ/歩行ナビとしてかなり使えるソフトであるが、もの足りない点を挙げるとすれば、パソコンとの連携機能だろう。スポット登録という機能があり、位置(緯度・経度)や場所の名前をcsv形式にしてMio Mapに読み込ませることができ、目的地や経由地を簡単に指定できるのだが、地図から座標を取り出してファイルとするためのパソコン用アプリケーションが用意されていない。また、オートバイや自転車ツーリングでは走行履歴(ログ)を残してパソコンなどで振り返ることによって次回のツーリングの参考にするケースもあるのだが、Mio Mapにはこのログ機能がないのも残念。


 従来のMio 168が4万円を切る手ごろな価格だったのに対し、Mio 168RSは7万円を超える価格となり、気軽に買える値段とは言いがたいものの、ルート検索などが可能なMio Mapに加えて1GB SDカードが付属するなど、セット内容の充実ぶりを見ればさほど割高というわけではない。特に地図データのインストールやアンテナ設定などが面倒なモバイルGPSにとって、付属のSDカードを装着するだけですぐに使い始められる点は手軽で優秀だ。

バイクツーリングの強い味方になりうる「Mio 168 RS」

 もちろんMio Mapによるナビ用途だけではなく、音楽や映像を楽しむためのマルチメディアプレーヤーとして利用できるし、SDカードスロットに無線LANカードを装着すれば出先でのWebブラウジングも快適な速度で行なえる。特に最近では高速道路のサービスエリアや一般道の“道の駅”を中心に無料無線LANアクセスサービスも展開されているため、天気概況や渋滞など道の混雑状況を休憩中に確認できるのもドライブ/ツーリング/サイクリングのお供として重宝するだろう。

 ポータブルGPSの場合、携帯性や地図の視認性、車などでの利用しやすさなど、さまざまな要因が使い勝手を決める。ノートパソコンやPocket PCをベースとした場合、カーナビ専用機に比べればルート検索の精度や日中での液晶の視認性でややもの足りなく感じる部分も確かにある。が、プラットフォームがWindows CEだけに、付属ソフトもバージョンアップなどのサポートが容易なことなど専用機に比べて利点があり、既存のGPS/地図ソフトウェア類も利用できるし、ユーザーが増えればMio Mapの機能を補填するツールやソフトウェアの登場も期待できるはず。Mio 168 RSは、Pocket PCベースのハンディGPSのなかで“最も使える”1台であることは間違いない。

「Mio 168」ユーザーから生の声!! アウトドア派デザイナー尾関の場合

デザイナー尾関
浮かれすぎてヘルメットにマウントしてしまったデザイナー尾関。もちろん、この状態で走るわけではありません。やりすぎです。くれぐれもGPSの操作は運転に支障のない範囲でお願いします。

 地図大好きデザイナーであるところのワタクシメは、ナビ未搭載で出荷されたMio168に躊躇なく飛びついたわけですが、このほど、めでたくMio Mapがリリースされ、Mio168は製品名も「Mio 168 RS」になり。無印のMi0168を購入したユーザを対象に先行優待販売というかたちで本体のバージョンアップと、RSがRSである拠り所のナビゲーションソフト「MioMap」の配付が受け付けられました。

 いろいろ苦労しながらRS相当にアップデートを済ませたところで、さて、実走テストです。MioMapには“徒歩モード”“自転車モード1、2”“自動車モード”“現在位置モード”と5つのモードが用意されていますが、今回は“自動車モード”を“有料道路を利用する”のチェックを外して使用してみます。ルートは東京・青山の国連大学前とお台場海浜公園の往復です。これは、Webサイト上でユーザーから「橋の認識がおかしい」との報告が見られたためで、レインボーブリッジをちゃんと“一般道”と認識できているかを試すという、ちょっと意地悪なルートです。ルート検索をすると案の定、勝どき橋を渡って東雲(しののめ)まで行くルートを表示します。確かにレインボーブリッジを利用しないとなると妥当なルートです。ですが、「有料道路を利用する」のチェックを入れてやると、マトモなルートを生成するところを見ると、どうやらレインボーブリッジを有料道路としてしか認識してないようです。そこで、復路(海浜公園から国連大学前)では指示を無視してレインボーブリッジを渡ってみました。すると奇妙な現象がおきました。リルートしながら海から橋の途中へ合流を促すのです。めぼしい合流地点は……ありました! レインボーブリッジの歩道部分です。もしかすると“徒歩モード”のデータベースとごっちゃになっている部分があるのかもしれません。ほかにも西麻布や赤坂の立体交差で、なぜか側道に誘導されてしまいます。ナビの精度にはばらつきが感じられます。

 また、現在地の表示にちょっと癖があるようで、心無しか“手前”に表示されます。例えば自分は確かに交差点の停止線にいるのに、地図では20mほど手前に表示される感じです。ほかにも、軌跡が表示されなかったり、インターネットに繋がないと施設検索ができなかったり、ユーザーポイントの設定がイマイチやりにくかったりと未完成な感があります。しかし、コンビニなどの施設アイコンは見やすく(それでいて検索できないのはもったいない)、インターフェースも良好。無印の頃とくらべると、GPSとしての導入のしやすさは段違いです。

 無印とRS、双方の価格差は約3万円ですが、約7万円(RS)と約4万円(無印)となると倍近いものがあります。

 それでも、ワタクシメはRSをお勧めしたいです。動く地図としての見やすさ、インターフェースの良さは価格差以上の価値が感じられます。そして5月頃にアップデートが行なわれるというネット上の噂を耳にするに、その感はますます強まるのでございます。


Mio 168 RSの主なスペック
製品名 Mio 168 RS
OS Microsoft Windows Mobile 2003 Second Edition software for Pocket PC
CPU Intel Xscale PXA255-300MHz
本体メモリ 32MB FLASH ROM+64MB SDRAM
モニタ 3.5インチ半透過型TFT液晶ディスプレー、240×320ドット/6万5536色表示
解像度 640×480ドット/6万5536色(30万7200画素)
カードスロット SDIO/MMCスロット(SDIO Now!準拠)
I/O USB 1.1(付属クレードル用)×1、ステレオヘッドホン(ミニジャック)×1
電源 DC5V/1A、リチウムイオン充電地(1350mAh)
バッテリー駆動時間 GPS使用時:約5時間、GPS未使用時:約12時間、サスペンド:約21日間
サイズ(W×D×H) 69.6×112.8×24.15(最薄部16.3)mm
重量 約147g
付属品 1GB SDカード(ゼンリン全国道路地図情報収録)、ACアダプター、USBケーブル、車載用ホルダースタンド、車載用充電アダプター、イヤホン変換アダプタ、ソフトケース、専用地図ソフト「MioMap Ver.1.0J」、昭文社SuperMapple Digital for Mio CD(CD-ROM)、コンパニオンCD(Microsoft ActiveSync+Microsoft Outlook、CD-ROM)

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