初年度10万台の目標を達成
日本ビクターAV&マルチメディアカンパニー商品企画部長の北見雅則氏 |
記者会見に出席した、日本ビクターAV&マルチメディアカンパニー商品企画部長の北見雅則(きたみまさのり)氏は、Everioシリーズの出荷台数について「初年度の約束だった10万台を達成できた」と報告した。予想通りの評価を得た日本/ヨーロッパ市場に加え、アジア/中国市場が予想外の好調を示したのがあと押ししたという。米国市場に関しては、予想を下回ったが、これは「大手量販店への出荷が(他地域の11月に対して)2月に遅れてしまった」のが原因だという。
同氏は、ハードディスク記録型のビデオカメラの登場によってビデオが子供の成長や人生の重要なイベントを記録するための機器から、ビジネスの道具やより気軽な日常生活を撮るためのカメラとして受け入れられるようになったと指摘する。
また、Everioの商品企画を担当した松尾浩司氏は「GZ-MC100/MC-200の購入層はビクターが想定していたテープの使いにくさに不満を持っている人ではなく、初めてビデオカメラを購入した層が半分を占めた」と報告した。同氏は「携帯音楽プレーヤーやHDDレコーダー、デジタルカメラなどの利便性をすでにユーザーは知っており、HDDを記録媒体に選んだビデオを消費者が違和感なく受け入れてくれたのではないか」と分析する。
記録メディアのマイクロドライブも、既存の6GBから年内には8GB/10GBの製品が出てくる見込みだ。発表会でプレゼンを行なった(株)日立グローバルストレージテクノロジーズの担当者によると、垂直磁気記録の利用によって、すでに230Gbit/平方インチの記録密度の実証実験に成功しており、2年後には実用化が可能だという。この記録密度は現在のマイクロドライブの3倍程度となっており、2006年末から2007年までには15~20GBの製品も投入可能になることになる。
マイクロドライブのロードマップ |
HDDビデオカメラの市場は、昨年できたばかりのまだ新しい市場である。より長時間の動画撮影やハイビジョンのような高画質が求められるのは必然である。「容量が増加しても問題なく対応できるのが、Everioの強み」と北見氏は語るが、ハードディスクの採用で実現した“使い勝手のよさ”に加えて“安価で大容量なメディア”という条件がHDDビデオカメラの普及のために必要だ。