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NECと米サン・マイクロシステムズ、日本と世界での戦略的アライアンスの拡大を発表――SIビジネスと技術開発で幅広く協業してIBM追撃を目指す

2005年04月05日 21時46分更新

文● 編集部 小西利明

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報道陣の前で握手を交わす米サン・マイクロシステムズ社 会長兼CEOのスコット・マクニーリ氏(左)とNEC代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏
報道陣の前で握手を交わす米サン・マイクロシステムズ社 会長兼CEOのスコット・マクニーリ氏(左)とNEC代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏

日本電気(株)(以下NEC)と米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems:以下サン)社は5日、システムインテグレーション(SI)ビジネスと技術開発に関する、日本とグローバル市場における戦略的アライアンスを拡大すると発表した。NECが持つ半導体やハードウェア技術、SIビジネスのノウハウと、サンが持つJavaやネットワークコンピューティング技術など互いの強みを持ち寄ることで、SIビジネス分野でリードする米IBM社を追撃する。発表された協業分野は以下の4つ。

  • SIビジネスの協業強化
  • 情報システム技術とネットワーク技術の統合ソリューションの協業
  • ミドルウェア製品の協業
  • ソリューションセンターの強化
NEC代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏
NEC代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏

NEC代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏と、米サン 会長兼CEOのスコット・マクニーリ(Scott McNealy)氏が出席して行なわれた記者会見では、まずNECの金杉氏によりNECとサンの今までのパートナーシップについて簡単に触れられた後に、両社による戦略的アライアンスの強化点について説明が行なわれた。両社のパートナーシップは、2000年にNECがサンのUNIXサーバー製品を“CX5000”シリーズとしてOEM販売を開始したのを皮切りに、製品やサービスのサポート業務やNECのミドルウェア“VALUMOウェア”のサンのOS“Solaris”対応版の開発・販売を行なうなど、プロダクト単位でさまざまな協業が行なわれていたとした。すでにこうした協業により、NECでは1万台以上のシステムを出荷しているという。今回の発表により、両社の協業はさらに幅広い分野へと拡大する。



NECとサンの協業の歴史と内容。右はNEC 執行役員副社長の川村俊郎氏
NECとサンの協業の歴史と内容。右はNEC 執行役員副社長の川村俊郎氏

4分野の具体的な内容については、NEC 執行役員副社長の川村俊郎氏により説明が行なわれた。まず“SIビジネスの協業強化”については、NECのOMCS(オープンミッションクリティカルシステム)がサポートするOS(HP-UX、Windows、Linux)にSolarisを加え、両社でSolarisユーザーのミッションクリティカル性に対するニーズに応える。サンは日本と米国本社でのNECに対するサポート体制を強化する。また“ミドルウェア製品の協業”とも関わるが、NECのミドルウェア製品群VALUMOウェアとサンのSolarisやミドルウェア“Java Enterprise System”の接続性を検証し、連携を強化する。さらに両社は、サンが主体となって標準化活動に取り組んでいる個人情報保護技術“Identity管理技術”の標準化団体“Liberty Alliance”や、テレコムIT技術の標準化団体“TMF(TeleManagement Forum)”などでの活動の連携を強化していく。

SIビジネス分野での協業についての説明図。NECのソフトウェア技術をSolarisに対応させ、サンは情報や営業支援でサポートする “ミドルウェア製品の協業”の一例。サンの認証サーバーをNECの個人情報管理ソリューションのコンポーネントとして製品化する
SIビジネス分野での協業についての説明図。NECのソフトウェア技術をSolarisに対応させ、サンは情報や営業支援でサポートする“ミドルウェア製品の協業”の一例。サンの認証サーバーをNECの個人情報管理ソリューションのコンポーネントとして製品化する

“情報システム技術とネットワーク技術の統合ソリューションの協業”では、NECのIPテレフォニーシステム“UNIVERGE(ユニバージ)”のサーバー製品『UNIVERGE SV7000』と、サンのシンクライアント“Sun Ray”を連携させて、Sun Ray端末とIP電話を組み合わせたシステムを開発する。このシステムはすでに(株)ぷららネットワークスのコンタクトセンターシステムとして導入が決まっており、VoIPとシンクライアントによる顧客の個人情報保護を特徴としている。将来的には1000席もの規模に拡張される予定とのことだ。さらにサンはSun RayとUNIVERGEを組み合わせたシステムをリファレンスアーキテクチャーとして、グローバル市場への展開を行なう。

NECのIP電話システム“UNIVERGE”とサンのシンクライアント“Sun Ray”サーバー&端末を組み合わせて、次世代のコンタクトセンターシステムとして構築。第一弾はぷららネットワークスに納入される
NECのIP電話システム“UNIVERGE”とサンのシンクライアント“Sun Ray”サーバー&端末を組み合わせて、次世代のコンタクトセンターシステムとして構築。第一弾はぷららネットワークスに納入される
両社の協業の強みについて語るマクニーリ氏
両社の協業の強みについて語るマクニーリ氏

両社がこうした幅広い分野での提携を結ぶのは、SIビジネスで大きくリードするIBMに対抗するためでもある。サンCEOのマクニーリ氏は、サンの長年に渡るSolarisやUNIX、SPARCプロセッサーといった強みと、NECのx86アーキテクチャーや.NETでの強み、また両社共通のLinuxに対する知識を持つとした。そしてこれにJava SystemとNECのVALUMOをシームレスに連携させ、その上にさまざまなサービス(データセンターやVoIP/テレフォニー技術、CRMなど)を展開させると述べた。そしてこうした両社の協業には、競合他社では匹敵するものを提供できないと述べる。

そのうえでマクニーリ氏は、両社の協業によって「名前は出せないが、青のイメージを持ったグローバル展開をしている企業が負け組となるだろう」とした。言うまでもなくこれは、かつて“ビッグブルー”と呼ばれたIBMのこと。さらにマクニーリ氏は「人類対グローバルサービスの戦いは、最終的には人類がこの新しいパートナーシップに助けられて勝つ」と、毒舌を交えて宣言した。人類側がサンで、グローバルサービスとはIBMのことだ。マクニーリ氏と言えば歯に衣着せぬ米マイクロソフト社批判で名高いが、その矛先は今やエンタープライズ分野での最大のライバルであるIBMへと向けられているようだ。その後の質疑応答でもサンのライバルとして、SIの分野では“人類対グローバルサービス”、ハイエンドプロセッサーの分野では“IBMのPower対SPARC”と、同社のライバルとしてIBMを筆頭に挙げている。同社が対IBMを非常に意識したうえで、半導体からハードウェア、SIビジネスまで幅広く手がけるNECを協業のパートナーとして選んだことがうかがえる一幕であった。



左からサン・マイクロシステムズ(株)代表取締役社長のダン・ミラー(Dan Miller)氏、マクニーリ氏、金杉氏、川村氏
左からサン・マイクロシステムズ(株)代表取締役社長のダン・ミラー(Dan Miller)氏、マクニーリ氏、金杉氏、川村氏

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