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マイクロソフト、LZH形式ファイルの展開を行なう“圧縮(LZH形式)フォルダ”機能を発表――WGAプログラムとして無償で提供

2005年04月07日 21時28分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は7日、正規のWindowsユーザー向けの特典提供プログラム“Windows Genuine Advantage Program”の一環として、Windows XPおよびWindows Server 2003用のLZH形式圧縮ファイルの展開機能“圧縮(LZH形式)フォルダ”の提供を28日に開始すると発表した。同機能のコンポーネントの配布は、WGAプログラム特典ソフトウェアダウンロードページ(http://www.microsoft.com/genuine/offers/)で行なわれる。

“圧縮(LZH形式)フォルダ”を導入したあとのExplorerの画面。ウィンドウ中のやや緑色を帯びたフォルダーライクなアイコン(左列の上から3、4番目と、右列の上から2番目)がLZH形式のファイル。ちなみに、左列1番上は通常のフォルダー、右列上から3番目はzip形式ファイル。この画面でLZH形式ファイルをダブルクリックすると、通常のフォルダーを開くのと同様に、圧縮ファイル内のファイルが表示される

Windows XPには、zip形式の圧縮ファイルの展開とzip形式によるファイルの圧縮を行なう“圧縮(zip形式)フォルダ”機能が標準で搭載されている。今回提供される機能は、LZH形式の圧縮ファイルの展開をWindows XPおよびWindows Server 2003(いずれも64bit版は除く)に追加するもので、従来の“圧縮(zip形式)フォルダ”機能の圧縮ファイルの展開とほぼ同様の操作性で、LZH形式の圧縮ファイルの展開が行なえる。なお、ファイルの圧縮機能は持たない。

また、Windowsのセキュリティーを向上させる機能として、Windows XP SP2に搭載されている“AES(Attachment Execution Service、添付ファイル実行サービス)”機能との連携により、zip形式ファイルの場合と同様に、Internet ExplorerやOutlook Expressでダウンロード/受信したLZH形式圧縮ファイルに含まれる実行形式ファイル(exeやcom)の実行をブロックすることが可能となる。これはInternet ExplorerやOutlook Express上での操作のほか、一旦HDD上に保存したLZH形式ファイルについても実行のブロックが適用され、Internet ExplorerやOutlook Expressでダウンロード/受信したファイル内の実行ファイルを使用するには、別途実行ブロックの解除操作が必要となる。

Windows本部パートナーマーケティング部シニアテクニカルエバンジェリストの大塚友則氏“File Associations”で検索される拡張子のランキング(2005年1月時点)

この日開催された記者説明会で、“圧縮(LZH形式)フォルダ”の概要について説明した、Windows本部パートナーマーケティング部シニアテクニカルエバンジェリストの大塚友則氏によると、LZH形式の圧縮ファイルは、日本人により開発され、MS-DOSの時代から広く普及し、現在も事実上の標準として用いられているが、OSが標準でサポートしていないため、別途対応アプリケーションをインストールする必要があり、導入が難しいという例があるという(対応アプリケーションを探してインストールする/新たに使い方を覚えるのが難しいという初心者層や、企業内システムの運用ポリシーの制限で対応アプリケーションをインストールできないというビジネスユーザーなど)。また、アプリケーションに関連付けられていない拡張子を持ったファイルを開くためのアプリケーションがない場合に該当するアプリケーションを案内するウェブサイト“File Associations”での統計によると、Windows XPのリリース以降、LZH形式ファイルが常にトップになっているという。

さらに、Windows XP SP2のリリースにより、Windows XPが標準でサポートしているzip形式ファイルに関しては“AES”によりセキュリティーの向上が図られたが、LZH形式ファイルではこの機能は無効であり、対策の必要性がさらに高まったとしている。

大塚氏によると、同社では、日本のユーザーからのフィードバックを元に、次期Windowsのリリース前にこれらの問題を解決していくための日本独自の開発プロジェクトを日本において開始しているといい、今回の“圧縮(LZH形式)フォルダ”の開発と提供は、この取り組みの一環として実施されたという。また同氏は、「日本のユーザーの声に応えるためのアンテナを(今後も)立てていきたい」として、今後の製品開発にも、日本独自のものも含めて、広くユーザーからのフィードバックを生かしていきたいと述べた。

なお、今回の提供される機能にはない圧縮機能については、これまでに寄せられたフィードバックや統計結果から展開機能の需要の高さは確認できたが、圧縮機能の需要については未知数な部分があったためだといい、圧縮機能の追加は、今後のユーザーの反応を見て検討していきたいとしている。

『Photo Story 3 for Windows』実行中の画面『Photo Story 3 for Windows』で追加された編集機能の説明

また、この日の説明会では、“Windows Genuine Advantage Program”により提供される特典プログラムのひとつで、すでに配布が開始されている『Photo Story 3 for Windows』の紹介も行なわれた。同アプリケーションは、Windows XPの拡張ソフトウェアパッケージ『Microsoft Plus! Digital Media Edition』に同梱されていた『Photo Story 2 for Windows』の後継となる製品で、従来製品のユーザーも無償アップグレードにより利用可能。

『Photo Story 3 for Windows』は、デジタルカメラなどで撮影した静止画を元に、スライドショーを簡単に作成するアプリケーション。前バージョンから追加された機能としては、画像の縦横位置変更/赤目補正/カラーバランス補正などの簡易フォトレタッチ機能、パンやズームなどのスライド切替効果や特殊効果、BGM追加/BGM作成機能などがある。同アプリケーションで作成したスライドショーは、Windows Media Video形式(再生にはWindows Media Player 7以降が必要)の動画ファイルで保存され、CDやDVDへの記録やメール送信などの完成後の用途に応じて、ファイルサイズを調整する機能も持つ。なお、同アプリケーションの利用には、Windows Media Player 10が必要。

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